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俺はキャバクラなんて行った事無かったから、先輩に無理にでも行こう、
社会勉強だからなんて言われても乗り気では無かった。

大体金を払って女性とお話に行く意味がわからない。
話したいなら話しかければいいし、騒ぎたいなら
男同士でも男女混合でも友達を誘えばいい。

実際に無理矢理連れて行かれた先で、特に面白みも無く
きらびやかに着飾った女性を、どこか冷めた目で大変だなあ
とか思いながら、ちびりちびりと美味い酒を煽っていた。

「君は素敵だねえ。僕のお家に来ないかい。」

先輩の一人が女性の一人を口説き始めた。
そのあまりの熱心な口説きっぷりに一同爆笑。
もしかしたら口説いている先輩も、口説ける訳無いと
わかっていながらも、この空間を楽しんでいるのかもしれない。

爆笑は何時間も続いた。腹が痛かった。笑い転げるとはこの事で、
いくら飲んでも酔わないぐらいに笑い続けた。

ベロンベロンに酔っ払った先輩方と分かれて、
今夜泊まるホテルにそれぞれ戻った。



翌朝、二日酔いになる事無く朝を迎えて、いやあ昨日は
良く笑ったなあと振り返り思い出し笑いをしていると、
昨日口説き倒していた先輩と顔を合わせた。

「いやあ、昨日は凄かったですねえ。」

「そうかい?あんまり覚えていないのだけれど。」

「みなさんで大爆笑させてもらいました。」

「そういえば、昨日の女の子の名前、なんだっけ・・・。」



絶句。そして再び爆笑。



「せ、先輩。あれだけ熱心に口説いてたのに・・・。」


「いやあ、顔も良く覚えてないんだよねえ。何言ったかなあ・・・。」

ヒーヒー言いながら同席していた先輩と、反芻するかのように
昨日の顛末の確認と、首をかしげて思い出せないと言いながら
朝飯を食べる口説き倒した先輩は、非常に面白かった。

一人、馬鹿になれる人がいれば、キャバクラも笑える場所なんだなと
不躾な事を思いながらも昨日痛くなった腹痛をぶり返しながら思った。

俺には一人で行って楽しむ事など出来ないだろうけど。
わざわざ金を使って楽しもうとは、やっぱり思えないから。

バブル時代の文化の賜物なのかな。
とにかく金を使う事を考えて、綺麗な女性をはべらせるのが
大好きな人たちと、それを食い物にする商売人と女性たちの、
前時代の遺跡のようなものなのかもしれない。

今でもガールズバーなんてのもあるとニュースでやっていたけれど
いつの時代も男って馬鹿な生き物だね。
男の俺が言うのもなんだけどさ。

男に生まれてすみません。自嘲気味に。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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