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完全フィクション
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何もかもを捨て去って。周りには何も無くなった。

断舎利と言うにはあまりにもゼロに等しい現在の境遇に、身軽さを感じていた。

実は私は自殺しようとしていたのだ。

けれども自殺をしようと思い立った時に、自分の人間関係や、持ち物など何かこの世に残しておくことで誰かの迷惑になってしまうのでは無いかと、全てにサヨナラを告げる事にしたのだ。

必要なものや未練があるものが結構あるのだと思ったものだが、決断してみると私には私以外に必要なものなど無くて、意外にあっさりと全てを捨て去る事が出来た。

しかしながらここでひとつの問題が生じてしまった。

スッキリしてしまったのだ。

色々な事に思い悩んで、読んで字の如く自らを殺して全て終わりにしようとまで考えた気持ちはどこへやら。どうでも良いなあと言う気持ちが心の中に満たされていた。

仕事も止めて人間関係の全てに別れを告げて、家も無いし金も寄付してしまった。服も今着ている物だけ。何の特徴も無いカジュアルな服装。

特に借金があるわけでもないし、このままどこへでも行ける。こんなにも身軽な事が、自由な自分が簡単に手に入るものなのだと自分で驚いてしまった。

捨てる事で生まれ変わったと言えば語弊がある。私は私自身でしかないし、この世で生きて行くのが辛くて辛くて耐えられなくて自殺を選んだのも私。けど今の全てがどうでも良いと感じている自分も私自身なのだ。

他人の何かを邪魔しなければ、今私は本当の自由を手に入れたのだ。

もちろん生きて行く事を選んだら今まで以上に大変な思いをするかもしれない。

だけどリセットして何も無くなってしまった今、一から始める事に何かワクワク感さえ感じてしまっている。一体どうした事なのだろうか。

実はもう疑問に思う気持ちさえ薄れて、なるようにしかならないとすら思えて来ている。それはとても清々しく、心地良い。別にこのまま何もせず、野垂れ死んでしまっても構わない。それほどに今、自分はとても気持ち良いのだ。こんな気持ちになれたのは生まれて初めてなのかもしれない。

いつまで続くかわからないが、この余生を十分に楽しんで死に向かおうと思う。

神様が最後にくれたプレゼントなのかもしれない。

そう思ったら自然と鼻歌交じりに歩き出していた。

どこへ行こうかなんて事も、何をしようかなんて事も考えない。

ただただ、からっぽの清々しい心。

自分の欲望が無いって、こんなにも気楽なものなんだなあと微笑んだ。
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手作りチョコレートなんて言えば聞こえは良いのだけれど、カカオマスで一から作る人はいないだろう。溶かして固めてアレンジを加えてラッピングして完成とするだけだ。

友達が私にお願いをして来た。だったら私もお願いしちゃおうかな。夜を待って、あの人の家のチャイムを鳴らした。

あの人のお母さんが出て来た。後からあの人が出て来る。私は後ろに隠れた友達の代わりに、あの人の幼なじみに、私の友達がチョコをあげたいからって、あの人に伝える。家の裏のあの人の幼なじみの家に向かい、私の友達がチョコを渡す。

「ごめんね。こんなこと頼んじゃって。君にもあげようか?」

「良いよ、気を使わなくてw」

あーあ。欲しいって言ったらあげたのにな。

私の友達が恥ずかしそうにあの人の幼なじみにチョコをあげて戻ってくる。あの人は家に帰る。私は私の友達と帰る事にした。

「あげられなかったね。チョコ。」

「…うん。」

本当は、ずっと前から。あの人が好きなんだけど。

友達に協力する事は出来ても、ひねくれた私は素直にあの人にチョコを渡す事は出来なかった。





私はちょっと粋がってしまって。不良なんて言葉で当てはめられるような立ち位置になってしまった。

私はまだあの人の事が好きだったから、何かとあの人の顔を見ると嬉しかったのに、からかう事しか出来なかった。ひねくれてる上に、幼いだなんて、ダメね私。

そうこうしている内に、不良と呼ばれる人たちにも疎まれてしまって。私は孤立してしまった。自殺する様な人たちみたいなひどい事をされた覚えは無いけど、他人から見たら私はいじめられていたのかもしれない。



そんな割とつまらない時間を過ごして。無事に卒業する事になった。

不良と呼ばれた人たちの何人かは脱落する事になってしまったけど、私は勉強する時間に不自由は無かったから。



卒業した日の放課後。あの人が笑顔で卒業アルバムを持ってやって来た。

「ひとこと書いてよw」

昔から変わらない、少し成長したあの人の笑顔。君だけは、私に変わる事無く接してくれたね。君のそういう所が好きなの。あの時、チョコ渡せば良かったな。

『からかってごめんね。』

そう書いて渡すと、

「ありがとう!」

笑顔で受け取ってくれた。

きっと君と会うのがこれで最後になってしまうんだろうけど。

嬉しかった。楽しかったよ。こちらこそありがとう。

そう思いながらも、笑顔で見送る事しか出来なかった。

ごめんね。さよなら。

今でも、後悔してるよ。
とんとん。

肩を叩いて振り向かせた。ほっぺに突き刺さる人差し指。

「や~い引っかかった~♪」

照れ隠しなのか、真っ赤になってふてくされるようなそぶりを見せる。でも口は笑ってる。

私は君が好き。気になって、学校でたくさんお話して。凄く好きになってしまった。だからね?私の浴衣、見て欲しくて。ちょっと私も照れ隠しだったと思うんだけど。地元の夏祭りで偶然見掛けたあなたにちょっかいを掛けてみたの。

「じゃ~ん!浴衣だよ♪可愛い?」

「…良いんじゃない。」

ぶっきらぼうにそう言った君は、チラチラ見てないふりをして私を見てる。良かった。可愛いって思ってくれたみたい。気に入って、もっと私の事好きになってくれたら良いな。

本当はね?私が君を好きなように、君が私を好きでいてくれてるのを知ってるけど。やっぱり私からじゃ無くて、告白されたいじゃない。だから、きっと君はそんな勇気無いの知ってるけど、それでも私の為に勇気を振り絞って告白してくれるんじゃないかって。毎日学校で。毎晩ベッドの中で。期待して信じてるんだよ。

みんなを、私を笑わせてくれる君が大好きだけど。君がいつも以上に頑張って私に愛の告白を伝えてくれたら、きっと私、舞い上がって毎日が幸せになるぐらい嬉しいと思うの。だから頑張ってね。直接君に伝える事は出来ないけれど。

今日も、ポニーテールにして来たよ。覚えてる?文化祭の前に、ポニーテールが好きだって君が教えてくれたから、ちゃんと見せに行ったでしょ?君はその時も真っ赤になって、似合ってるって言ってくれたよね。もちろん、私が何度も聴いたんだけど(笑)

ライバルって程でも無いけど、君を好きな私の友達が、同じようにポニーテールを見せてたけど、どっちの方が可愛かったかな?私だって思ってくれたら嬉しいな。君の為にこの髪型にしてるんだよ。そのぐらい望んでも良いよね。

私はいつも君を見てるし、君も私をいつも見てるから。毎日目が合って、微笑んで。君をどんどん私の虜にするんだから。本能に抗わないで、どんどん私の事を好きになってね。積極的に私、アプローチしてくからね。覚悟してよ。

そして君が私と一緒になりたいって思ってくれたら、私は全てをあげる準備は出来てるから。後は君が勇気を出すだけだよ。頑張ってね。

君の為に、君の望む色んな事をしてあげる。今の私にとって、君が喜んでくれて、私を愛してくれることが一番の幸せなんだからね。わかった?
きょうもあのひとはげんきだ。

わたしはあのひとをみているのがすきだし、あのひとがわたしとはなしてくれるのはとてもうれしい。

わたしはあのひととはなせたひはいちにちじゅうしあわせだ。

つぎのじかんはたいいくだった。

みんなきょうしつできがえて、たいいくかんにむかった。

きょうはあのひととはなすことができた。

だけどあのひととすこしけんかっぽくなった。

「おまえとなんかけっこんするわけないじゃんw」

あのひとはそういった。

「わかんないよー!わたしとけっこんするかもしれないでしょー。」

じぶんでいっててどきどきした。あのひととけっこん。あのひととけっこん。したいから。

あとでかんがえたらすごくこくはくにちかいことをいっていたのかもしれないくて、かおがまっかになった。

あのひとはきづいたかな。

わたしがあのひとをすきだってこと。

でもあのひとはすごくどんかんだから、わたしのことなんてともだちのひとりとしかおもってないんだろうな。

ほんとうはね。すごくじょしににんきあるんだよ。

わたしはあのひとをすきなじょしのひとり。きっとあのひとがみているのはわたしじゃないけど、それでもあのひとがすきなの。

いつもわらっていて、たのしいはなしをしてくれて。あのひとといると、みんなあかるくなる。わたしもたのしくなる。だからあのひとがすきなの。

いえにかえってから、ひとりであのひとのことをかんがえると、すごくふしぎなきもちになる。うれしいようなくすぐったいような、せつめいできないきもち。これがこいっていうのかな。わたしはあのひとがすき。けっこんしたい。いっしょにいたい。

だからねがいをこめてあのひとにいったの。わたしがあのひととしょうらいけっこんできますようにって。あのひとはきづいてくれなかったのかもしれないけど。でももしかしたらわたしも、あのひとにまだきづいてもらいたくなかったかもしれないって、あとでおもった。だってこわいもん。あのひとがわたしをすきじゃなかったら。わたしだけがあのひとをすきだったら。それをかくにんしてしまったら。なきたくなるよ。

あのひとにかくにんしたわけじゃないのに、なみだがでてきた。あのひとのことをおもうとれいせいではいられない。わたしはほんとうにあのひとのことがすきなんだなって。なきながらおもったの。

でもいつかゆうきをふりしぼって、あのひとにこくはくできたらいいな。

そしてあのひともわたしをすきだといいな。
あなたが私を好き過ぎたから、私はあなたを好きになってしまいそうだった。

私と会った時の、あなたの笑顔はとても嬉しそうで。

全然タイプじゃ無かったんだけど、ああ、私を本当に好きでいてくれてるんだなあって感じていた。だから自分でもわからなくなってしまって、もしかしたらこのままあなたの事を好きになってしまうのかもしれないなあと思ったりしていた。

友達と酔っぱらって電話を掛けて来てくれた時。酔った勢いで私に告白してくれたね。ちょっと感心出来なかったけど、嬉しかったよ。だから、ちゃんとシラフの時に。私に伝えてねって言ったの。ずるかったかな私?だってその時もまだ私はあなたの事を好きかどうか迷っていたから。

あなたの友達も私に告白して。私はあなたの友達に内緒であなたに相談したよね。あなたとお揃いのアメジストのブレスレットを買ったりしたけど、私はあなたへの気持ちがわからなかったから、何かを確かめたかったんだと思う。

あなたは優し過ぎるから。強がって私を譲ったよね。それで私は迷いながら決断してしまった。あなたの友達を選んでしまったの。何が何でも私が欲しいって気持ちが欲しかったのかもしれない。やっぱり私ずるいよね。ごめんね。

そんなずるい私に、罰が下ったのかな。喫煙者だった私は、あなたの友達に振られてしまったの。あなただったら、許してくれたかもしれない。でも、私の健康をちゃんと考えてくれているって事だから、あなたの友達の決断を受け入れる事にしたの。あなたも私があなたの友達を選んで、思わせぶっていた私があなたを振る決断を受け入れてくれたものね。いくらずるい私でも逃げる訳に行かないしね。

あなたとの仲は、結構続いていたけれど。お互いに終わった関係だって認識だったから、振った私も振られたあなたも。なんとなく離れられずにいたね。だけどいつしか時の流れの中で、何か理由があった訳でも無く。だんだんと疎遠になって、ぷっつりと途絶えた。あなたはあなたで違う道や恋愛に進んでいたし、自然の流れだったんだと思う。

今夜はたまたま、初めて告白してくれたあなたのように酔っぱらってしまって。思い出しただけなんだけど。なんとなくお揃いのブレスレットを買って。二人で腕を組んだり手を繋いだりして、不器用にぶつかりながら渋谷の交差点を歩いたシルエットを思い出してしまって、あなたに謝りたくなったの。

あなたにはもう伝わらないけど。ごめんね。
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