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完全フィクション
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あれから二ヶ月が過ぎた。

行けども行けども壊滅状態の町並みしか目に入らず、
今現在いるのが関東なのだが、関西から来たという人間から
聞いた情報も総合すると、どうやら日本全体がこんなことに
なっているようだ。しかし幸い、歩いて家族の無事を確認することが
出来たので、とりあえず一安心だ。

通信関係や報道関係の建物も全て壊滅状態にあるらしく、
携帯電話も公衆電話も繋がらない。どうやら皆自分のところの
生活復旧が最優先というのが統一された考えらしく、
きっと政府もうまく機能していないのだろう。

まさか自分がこんな体験をするとは思ってもいなかった。
しかし、心のどこかでいつかこんなことがあるだろうと
皆気をつけていたせいか、意外と死者は少ないようだ。
そこは大きな救いであったらしく、たくましく復興に向けて皆動いている。

「・・・・。」

ふと、イヤな予感がした。

日本だけか?

もしかして、世界がこんなことになっているのではあるまいな・・・。
しかし、TVやラジオも機能していない今、確かめることは不可能だ。

地球全体がそうなるというのは考えにくいことだが。

待つしかないか・・・。もしかしたら、アメリカあたりが支援に来るかもしれないし。
向こうも同じことになってたら、どうしようもないけれど。

「とりあえず家を造らなきゃな。」

慣れない手つきで、壊滅した廃墟から拝借してきた材料で、
自分の仮家を建てることが最優先だった。
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「どこまで被害は広がっているんだ・・・。」

先日、大地震が起きた。日常は全て壊滅し、見渡す限りの瓦礫の山に
何時間立ち尽くしていたかわからない。連絡手段も全てが不通となっている。

「まさか、日本全体がこんな惨状ではあるまいな・・・。」

放送関係も全てが機能しなくなり、生きている人間を見つけて尋ねても
事情がわかる人間はひとりもいなかった。当たり前のことかもしれないが。

それで、どこか無事な街はないものかと探索しているのである。
離れた場所に住む家族のことも気になるし、もし連絡が取れないままでいたら
大変心配するであろう。何とか連絡だけでも取りたい。無事を確認したい。

しかし、行けども行けども壊滅した街しか目に入らず、
自分が一体どこにいるのかさえも確認しづらい。
行動を起こそうと思わずに、その場で待機している人間に
尋ねることだけが、唯一の場所確認手段だった。

自分は結構人見知りする方だったので、近所づきあいもなく、
近場に仲のいい人間がいなかった。良いか悪いかはわからないが。

とりあえず歩けるだけ歩いてみよう。とにかくどこかへ連絡できる
通信手段すら確保出来ないのでは話にならない。

焦る気持ちを抑えながらも、人づての情報を頼りに歩き続けるのであった。
絵画のような場面に出くわすことがある。

富士に登った時に見れる日の出や、紅葉狩り、青空と海のくっきりとしたコントラスト。
イチョウ並木や桜並木などがそうだ。

「自然ってなんでこんなに綺麗なんだろうね。」

彼女は言った。

僕自身にとってはその横顔の方が美しく感じるのだが、
その美しさを際立たせているのは、周りの風景の美しさが彼女に
彩を加えているせいもあるかもしれない。そう考えたら妙に納得できた。

「人間の目で見たものが一番美しいのかもしれないな。」

微笑む彼女に、僕は言った。

そうさ、この光景はきっと永遠に僕の心に焼き付けられるのだろう。
老いさらばえてしまったとしても。
歳を追うごとに許容できるものが増えている。

「こうでなくてはならない」という気持ちは、日ごとに薄れていく。
それは老いているのではなくて、余裕が出てきたんだろうと感じる。

人間は強いところも弱いところもあるし、
信念もあれば迷いもあり、失敗することだってある。
その全てが当たり前なのだ。それさえわかっていれば
もっと他人を愛することが出来るかもしれない。

もちろん自分に害を及ぼすような輩はイヤだし、
そういった人間を嫌うことだって、自分そのものなんだ。
自然でいい。無理をする必要はない。愛せるものだけ愛すればいい。
頭を垂れていたって、嫌いな者には心の中で舌を出せばいい。

もちろん、ぶつかる事だって必要だ。だけど、どうでもいい人間とは
意見を交換することすら必要とは思えない。そう思うのも自分。

人間らしい人間が一番いい。背伸びしていない、その人らしい人間が。
そしてそういう人間と付き合うことこそ、楽しい人生だと思う。

いろいろなことがあるけれど、それも人生の流れだと納得できるのなら
きっと笑って死ねるはずだと確信する。まだまだ先は長いから。
・・・もし短く終わったとしても、その人生なら満足だ。
炎というものは不思議なもので、ゆらめいているといつまでも見てしまう。

人類が炎を使い始めてから、いろいろな文化の発展に貢献してきた。
それと同時に自然の産物であるがゆえに、自然災害としても
人類に猛威を振るってきた。一体炎とは何なのだろう?

もちろん呪術や宗教の神聖な象徴としても使われてきたし、
料理や灯りとしても役に立ってきた。実態が気体なだけにいかようにも姿を変える。

また、炎の温度はどこまでも上がる。宇宙における恒星においては
億単位の温度を持つほどだ。太陽がその最たる象徴だろう。

これからも我々はうまく付き合って行きたいものだ。
その力が人類を滅ばすほどのものであっても、
うまくコントロールして利用したい。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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