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完全フィクション
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外食するよりは、食材を買って自分で調理した方が安く済む。

2000円ほどの牛肉ステーキ用を買って来た。
下手なステーキ屋に行くよりも、安くて美味い肉が喰える。

家に帰って冷えた牛肉を常温に戻して、
フライパンを煙が出るまで強火で温める。

一度火を消して牛脂で油を敷いてから、
スライスしたにんにくを香り付けに、
フライパンに放り込んで軽く炒める。
国産の方が素敵な香りに包まれる。
安く美味しくとはいえ、そこはケチらない。

弱火で買って来た牛肉を焼き始める。
洋酒でやれば何だかオシャレな気分になれるのだが、
今日は久保田の千寿で米の香りと洒落込もうか。

熱の入った牛肉に回しがけして、
フライパンの蓋を閉めてじっくりと蒸し焼きにする。

良く焼くのも、これぐらいの脂が差した肉なら
美味しく柔らかくも食べられるのだが、いかんせん
はやる気持ちを抑えきれずに、レアになってしまったりする。

肉は塩コショウの味付けが個人的には一番好きなのだが、
ここは手軽に美味しくいただく為に、クレイジーソルト
を用意して、アルコールを飛ばす意味でも心待ちにする。

しばらく時間が経って、勘で頃合いを見計らって、
クレイジーソルトを振りかけてから裏返す。

まだまだ時間はかかりそうだが仕方が無い。
この手間1つで安く美味しく食べられるのだから。

「良い匂いがして来た。腹減ったなあ。」

空腹に肉の香りは、一人きりでも言葉が零れる程食欲を誘う。
どうせまだレアなんだろうな。あの半生がまた美味いんだけど。

そろそろ良いかな。焼け具合を確認して、最後にもう一度
クレイジーソルトを振りかけて、お皿に盛って出来上がり。
用意出来るならサラダを付け添えで盛っても良いだろう。

飲み物は下戸なんで日本茶を用意する。
この脂ぎった牛肉を最後まで楽しむには、
脂ぎった口の中を洗浄してリセット出来る
飲み物が良いだろう。最後まで飽きずにイケる。

「いただきます!」

買っておいた新潟米でご飯なんて炊いてしまったら
もう止まらない。ステーキを切り分けて、ああまた
レアかと苦笑しながら、ご飯と一緒に口の中に放り込む。

肉の歯ごたえと、溶け出す脂とご飯の組み合わせに舌鼓。
細かく切り分けても、最後の方は名残惜しくてだんだん
カットしたステーキ肉がだんだん小さくなったりしてね。

最後まで堪能させていただきました。外食で食べる
ステーキはガッカリする事が多いので、美味しい
ステーキが手っ取り早く食べたい人にはオススメです。
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ふと、目の前の湖に両手で器を作って沈めると、
透き通った事を証明するかのように、痺れるほど冷たかった。

山の中で過ごすには色々な準備が要るけれど、
慣れてくればさほど自分の道具を持って来なくても、
自然と言う地球のくれた恵みだけで欲しいものが
かなり補填出来る事に気がついた。

電気は太陽からもらえば良いし、火だって工夫次第で
ちょっとした火種を作って大きくすることも出来る。

アウトドアなんぞが流行っている昨今、もちろん
便利である事に越したことは無いのだけれど、
折角自然の中に身を置いている以上、出来るだけ
私たちが住む星を肌で感じて生活したいと思った。

身体を病んでいるわけでも無いのに、本能が心身共に
自然のおかげで浄化され、健康になっていくのを感じる。
空気が綺麗だと言うだけでこんなにも違うものかと、曲がりがち
だった背筋を伸ばしながら、スッキリした脳内をめぐらせて想う。

地球のど真ん中には、私たちを一瞬にして消し去ることが出来るほどの
高熱であるマントルが存在している。それは血液が流れ続ける心臓・・・
そして血管の全てが惑星の内部に命を刻んでいると言うことだ。

誰もが普段意識はしていないけれど、こんなにも私たちは私たちが
住む場所に命を与えてもらっているのだと、力を満たしてくれるのだと
歓喜の笑みを浮かべながら感謝しなければならないと思う。

それは決して義務などでは無く、それぞれが当たり前の権利として有する
命のサポートシステムを存分に使い放題いただいているのだ。

この地球に存在する全ての生き物が、本当に幸せなんだと
本来であれば本能で感じ取って喜ぶべき事だと思う。

大きく伸びをして、360°辺りを見渡せば、こんなにも
たくさんの同僚が、いつでもこの場所に存在している。
孤独なんてものはまさか、感じよう筈も無いだろう。

「ありがとう、ありがとう。」

誰もいない。と言う表現は既に有り得ない物になっている。
この場所に存在する、共生している全てに感謝の辞を述べる。

そうだ、きっと私たちはいつでも一緒にいるからこそ、その喜びを、
そして溢れんばかりの愛情を、体温として保有しているのだ。

温度を持たない固体など無い。無機物ですら私たちの仲間なのだ。
それがプラスであろうがマイナスであろうが、仲間には代わりは無いのだ。

壮大な話になってしまうが、この地球に、そして宇宙に。



『貴方が存在しているという事実だけでこの世界は熱をもつ。』



それが事実。
目の前の暴れ馬に乗るには相当に身体の負担が掛かる。
しかしこれもまた苦労=快感を見出してしまった
自業自得と言えば自業自得。日課ほどでは無いが
この大きな振動・・・荒波に飲み込まれてしまった自分がいる。

呼吸だってままならない。
肩を動かすぐらいに大きく深呼吸して、いざ出陣。

「1、2・・・1、2、3・・・GO。」

ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!

ひづめが地面を蹴る音は反抗的態度を体現する
馬の意思と共に踊り狂う。わざと体重を乗せるように
飛び乗った俺は、その理不尽な揺さぶりを誘発したのだ。

「たまんねえ・・・。」

舌を噛むぞ、と他人が呟いていたら突っ込んでいただろう。
もちろんコントロールなんて微塵も出来るわけも無く、
必死にしがみついて振り落とされないように踏ん張っても、
哀れ吹き飛ばされて地面に口付け。おや、天地がひっくり返ったようだ。

「あっはっはっはっは!楽しいなあ!」

馬はまるで『楽しいのはお前だけ。俺は大変なんだよ』と
言わんばかりに横目でこちらを見下して来る。

「・・・上等じゃねえか。」

ニヤリと薄笑みを浮かべる今の自分は賊と呼ばれそうな小悪党か
大悪党を夢見る中二病患者に見えなくも無い。・・・いや、そう見えるだろう。

他人がどうこうとかどう思われてるとか、そんなことはどうでもいい。
再び呼吸を乱して威嚇する暴れ馬の横に立ち、一足飛びに飛び乗った。

ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!

先程よりも大きく波は荒れ狂い、
何かの必殺技でも喰らったかのような勢いで宙を舞う。

普通に落ちればまだいいものの、擦り傷を作る滑りっぷりで
豪快なズサーッ!と言う音と共にローリングダウン。

生傷作って天罰覿面だなあ・・・楽しくて自分でもどうしてこんなにも
こんな痛い思いをしてマゾでもないのに楽しんでいる事が
わからない事自体も楽しくて仕方が無い。イヒヒ。

馬に乗ってみろなんて言うしね。考えるよりまた乗ってしまえ。

「1、2・・・1、2、3・・・GO。」

ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!

結果はいつでもいつも通り。誰もいない荒野で、
馬と自分だけの一騎打ち。さあ、まだまだこれからだ。
ともかく私は、ヒーローズギルドの受付になってしまった。

なってしまったと言う言葉遣いに違和感を覚えた読者諸君。
諸君らの感性は全く以って鋭さを褒め称えて余りある。

ヒーローってカッコイイものじゃない?
女である私が、いえ、この町の女性みんなが
うっとり思い出して語られるような。理想かもしれないけどね。
白馬の王子的な妄想なり憧れを抱くのは当然じゃないですか。
もちろん私もあわよくば・・・ゴニョゴニョ・・・な展開も期待した上での下心。

そう。願わくば諸君らに気の迷いであったと、全力で言い訳させてもらいたい。
ウチのヒーローズギルドは全く以ってやる気が無い。ヒーローのヒの字も無い。

そのくせ、町にはこれでもかと言わんばかりにモンスターがやって来る。
もちろん他力本願な町人や私のようなか弱いヲトメ・・・(私だよ私。
ほら、そこ唾吐いてんじゃねーよ蹴っ飛ばすぞ)が咎めるのが筋違いなのも
読者諸君らの指摘であれば甘んじて受け入れる所存ではございますが・・・。

正義感の無いヒーローってどうなのよ。まがりなりにも下心丸出しで受付に
受かってしまった・・・そう、受かってしまった私を石投げて笑ってくださひ。
モンスターが来てもあくびはするわ、泣き出す奴はいるわ、寝るわ・・・
ある意味肝が据わっていてそこら辺がヒーローなのかもしれないけどね。

「ぼらんてぃあ?しらねーよ報酬寄越せ」だの「生きたもん勝ち」だの
ぶつくさ言いながら壊れる町を見ながら酒盛りを始める始末。

それでいて実力はあるからタチが悪い・・・いや、本当に。ドラゴンぐらいなら
モンハンやりながら・・・おっと失礼。片手間で倒せちゃうぐらい強いのです。

「モンスターが出たぞー!」

町人の声に窓の外を見ればトロールですよ。二階建ての一軒家が小さいぐらいの。

仕方が無いのでギルド内のヒーロー・・・もとい飲んだくれの酔っ払いどもを
けしかけるために、か弱いヲトメ(だから私だっつってんだろ)である私が
操を守りながらやる気を出させるしかないのです。
町のクレームは受付である私に集中するので。

「今回の報酬はほっぺにちゅーです」

「ふざんけんなー!」

「乳もませろー!」

「嫁入り前の美少女になんてことを・・・。」

「誰がびしょうj・・・いえ、なんでもないです。」

私の上目遣いに恐れをなs・・・もといやられちゃったのかしら。
(二つの意味で。)仕方無いなあ・・・。

「なんかモンスター倒してくれたら酒おごってくれるとか言ってたけどなあ。」

俄然色めき立つヒーロー?たち。こののんべえどもが・・・。

「やったろうじゃねえか!」

「お茶の子さいさい!」

「酒じゃ酒じゃ酒じゃ!」

集団で出てったよ・・・。あ。トロール泣いてる。
まあ、ある意味集団で個々を撃破するのは常套手段だし、何とか言う
ヒーロー番組なんかでも弱いものいじめにしか見えない5対1とか
あるからなあ・・・。寄ってたかってタコ殴り。めでたし、めでたし・・・か?
・・・車椅子に座り、首から下が動かなくなった今でも、
想像力のたくましさと言うか妄想癖がひどい私は、
比較的楽しく毎日を過ごしていた。

ありがたい事に全身不随になってからも友人達は
足繁く私の元に訪れては、外に連れ出してくれたり、
以前のような関係をそっくりそのまま続けてくれている。

もちろん身体が動かなくなった時には死んでしまおうかと
思うほどに落胆もしたものだが、まるでその時の自分が
自分自身でも滑稽に思えるほどに、今の私は幸せだった。

暖かな日差しに照らされて、草木の匂い溢れる公園で
友人に車椅子を押してもらい、少しだけ眠くなる。

「ちょっと寝てもいいかな。はしゃぎ疲れちゃったかも。」

無言で頷く友人の笑顔を確認して、私は眠りに着く。



・・・・・・



「ちょっと寝すぎてしまったかな。」

ホビット達が群れを成して野良仕事に出かける際の
鼻歌だか野良歌だかわからないような歌声が響いて、
それが目覚まし代わりに私は目が覚めたのだった。

伸びをすると人形である私の球体関節が軋んで音を立てる。
少し油が足りなくなっているのかもしれない。朝飯代わりに・・・
いや、ラジオ体操代わりに油を差すことにしよう。

ベッドから身体を起こして、マリオネットなんぞよりも
軽快で滑らかな動きだと自画自賛に苦笑しながらも、
ベッドの下の道具箱の中にあった油差しを出して、
自分自身の球体関節に気休め程度に一滴垂らす。

朝の油差しは非常に気分がいい。比喩が矛盾して
おかしな話になってしまうがそれはまるで喫煙の如く
私の心を嗜好品として満たしてくれるのだ。

「今日は何をしようかな。」

仕事なんぞ私には無いし、食べなくても動いていられるから、
今日も自由にしたい事をして一日を過ごそうと思っている。
でも少しだけまだ眠り足りないかもしれないな。

油差しをタンスに仕舞いこんで、飛び乗るようにベッドに戻り、
再び二度寝の湖の底へと沈んでいくのであった。



・・・・・・



「あっ。おじいちゃん笑ってるよ?」

「えっ。」

親父が植物人間になってもう何年にもなる。
しかし不思議な事に普段健康なままの時のような
表情の変化を見せるので、実は私たち家族全員を騙して、
意識の無いフリをしているんじゃあないかと思う時がある。

いつも見つけるのは娘だ。だからこそ何だか出遅れた
自分自身の不甲斐無さから来る嫉妬でもあるかもしれない。

「きっと楽しい夢でも見てるんだよ。
元気な時は世界中を飛び回っていたからね。」

親父、本当は起きてるんだろ?そう言いたくなる気持ちで、
本当に寝ているだけのような呼吸をしている親父に苦笑しつつ、
抱きついて来た娘の頭を撫でるのだった。



・・・・・・



マントを翻してピエロが一人。

「はてさて、あなたの見ている世界。それが全てだとお思いかな?
どれが現実か、真実かなんて自我の認識の上でしかない。
どこかのSFのように今の世界が仮想空間だった!なんてことも
・・・・・・あるかもしれませんね。うふふ。」
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