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完全フィクション
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暗い部屋の中で一人。何故灯りを付けないのかも自分でもわからずに。

私はもうずいぶんとこうしている。きっと私はたった一人で、自分自身の心臓にナイフを突き立てたまま。何一つ行おうともせずに、この場所にいる。

何もかもが許せないのは、何一つ行動できないから。

自分自身が嫌いだから、この世界の全てが嫌いで。どんな事も誰かの、そして自分では無い何かのせいにしてこれまで生きて来た。そしてこれからもそうして生きて行くのだろうと思う。

それは自分で自分を見てもとても愚かな事で、だけど今の自分自身では何一つ直す事も、思い直す事も出来なくて。その方が苦しいのに、一時的に楽な気分を、楽なフリをしていられるから。

本当はもがき苦しんでいて、のた打ち回る程苦しいと言うのに。痛いと言うのに。

たまに震えが止まらない時がある。怖い。恐い。自分自身が何も見えていない事に。これから先の未来全てが真っ暗で何も見えていない事に。

本当は何一つ理解出来ていないのだろうと思う。このままではいつか、悪意のナイフを誰かに突き立てそうで恐ろしい。

どうにも我慢出来なくなって来ている。自分自身の現状に吐いてしまうことだってある。ナイフならまだ良いかもしれない。何かを行ったり役割があるのだから。今の自分には本当に何も無い。心臓が動いているだけだ。

踏み出した事も無いから、どうしていいのかもわからない。教えてもらえたとしても、それ自体がウザったく感じてしまって、受け入れる事が出来ない。自分自身が信じられない。恐い。怖い。

ああどうしたら。今を変える事が出来るのだろう。

心の中に渦巻く悪意にでも身を任せないと、誰とも接する事が出来ないような気がする。でもそれは、自分でもわかっているように、明らかな間違いなのだ。方法がそれしか思い浮かばないとしてもだ。

いつからこうなってしまったんだろう。どうして自分だけがこんな思いをしなけばならないのだろう。自分自身を傷付ける事すら出来なくて。何を以てこの苦しみから、痛みから逃れたら良いのかがわからなくて、ただただ受け入れる毎日。

もうダメなのかもしれないな。眠りに就いて起きて。普通の人たちと何ら変わりない朝が来ることをいつも願っている。自分自身が何も起こさなければ、そんな日々は永久に来ないと言うのに。

自分は世界で一番愚かで。死ぬ事すら出来ない卑怯者だ。

「助けてくれ。」

今日もただただ。心臓だけが鼓動を刻んでいる。
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私はあなたに裏切られてから、あなたには何も言わずに別れて、別の道を歩き出した。

それからと言うもの、あなたはきっと罪悪感に苛まれながら、状況自体は進んでいても、そのままずっと同じ場所に、心を置き去りにしているのだろうと思う。

もしも罪悪感さえも感じていないのなら、それはもう人間としての価値を失っていて、全く以て死んでいるのと何ら変わりは無いだろうから、それはもう人生が終わったも同然、今後一生、自分を取り戻せないまま、死んだように生きて行けば良い。

あなたと顔を合わせた事もあったけれども、あなたは謝る事も出来ない、子供以下の存在だから、何を言って虚勢を張ったとしても、全てが薄っぺらくて、風に飛ばされそうなその存在のまま、終わる事を望んでいるのでしょう。

なんてちっぽけで、どうしようもない、それでいてプライドだけは強く持ち続けて、ずっと矛盾を抱えたまま、常に発言する時は嘘を孕みつつ、生きて行くのですね。

虚しくは無いですか。悲しくは無いですか。

周りがどれだけ取り繕ったところで、あなたの心はあの場所に置き去りのままだと言うのに。

誰かを嗜める事も出来ない。その前にあなたがやるべきことがあるのだから、それも片付けられずにただただ自分に嘘を吐いたまま歩いていくのですね。

私にはとてもじゃ無いけれど、そんな辱めを受けて晒しあげられた状態で生きてなんていられない。あなたはそれを受け入れて生きているのだから、くだらない自分のプライドだけを頼りに、か細く生きている事でしょう。

その生き様の、何と愚かな事か。

あなたの人生は、まるでバーチャルの様におぼろげで、何一つまともに構築出来ないまま、歩くフリだけをしていくと言うのですか。

必死に脚を動かして水面を浮かぶ水鳥とは行かないものですね。全く美しく無い。

何度も過ちや罪を繰り返して、あなたの人生を彩って。いや、黒く黒く塗りつぶされて。

何の価値も無いまま終わる事と思います。

素直になれないと言うのは本当に無様な所作ですね。

私はもうずいぶんと遠くに歩いて来ましたよ。ずっとあなたが仮想空間で足踏みしている間に。あなたが私に追いついてくる事なんて無いだろうから、今見えている内に大きく手を振って別れを告げておこうと思います。

あなたに対して侮蔑以外の何の感情も湧かなくなってしまったけれど。きっとあなたと過ごした時間が、せめて何かの糧になっている事を祈って。

「さようなら。」
バイト先に新しく入って来た君は、スレンダーで背の高い私より大きくて、何となく恥ずかしかったのを覚えている。何でだろう。

私には付き合ってる人がいるのに、君は一生懸命私と接する時間を作って、好きだって気持ちを態度で表してくれたね。少しだけ、嬉しかった。喜んじゃいけないのかもしれないけれど。

君は部署が変わっても頑張っていたから、何となく少しずつ見る目が変わって行ったんだよ。君はきっと、私の心の中なんて知る由も無いだろうけど。

バイト先から花火大会の花火が見えた時に、二人だけで花火を眺めた事があったよね。君は私と花火を見に行きたいって言ってくれたけど。私には付き合ってる人がいたし、なんて答えて良いかわからなくて、笑ってしまったけど。本当は少し嬉しかったんだ。

いつだって君はまっすぐで。まっすぐに私の小さい目を見つめてくれて。たまにドキっとした事もあるんだよ。少しずつ、少しずつ。私の中の何かが変わって行ったのを、ごまかして過ごしていたのは隠せなかったと思う。

だからね、君が辞めてしまうって聴いた時。二人っきりで、ご飯食べたよね。君は浮わついた、私に対する緊張したような、喜んでいるような、そしていつもの表情で。ありがとうございました。って言ってくれた。

本当はね。君がちゃんと私に告白してくれるんじゃないかって。してくれたらどうしようかって少しだけ考えてたの。だから、何だか肩透かしを喰らったような…。裏切られたような気持になってしまって。

少し悔しくなって、悲しくなって、切なくなってしまって。何て言っていいかわからなくなって、軽く頭を小突いてしまった。ごめんなさい。

君の気持ちに応える事なんて、出来ない可能性の方が高いのに。憧れてくれていたであろう君を、いつしか私の物だって勘違いしていたのかもしれない。

それに、君と一緒になりたかったら、本当はもっとたくさん時間があって。私にもしも現状を打破する覚悟があれば、一緒になれていたのかもしれないのにね。

停滞を選んだ私には、何も言う資格なんて無い。だから、お疲れ様でした、って。事務的な挨拶だけで終わってしまった。君は何とも言えない表情で、私を見つめて、深々と頭を下げて残りの仕事に戻った。





君は今、元気にしてるかな?私じゃ無い、お似合いの誰かと幸せに暮らしているのかしら。私の事はもう忘れてしまっただろうけど、君は幸せに生きているよう願っているよ。ありがと。
私でも知ってるような有名なアーティストの歌が頭に浮かんだ。

卑猥や残酷を言葉にして直接口に出したり文章にするような下卑た快感さも嫌いではないが、一人でいる時にそんな事をする必要も無く、淡々とただ過ごすだけである。

寸胴の鍋いっぱいいっぱいに詰め込んだ具材を、おたまを突っ込んでぐるぐるとかき混ぜながら火に掛ける。しばらくしたら味付けを整えて行こう。

あなたの考える部分や、液体を綺麗にする部分はきっと良い出汁が取れると思う。肉はどうかなあ。一応酒に浸してから下茹でしておいたから、それほど臭みは無いと思うんだけど。味を損ねるのは癪だから、後で香草などのスパイスも少々加えておこうかな。

あなたに特に不満があった訳じゃ無いよ。元々別に付き合っていたとかでも無ければ、私があなたを特別好きだった訳でも無い。もっと言えば、あなたと私に一切の面識は無いんだから。

だけどね。美味しそうだなって思ってしまったの。思ってしまったら我慢出来なくなってしまったの。どうやって具材にしたかは秘密。出来るだけ食材としての鮮度と味は損なわないように細心の注意を払ったから、最高の状態で調理を始められたはず。

雑味を撮るためにじっくりと時間を掛けて灰汁を取って。手間を掛ければ掛ける程、食べる時の喜びもひとしお。これだけの量を食べるのはちょっと大変な気がするけど、きっと食べ始めてしまえば平らげるのはそう時間は掛からないんじゃないかな。

冷蔵庫に保管して観賞用として楽しむ人もいるみたいだけど、私にはそんな趣味は無いから、全て具材を鍋に入れておいた。そうそう。先に骨から出汁を取ったりもしてね。結構深みのある味わいになるんじゃないかと思って。後で乾燥させて粉にしたらまた使えるかもね。なかなか味わえるものじゃないし、矛盾してるけど、長く楽しみたいから。

かなり細かくして鍋の中に入れたから、きっと長い時間掛けたら、溶けてしまって、鍋と言うよりはスープになると思う。あなたのエキスを凝縮した、美味しい美味しいスープ。まだ食べた事は無いのだけれど、想像を巡らせるだけでよだれが止まらない。ああ、早く出来ないかな。焦る必要は無いし、お腹が空いてる訳じゃ無いけれど、脳があなたのスープを早く食べたいって欲している。

煮込んでしまえば、形も無くなる。もうすぐ出来上がる。
あなたの為じゃ無くて、誰よりも私の為だし、れっきとした日本食だけどね。





出来上がり。
目の前にある皿にミルクが注がれている。犬や猫じゃああるまいしとは思うのだが、注いだのは自分。つまりこうしたのは気分だ。別にコップでもとっくりにおちょこでも、飲み終えたペットボトルでも良かったのだが、今の気分は自分でもよくわからないが皿がしっくり来た。

このミルクには、毒が入っている。私が詐欺にでも引っかかっていなければ、致死量には充分な程の毒が入っているはずだ。匂いを嗅いでみるが、違いは分からない。飲みやすいようにわかりづらくしてある可能性もある。

何でこんな事をしているかと言うと、死にたくなったからだ。じゃあなんで死にたくなったのか。理由は一つでは無かった。色々な事が積もり積もって、私が死を覚悟するのに、選択をするのに十分なだけの、負の感情が溢れ出したのだ。

だったらすぐに死ねばいいじゃないかとは自分でも思うのだが、いざ死ぬとなると死んだことも無いくせにどうにも恐怖心が湧いてくる。痛いんじゃないか。苦しいんじゃないか。もう死ぬ事は決まっているのに、死ぬ事は選べても苦痛はどうやら嫌らしい。これを乗り越えないと死には辿り着けないのだが、何もかもが嫌になって死を選んだ人間になおも努力を強いて来るとは、なかなかに死も随分とサディスティックな存在のようだ。

もう皿に注がれたミルクを前に、一時間もこうしている。もがき苦しむ自分の姿が頭をよぎる。怖い。でも死にたい。どうして俺がこんな思いをしなければならないのかと、場違いな怒りが頭を掠めたが、そうしようと思ったのは自分じゃないかと、自分自身が可笑しくて笑ってしまう。

皿とミルクと笑い声。何ともシュールな絵なんだろうなあと、再三想像したように私自身の姿を想いながら、それでもやはり死を選ぶ気持ちは強いらしく、この場所からは動けず、止める事なんて到底出来ないと考えていた。

誰にもこの事は伝えていないし、邪魔が入る事は無い。後はこれを飲み干すだけだ。さあ、ぐぐぐいっと。飲め。飲むんだ。そうすればこの辛い辛い世界からおさらば出来るんだ。苦痛なんて一瞬じゃないか。頑張れ、頑張れ。

自分を奮い立たせてみるも、なかなか手が動かない。やっとのことで少しづつ手を持ち上げる。やった。テーブルの上まで来た。何故だろう。物凄く冷や汗をかいている。呼吸も荒い。怖いんだ。

そして震える手で一気に皿を持ち上げると、出来るだけすぐに死ねるように、一気に喉へとミルクを注ぎ込んだ。
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