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私でも知ってるような有名なアーティストの歌が頭に浮かんだ。

卑猥や残酷を言葉にして直接口に出したり文章にするような下卑た快感さも嫌いではないが、一人でいる時にそんな事をする必要も無く、淡々とただ過ごすだけである。

寸胴の鍋いっぱいいっぱいに詰め込んだ具材を、おたまを突っ込んでぐるぐるとかき混ぜながら火に掛ける。しばらくしたら味付けを整えて行こう。

あなたの考える部分や、液体を綺麗にする部分はきっと良い出汁が取れると思う。肉はどうかなあ。一応酒に浸してから下茹でしておいたから、それほど臭みは無いと思うんだけど。味を損ねるのは癪だから、後で香草などのスパイスも少々加えておこうかな。

あなたに特に不満があった訳じゃ無いよ。元々別に付き合っていたとかでも無ければ、私があなたを特別好きだった訳でも無い。もっと言えば、あなたと私に一切の面識は無いんだから。

だけどね。美味しそうだなって思ってしまったの。思ってしまったら我慢出来なくなってしまったの。どうやって具材にしたかは秘密。出来るだけ食材としての鮮度と味は損なわないように細心の注意を払ったから、最高の状態で調理を始められたはず。

雑味を撮るためにじっくりと時間を掛けて灰汁を取って。手間を掛ければ掛ける程、食べる時の喜びもひとしお。これだけの量を食べるのはちょっと大変な気がするけど、きっと食べ始めてしまえば平らげるのはそう時間は掛からないんじゃないかな。

冷蔵庫に保管して観賞用として楽しむ人もいるみたいだけど、私にはそんな趣味は無いから、全て具材を鍋に入れておいた。そうそう。先に骨から出汁を取ったりもしてね。結構深みのある味わいになるんじゃないかと思って。後で乾燥させて粉にしたらまた使えるかもね。なかなか味わえるものじゃないし、矛盾してるけど、長く楽しみたいから。

かなり細かくして鍋の中に入れたから、きっと長い時間掛けたら、溶けてしまって、鍋と言うよりはスープになると思う。あなたのエキスを凝縮した、美味しい美味しいスープ。まだ食べた事は無いのだけれど、想像を巡らせるだけでよだれが止まらない。ああ、早く出来ないかな。焦る必要は無いし、お腹が空いてる訳じゃ無いけれど、脳があなたのスープを早く食べたいって欲している。

煮込んでしまえば、形も無くなる。もうすぐ出来上がる。
あなたの為じゃ無くて、誰よりも私の為だし、れっきとした日本食だけどね。





出来上がり。
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耕助
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男性
誕生日:
1987/01/14
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フリーター
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音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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