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完全フィクション
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「いつだって僕の頭の中には物語や音楽が溢れかえっているんだ」

夢人は言った。

「耕助には理解できないかもしれないけれど」

耕助とは俺のことだ。夢人と俺は世間一般で言う幼なじみ。女の子だったらなおさら良かったのだが、現実というものは得てして思い通りにはいかないようだ。なんだかんだで物心ついた頃から仲良くやらせてもらっている。そんな夢人が遊びに行った帰り道に、突然こんな話を切り出して来たので、正直、ちょっと引いた(笑)

「そういうのって何かで残すことは出来ないのかな?」

そんなこと俺に言われてもなぁ・・・思いつく限りの手段を口に出してみた。

「そうだな・・・日記みたいに大学ノートかなんかに書いたらいいんじゃないか?音楽は歌ったのをテープに録音するとか・・・。」

夢人はなんの疑いもなく、興味深げに俺の提案に耳を傾けている。

「後はそうだな・・・最近流行りのブログなんかどうだろ。書くよりも手っ取り早いかもな。」

「ブログ?インターネットとかで見れるやつ?」

オウム返しに夢人は聞いてきた。

「そうそう。・・・あ、でも夢人はパソコン苦手なんだっけ。」

こいつは勉強の成績は学校でもトップクラスだったというのに、何故かパソコンは覚えられないようだ。天才にも得手不得手があるのだろう。運動神経もいいのだから、ついでにパソコンぐらい出来てもおかしくなさそうだが。それは俺の偏見なのかもしれないな。

「う~ん・・・。面白そうだけどね。」

目をキラキラと輝かせながらも、少し残念そうに腕を組んで悩んでいる。

「あ、そうだ!」

突然大声を出す夢人。なんか思いついたのだろうか。

「僕が物語を話すから、それを耕助がブログってやつに載せてよ!」

おーおー。物凄くいいことを思いついたような顔をしているが、要するに俺はコイツの妄想を全て聞き、それを協力して全て文章に書かなけりゃいけないってことか?勘弁してくれよ・・・。

「・・・全部覚えられると思うか?どのぐらいの物語なのか知らないが・・・。」

「ひとつひとつはそんなに長くないと思う。少しぐらい違ってたっていいよ。それはそれで面白いし。」

はぁ・・・。夢人は言い出したら聞かないからなぁ・・・。どうやら今回は俺が折れるしかなさそうだ。ま、いいか。暇つぶし程度にやっていけば。

「わあったよ。やってやるよ。」

「本当?ありがと耕助♪」

「その代わり、急かすなよ。俺も気晴らし程度にやってくから。」

そう俺が釘を刺すと、夢人は数秒考え込んだ後、こう言った。

「あ、じゃあこうしよう。ひとつ話を終えたら、耕助がブログに書く。んで書き終えたら、俺に言ってよ。次の話をするからさ。」

「はいはい。わかりましたよ。」

「はいは一回だよ。」

「お前はどっかの先生みたいなことを・・・。」

こうして俺は図らずも、夢人の妄想活劇?をブログに書くハメになった。コイツの頭の中から、一体どんな物語が飛び出してくるやら・・・。

「音楽はどうすんだ?そっちは協力できないぞ。」

「音楽は後回しかな。俺も耕助も楽器も出来ないし譜面も読めないし書けないから。手段がないよ。」

「それもそうだな。」

夢人はすごく嬉しそうだ。やれやれ。可愛い女ならともかく、野郎を喜ばす為にブログを書くことになるとはな。ま、腹くくるか。

「夢人ってアレだな・・・。」

「何?」

「頭おかしかったんだな「」違ぇーよ」

俺が言い終わると同時に、するどい夢人のツッコミが炸裂し、枕話は終わるのであった。
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プロフィール
HN:
耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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