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完全フィクション
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あれ、おかしいな。

確かここにあったはずなのに。

あれ、おかしいな。

もっと楽しかったはずなのに。

あれ、おかしいな。

もっとたくさん人がいたはずなのに。

あれ、おかしいな。

僕のせいじゃないのに。

あれ、おかしいな。

確かに大事にしてたのに。

あれ、おかしいな。

僕の身体はこんな形じゃなかったよ。

あれ、おかしいな。

意識がだんだんぼやけていく。

あれ、おかし

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長ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいねじがある。

それをただただ壁にねじ込んでいく作業。

ひたすらひたすら何日も何日も。

そしてねじ込み終わったら、今度はそれをひたすら抜いていく作業。

そんな仕事は俺は出来ないのだが、
職場の先輩が「そんな仕事が一番俺には向いてるなぁ」と言った。

その時は話を聞いてだけで爆笑していたのだが、
よくよく考えてみると、本来の人間の強さとはその程度
なのかもしれないなぁと思った。

特にこの日本では、ベルトコンベアなどの流れ作業での技術は
世界で群を抜いている。手作業のような繊細な仕事が日本は得意だが、
それだって大量生産モノを手作業で全く同じものに近づけていく、
そんな技術はどこか通じるものがあると思う。

ただ、ひたすら繰り返す。気が遠くなるけれど。

ある日、森の中。くまさんに出会った。

花咲く森の道。くまさんに出会った。

森の道の真ん中から少しズレたところで

くまさんはた○ぱんだのようにたれていた。

「なんでこんなところでたれているの?」

「夏は暑いからね。キミもたれてみたらどうだい?」

くまさんの横でたれてみた。

森の中は風が涼しいので、たれるにはもってこいだった。

「気持ちいいね、くまさん。」

「だろう?」

そのまま、ひとりと一匹は寝てしまった。

夜になる前に目が覚めると思うから、

目が覚めたらおうちへ帰ろう。

その時は、くまさんを起こして、御礼と挨拶を残して帰ろう。

おやすみなさい。

「何でこんなことになっちまったのかなー。」

海のど真ん中、ボート一隻。
食料はたんまりとバッグに詰まってはいるものの、
いつ助けが来るかわからない。水だって無限にあるわけじゃないし。

磁石があるわけでもないので、何とか星や太陽を見ながら
方角を目検討で定め、漕いで行く。それでもともと何処にいるのか
わからないのだから、何処に着くかもわからない。

「まぁ太平洋であることには間違いないと思うから、
ロシアや中国とかに着かないことを祈るのみだな。」

持っている装備で魚を何とかできるわけもなく、
何とか体力を温存しながら漕ぐしかない。
でも波に流されていたらどうにもならないのだけれど。

小さなクルーザーで一人旅に出たものの、岩礁に当たって沈没。
何とかめぼしい荷物をまとめてボートに放り込み、沈没前に脱出した次第だ。

「一応SOSは打っておいたから助けが来ると思ったんだけど・・・。
ここまで何もないと希望もクソもないな。」

苦笑気味につぶやいてみる。日本にいるときは気付かなかったが、
人間は本当の孤独になると独り言が多くなる。
見渡す限り海しか見えないのだから、仕方がない。

しかも陸地を見つけたとしても、そこが安全かどうかもわからないのだ。
この状態で希望を持てというほうがおかしい。
雨でも降られて嵐になったらどうなるかわかったもんじゃない。

「気長に救助を待つか・・・。下手に動くよりいいかもしれないな。
ここまで来たらダメな時も覚悟しておこう・・・。」

海風が心地よく、思ったより過ごしやすい状態なので、
とりあえず昼寝でもすることにした。
気がつくと俺は平野のど真ん中にいた。

強めの風と、ざわめく芝生が、なんとも心地よい。
このまま倒れこんで眠ってしまいたいほどだ。

しかし、何か違和感がある。これだけ平和そのものの風景なのに、何かが物足りない。
一体俺の心は何を求めているのだろうか。

何時間か経つと、雨がポツリポツリと顔に落ちてきた。

一気に降り出す豪雨。身体が吹き飛ばされそうな強風だというのに、
何も考えることなくこの嵐の中に身をゆだねている。

そうか、これが欲しかったんだな。
苦難を受け入れて生きていくほうが、
平和の中でふやけて生きているよりも
生きているという実感があるんだ。

この生きている実感を求めていたんだな。
嵐の中にびしょ濡れになりながら、満面の笑みで俺は立ち尽くした。
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1987/01/14
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音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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