忍者ブログ
完全フィクション
[344]  [343]  [342]  [341]  [340]  [339]  [338]  [337]  [336]  [335]  [334
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

目の前の暴れ馬に乗るには相当に身体の負担が掛かる。
しかしこれもまた苦労=快感を見出してしまった
自業自得と言えば自業自得。日課ほどでは無いが
この大きな振動・・・荒波に飲み込まれてしまった自分がいる。

呼吸だってままならない。
肩を動かすぐらいに大きく深呼吸して、いざ出陣。

「1、2・・・1、2、3・・・GO。」

ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!

ひづめが地面を蹴る音は反抗的態度を体現する
馬の意思と共に踊り狂う。わざと体重を乗せるように
飛び乗った俺は、その理不尽な揺さぶりを誘発したのだ。

「たまんねえ・・・。」

舌を噛むぞ、と他人が呟いていたら突っ込んでいただろう。
もちろんコントロールなんて微塵も出来るわけも無く、
必死にしがみついて振り落とされないように踏ん張っても、
哀れ吹き飛ばされて地面に口付け。おや、天地がひっくり返ったようだ。

「あっはっはっはっは!楽しいなあ!」

馬はまるで『楽しいのはお前だけ。俺は大変なんだよ』と
言わんばかりに横目でこちらを見下して来る。

「・・・上等じゃねえか。」

ニヤリと薄笑みを浮かべる今の自分は賊と呼ばれそうな小悪党か
大悪党を夢見る中二病患者に見えなくも無い。・・・いや、そう見えるだろう。

他人がどうこうとかどう思われてるとか、そんなことはどうでもいい。
再び呼吸を乱して威嚇する暴れ馬の横に立ち、一足飛びに飛び乗った。

ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!

先程よりも大きく波は荒れ狂い、
何かの必殺技でも喰らったかのような勢いで宙を舞う。

普通に落ちればまだいいものの、擦り傷を作る滑りっぷりで
豪快なズサーッ!と言う音と共にローリングダウン。

生傷作って天罰覿面だなあ・・・楽しくて自分でもどうしてこんなにも
こんな痛い思いをしてマゾでもないのに楽しんでいる事が
わからない事自体も楽しくて仕方が無い。イヒヒ。

馬に乗ってみろなんて言うしね。考えるよりまた乗ってしまえ。

「1、2・・・1、2、3・・・GO。」

ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!
ダッタカ!ダッタカ!ダッタカ!ダカダカ!

結果はいつでもいつも通り。誰もいない荒野で、
馬と自分だけの一騎打ち。さあ、まだまだこれからだ。
PR
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
リンク
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]