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相変わらず何も無い繰り返す日常。

本当に私には何も無くなってしまった。好きな事や物、人。自分のせいもあるのかもしれない、何度も裏切られて何も信じられなくなってしまったら、何も楽しく感じなくなってしまった。

「死にたいな。」

空元気を出したり、愛想笑いを繰り返すたびに、そう呟いていた。限界なのかもしれない。

たった一人、夜の道を歩く。思い出すのは楽しかった出来事。だけど心は昔ほど何かを感じる事なんて無い。

きっと私は、感性が死んでしまったのだと思う。

鏡を見れば、つまらなそうな顔。いや、それは正しく無いのかもしれない。何にも興味を示す事が出来ない、ドロッとした死んだ眼を見て、私の心は死んでしまったのだなと悟った。

家族が心配しているから。知り合いが心配してくれるから。とりあえずは何事も無いように見せかけているのだけれど、きっと悟られているのだろう。私から諦観が滲み出ているのだろう。心配している表情が周りから消える事は無かった。

けれどもこればっかりは、全てを失ってしまってから何を取り戻せると言うのだろう。もう何一つ、この手のひらから零れ落ちて、残っていないと言うのに。世界は全てモノクロームに色褪せてしまった。希望と言う言葉を聴けば失笑が漏れる。こんな世界に何を期待すると言うのか。少なくとも私には、何も期待できないのだ。

いっそふさぎ込んでしまえたらどれだけ楽な事だろう。だけれども病気と言う名の精神異常を目の当たりにして、ああはなりたくないと思ったし、真似事でも出来るだけまともなままでいようと思えただけ救いがあったのかもしれない。

残された義務は先立つ家族をいつか看取る事だけだな…と淡々と毎日を過ごしていた。

幸せそうな家族を見れば、幸せそうだな、と思う。そこにひがみや嫉妬なんて無い。それが出来る人は、まだ希望があるんだなと、切に思う。何もかもが無くなってしまった今、正直私には何も望むものなんて無い。家族を思うと自殺を選択する事なんて出来ないし、死がやって来るその時までただただ待ち続けるしか無いのだ。

世界は、私の外にある。

喜怒哀楽の感情を発せている人を見て、何かしら思うのかもしれないが、私はその時、感情を棒読みで呟いているだけなんだろうと思う。そこには心の動きが何も無い。

悲しければ涙も出て来るのだろう。だけれども涙さえ枯れ果ててしまった。寂しい事なんだろうな、とぼんやり夜空を見上げて思った。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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