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彼女は黙ったまま、読書を続けた。

僕は後ろから優しく抱き締めて、頭をなでる。
彼女は特に何を思うわけでもなさそうに、
無表情でこちらを振り向いた。かわいい。

彼女の瞳に見つめられると、動けなくなって
しまいそうなほど恥ずかしくなって、こちらは
挙動不審なほどに緊張してしまう。

少し自分の心をごまかすように話し始めると、
彼女はくるっと首を傾げたり、キョロキョロ目線を
ずらしたりして、興味があるのかないのかわからないが
こちらの話をとりあえずは聴いているようだ。

彼女の心はまったくわからない。だからまるで
自分の心が彼女に見透かされているかのような
錯覚に陥る。いや、見透かされているのだろう。

何より、見透かすも何も、自分の気持ちを彼女には
伝えてあるのだから、何も隠していないのだが。

彼女の気持ちは、きっとこっちを向いてはいないだろう。
だけど彼女と目が合い、話をしてるだけで浮かれてしまう。
学生時代のような恋心を抱いているのだろうか。

それ以上に、本当に彼女に惹かれている自分がいる。
全く持って恥ずかしい話なのだが、否定のしようがない。

彼女の向かいの席に座りなおし、再びこちらには
興味なさげに読書を始めた彼女を見つめる。
それだけで幸せだなぁ。一緒にいる彼女も幸せを
感じているといいなと思う気持ちは、贅沢だろうか。
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耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
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フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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