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ぐちゃり。足の裏に感じた違和感は現実のものだった。

「ああ、いやだなぁ。昨日食べたトマトのせいだろうか。」

足の下には、潰れたトマト。よく見ると床一面にトマト。
いや、もしかしたら地面なのかもしれないが、全く見えない。

「あれだけトマト嫌いだって言ってるのに・・・・。」

ひとつひとつ踏み潰しながら歩いていく。
足の裏の感触が実に気持ち悪い。

「トマトなんて足元に敷き詰めるもんじゃないな。
トマトだけじゃない。どんなものでも、足元になんて
敷き詰めちゃいけないものなんだ。」

誰かがアニメに出てくるイガグリのような真っ黒な
妖怪を敷き詰めたいとか言ってたけど・・・。

あれ?自分が言ったんだっけ。なんにしろ
想像以上にこの状況はウザイ。なんとかしてほしい。
が、敷き詰めてしまったものは仕方がない。

その上を歩いていくしか、進むことは出来ない。
羽があるわけでもないから、飛ぶことも出来ないし。
いや、羽があってもペンギンみたいに飛べない奴だっている。

ああ、そういえばペンギンってかわいいなぁ・・・・。

こんなことを考えている間にも足元で着々とトマトは潰されていく。
大体なんでトマトなんだ。ピーマンだったらまだマシだったのに。
オクラだったらやだな・・・。と言うか、野菜である必然性がない。
納豆とかだったら最悪だ。グチョグチョだ。ネチョネチョだ。

真っ赤じゃんか・・・。しかも血の色ではない鮮明な赤。
酸っぱい匂いがツンと鼻をつく。味が甘くても、匂いは酸っぱい。
こんな足蹴にしたトマトの味なんて確認したくもないが。

「これじゃあいつ拭いていいのかわかりゃしない。」

それでも一面に敷き詰められたトマトを、
踏み潰して進むことしか、繰り返し踏み潰して
進むことしか、自分には為す術がなかった。
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誕生日:
1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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