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石材で出来た入口の鉄の扉を開けると、長い階段が続いている。

たいした明かりもないが、下に降りるまでは壁のレンガ自体が
ぼやっと光る素材で出来ている。懐中電灯よりは暗いが、
全体的にほのかな明るさがあるので、階段を踏み外さなくて済む。

階段を降り切るとだだっ広い部屋に出る。今度は逆に真っ暗なので、
最初に教えてもらった階段一番下の電源で唯一の電灯をつける・・・はずだが、
今日は同僚が先についていたらしく、部屋の明かりはついていた。

彼は何も言わず、部屋の真ん中で腕組みをして時間が来るのを待っている。
まだ約束の時間ではないので、私を待っていたわけではない。

私も部屋の隅に荷物を置くと、彼の横に並んで立ち、時間が来るのを待った。
彼と私が向いている方向には、闇が続いている。唯一の電灯にかさがついている為、
奥まで電灯の光は届かない。彼も私も時間まで他言は許されていない。

ただひたすら時間が来るのを待つ。彼と私の足元には、白線が引かれている。
これ以上闇の側へ行ってはいけないと指示されている。
指示を破れば、命の保証がないということも伝えられている。

私と彼の側にある時計の秒針が、約束の時間を指した。
彼がゆっくりと、いつものように口を開いた。

「それじゃあ始めようか。」
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1987/01/14
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夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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