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完全フィクション
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「キミがやってたSNSのサイト、あれどうなった?」

「訪問者が少なくてね。閉鎖する事にしたよ。」

「勿体無い!せっかく作ったのに。」

「いやいや、無料じゃないからね。慈善事業でやってるわけじゃないから。キミみたいな反応する人も多いんだけどね。何の変わり映えもしない、更新も無いサイトなんて見る気ある?」

「そりゃあ無くなるよね。」

「キミも義理で登録してはくれたけど、見てないだろう?」

「見て無いねw」

「そんなもんなんだよ。他人の更新を待つだけじゃ、そのまま廃れていくだけ。別に強制じゃ無いんだけどね。」

「マイペースでも、何かしら更新したほうがいいって事ね。」

「そうだとありがたいね。管理人だけで出来る事なんて限られてるし。やっぱり登録している人たちが動いてくれていないと、存在意義は無くなってしまうんだよ。」

「なかなか難しい事だけどね。続けるのって。」

「でも、SNSにしても、サイトにしても、ブログにしてもさ。更新ありきなわけじゃない?発信しなければ、何の意味も無いんだよ。」

「昔取った杵柄じゃ飽きるもんね。」

「ROM専の人も大事なんだけどさ。それだったら俺のブログでいいわけじゃない。みんな惜しんでくれるのはありがたいんだけど。」

「ネット上なのに人間関係もめんどくさかったりしてw」

「それも問題提起としてはあるよ。だってPCで繋いでると言っても、向こうにいるのは人間なわけだし。」

「顔が見えないからと言って、無礼千万じゃそりゃあ人も来なくなるよね。」

「何だか勘違いしてる人が、文句ばかりで更新して無いと、ただただ人を遠ざける事になる。」

「管理者としては嫌がらせ以外の何物でも無いねw」

「全くだよ。『嫌なら見に来なければいいだろう』と、言いたくない台詞まで言わなきゃいけなくなる。」

「管理者って色々大変なんだなあ。」

「そういう人たちも、登録してくれてる人だから、邪険にしたく無いんだけどね。大切だから。でもね、いくら『人の自由』だからと言っても、誰かに迷惑を掛けてる時点で、それは傲慢でしか無くなるんだよ。なかなかその辺の線引きは難しいんだけどね。」

「それぞれ仮想パーソナルスペースと主義主張は違うだろうからなあ。」

「登録してる人全てがそれぞれバラバラに更新してくれると体裁は保てるんだけどさ。」

「反応が欲しい人はなかなかもらえないと飽きそうだしね。」

「それもある。でも、発信を続けなければ反応なんてもらえるわけが無いんだよ。」

「そうだろうね。」

「ここから先は、個人的見解になるけど。更新ってのは、『他人の為』じゃなくてあくまで『自分の為』にするものなんだと思うよ。」

「そこで関係無いやつにあーだこーだ言われたら嫌気も差すだろうねw」

「うん。だからこそ、うまくやって欲しいなあと思うよ。特に現存してるサイトはね。」

珈琲を煽りながら、行きつけの喫茶店でため息を一つ。キミの苦笑が、話題を締め括った。
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「あなたに、抱き締められたままでいたい。」

夜空の下で独り想いながら、
積み重ねて来た完成しない
努力を思い返し、吐息。

部屋の明かりを消せば、
外に見えるのは街の灯り。
私にはいつもより暗く見える。

秒針の刻む音を耳にしながら、
なんて静かなんだろうと一人ため息。

想いを募らせれば募らせる程に
私の想いは成就しないのだと思い知る。

朝はまだ来ない。

「あなたに、抱き締められたままでいたい。」

繰り返し口にしても、虚しさが募るだけ。

たとえあなたの肌に触れて温もりを感じても、
私が満たされる事は無いのだと痛感する。

夜が明け始めれば、私の目に見えるのは
真に深い限りなく漆黒に近い青。

憂鬱に心曇らせながら、
何もできず時ばかりが過ぎて行く。

あなたに従い、想い続ける事しか
出来ない現実に、この部屋はため息で
満たされて、私の姿は見えなくなる。

都合のいい存在としての意義に縋り付き、
あなたの気まぐれな声が掛かるのを待ち続ける。

「あなたに、抱き締められたままでいたい。」

私の声は届かない。あなたの耳元で囁いても。
あなたの心には届かない。この場所で私が叫んでも。
求める想いは四散して行く。青く深く溶け込むように。

ノイズに誤魔化されるように、
私の存在意義は薄れて行く。

限りなく漆黒に近い青に身を沈めたままで。
あの人が死んでしまった。

あの人が大好きだった薔薇を、
お棺いっぱいに詰めて。

この街は冷たすぎる。
人々の体温すら感じる事は無い。

見上げた曇り空を裂くようなビルの群れ。
幾つもの誘惑と、甘美な囁きに溢れている。

雑踏は騒がしく平穏を乱し続ける。
ネオンサインの示す先は、ひと時の気休め。
欲望に飢えた人々の思想渦巻く吹き溜まり。

「私の色は失われてしまった。」

たとえ、どんな現実を突き付けられようとも。
この夜に終わりを求め、空を裂くビルの上に立とうとも。

私の心には、薔薇に飾られた、生前葬のように
美しいあなたの死に顔が咲き乱れている。

届かない、その現実的な距離を感じても。
この身朽ち果てるまであなたを想い続ける。

全てはきっかけに過ぎない。
私の心を捉えて離そうとしない。
撃ち抜かれたこの心は、
二度と触れる事の出来ない
あなたの為にあるのだろう。

神のみぞ知る、運命なんて信じない。

あなたと言う希望が失われたこの世界の、
私は何者も信じる事は無いだろう。

ただ、色を失ったこの道を歩き続ける。
ただ、時が過ぎ行くのを見届けながら。

あなたと薔薇のように美しく、
この命散り行くのを待ちながら。

あなたにしたためられた遺書を手に、
私は届かないあなたと歩いて行く。

全ては、きっかけに過ぎない。
「見た目が綺麗な女はダメだ。性格が悪い。」

友達はそう言い放った。

「大体そんな女を目の前にしてみろ。緊張で身体が思うように動かないだろう。」

今日は友達と居酒屋に来ている。いつの間にか女性の好みについての話になっていた。そして友達は、酒の酔いも手伝って、ヒートアップの熱弁状態。

「性格だけ良い女もダメ。いつか後悔する日が来る。」

俺はちびちびと、久保田の千寿を飲みながら黙って相槌を打っていた。

「そこで、だ。見た目も性格もそこそこの女を選べば、万事安泰、何もかもが上手く行く。緊張もしないし、自然体で付き合うことが出来る。」

「見た目も性格も良い女じゃダメなの?」

俺は疑問をぶつけてみた。

「それじゃまるっきり理想の女じゃないか。夢を見ちゃあいけないよ。若者よ。」

おまえ同い年だろ…。

「余程の幸運でも無ければ、そんな女に会えるわけが無い。」

鼻で笑うように友達は言った。

「凡庸な俺たちが、そんな幸運に巡り会えるとしたら、それこそ神様の気まぐれ以外の何物でも無いな。」

だんだんと友達の言葉が子守唄になり、俺の相槌はゆりかごとなって…。

そのまま店員に起こされるまで、眠りこけてしまった。



それから、しばらくして、見た目も性格も好みの女性と出会い、遠距離恋愛の末、結婚するに至った。俺は今幸せだ。チャンスがあれば妥協してはいけないな、我が友よ。
まあ、よくある話なのだが、みんなで集まって怪談で盛り上がった。

酒も入っている事もあって、みんな舌が回る回る。
普段怖い話なんて縁の無さそうな奴まで、
躍起になって怪談を口にする。意外さも手伝って、
少しばかり遅い納涼に華が咲いた。

百物語にする程ネタは無いだろうし、
何より肝心要の蝋燭なんかも用意していない。
それぞれが思い思いに、満足するまで語った。

ネタも尽きてきたかな、と思い始めた頃、
一人の気の弱い女の子が、端から見ても
おいおい大丈夫か?と思うぐらいに真っ青な顔をして
ガタガタと震えながら、隣にいる女の子にしがみついていた。

「ちょっとぉ、大丈夫?」

しがみつかれている女の子が心配する。

「怖いよぉ・・・。」

涙目で、と言う表現は控え目で、
ボロボロと涙を流しながら泣いている。
さすがに可哀想と思ったのか、男の子の
一人が対策を口にし始めた。

「宗教の違いとかあるかもしれないけど、南無阿弥陀仏
と唱えると、霊が寄って来ないらしいよ。」

気休めだった。あまりにも震える女の子に、
自分でも信じていない話を提案してみた。

しかしながら、震え上がった女の子にとって、
その言葉は救いの光だった。早速、唱え始めた。

「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・。」

一心不乱に唱える女の子。その光景にどこか部屋の空気が
暖かくなって和やかな雰囲気が流れ、締めくくるはずだった。

次の瞬間、震え上がる女の子が一心不乱に唱える念仏を
、そして部屋にいた全員を凍りつかせる声が、耳に届いた。

誰しもが間違いなく耳にした、低い、この世のもの
とは思えない恐ろしさをはらんだ男の声。











「そんなの効かねえよ。」
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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