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今日は墓参りに来ている。墓の中には俺のかつての親友が埋まっている。

「あれからもう15年は経つのか・・・・。」

世界はひどく変わり果てて、あの頃の面影など微塵もない。
彼が生きていたらどんな顔でこの世界を見つめているのだろう。

信じて、裏切られ。それだけの当たり前のことなのに幾重にも
重なって彼の過敏な心は耐え切れず、自ら命を絶った。

「俺はお前の絶望に気付いてやれなかったんだよな。」

線香を添えて、懺悔をするかのごとく手を合わせた。
俺の背中には重い十字架が背負われている。
『お前の責任じゃない』と言われてはいても、
手を差し伸べることすら出来なかった自分の
無力さは、死ぬまで拭い去ることは出来ないだろう。

何の疑いもなく、信じることのできたあの日。
あの頃の彼の笑顔が、心臓をえぐるように
心を捉えて離れないのだ。

あれから、たくさんの人間の力になろうとした。
だけど、自分が思うほど相手は思っていなかったり、
救おうと思っても結局は何も出来なかった。

いや、救おうと思うこと自体がおこがましいのかもしれない。
今は関わる人たちの全てに、出来ることをやるしかない。

しかし虚しさを心に秘めたまま生きるのはもう疲れた。
寄り添う者すら信じられなくなって。世界はこんなにも、
こんなにも黒色に塗りつぶされているじゃないか!!

手元には一丁の銃を用意してある。今日はそのつもりで来た。
誰の心にも触れられないのならば、もういいじゃないか。
それぞれが自分たちで生きていけるはずだ。俺は必要ない。

見上げた空は灰色に曇っていて。それなのに
今まで見たこともないぐらいに綺麗に見えた。

「絶望の空を見上げるのも、これが最後か・・・・・。」

ひとつひとつの幸せに感謝して。思い出にさよならを告げて。
出会った人達に思いを馳せながらこめかみに銃口を向ける。
最後に愛した人を思いつつ、引き金を引いた。
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耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
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フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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