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「ねーねー。たーくんはなんでみんなとあそばないの?」

「・・・みっちゃんか。」

「あそぼうよー。みんなとあそんだほうがおもしろいよ?」

「ぼくはひとりでいいんだ。ほっといてよ。」

たーくんはいつもそういうことをいう。
よくわからないけれど、わたしはいつもかなしくなる。

みんながわらってるよこで、たーくんはいつもわらわない。
わたしは、いつのまにかたーくんがきになるようになっていた。

「みっちゃんはどうしてみんなとあそぶの?ぼくといてもつまらないよ。」

「そんなことないよー。なにもしないからだよ。」

「なにもしないのが、ぼくはすきなんだ。」

「そっかー・・・。」

わたしはなんだかすごくかなしくなって、うしろをむいた。
たーくんにないてるのをみられたくなかったからかもしれない。

「みっちゃん。」

たーくんによばれたけど、なみだがぽろぽろこぼれてくる。
だけど、たーくんはこういったの。

「なにもしなくてもいいなら、いっしょにいようよ。」

なみだをふいて、わたしはふりむいた。

「ほんとう?」

わたしはうれしかった。たーくんといっしょにいたかったから。

「あ、ちょっとまってね。」

「?」

ふしぎそうなかおでそのばをうごかないたーくんをおいて、もうふをとりにいった。
たいくずわりですわるたーくんのよこにいっしょにすわって、もうふをかけた。

「たーくん、あったかいね。」

「・・・。」

わたしはたーくんにだきついた。たーくんのかおがあかくなる。
ちょっとあつかったかな?でもわたしはたーくんが
きもちいいから、はなれてあげない。

ほんとうはね、しってるんだ。たーくんはおとうさんがいなくて、
おかあさんがだいすきなんだけど、おかあさんにぶたれてるって。

たーくんがおきがえしたときに、いつもみんなのまえできがえないのも、
たーくんのからだがあおくなっちゃってるからなんだよね。

わたしはね。たーくんがひとりぼっちにならないようにしたいんだ。
わたしはたーくんがすきだから。たーくんにわらってほしい。
たーくんがわたしをすきじゃないかもしれないけど、
そんなのかんけいないもん。たーくんといっしょにいたい。

たーくんはめをほそくして、ゆっくりといきをしてる。
よろこんでくれたらいいな。たーくんはひとりじゃないんだよ。
わたしがいっしょにいるから。あんしんしてね。

たーくんと、いっぱいおはなししてるきもちになった。
たーくんはひとつだけ、おはなししてくれたんだ。

「ぬくい・・・。」
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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