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完全フィクション
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夏が終わり、秋に差し掛かる。

小さな頃に比べると、蝉時雨もBGMにしか感じられなくなった。
逆に言えばそれが日本らしく、風流でいいなと思うのだが。

蝉というのは何年も地中にいて、地上に出てきて生きるのは数週間。
どういう進化でそういった生態になったのかわからないが、不思議だ。

地中にいるとき、何を思うのか。
そして成虫に脱皮し、木にとまり鳴いている時に何を思うのか。
大体虫って思考とかあるのかなぁ?ちょっとわからない。

何にしても、言葉が通じない限り、
気持ちや考えてることだってわかるはずもない。

自分の寿命を知ってか知らずか、夏になると身体を震わせて
蝉時雨を作り出す。自然の為せる芸術だ。

蝉時雨の中に入ると、何故か暑さが和らいでくるから不思議だ。
子供の頃は「暑いのにうるさいなぁ」としか思わなかったのだが。

今年もたくさんの蝉が天寿を全うし、役目を終えたことだろう。
来年もまた、地中にいる何割かが、蝉時雨を作り出してくれる。
その時は、森の中ででも聞きたいものだ。
都会で聞くのが悪いというわけじゃないけどね。

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「あのさあ」

「なんだよ」

「たいふういっかってあるじゃん。」

「ああ。」

「俺どんな家族なんだろうとか思ってたよ。」

「あ、家の方の『一家』だと思ってたわけね。」

「そうそう。」

「まぁ、ただ聞いただけならそう思うかもな。」

「だよなー?」

「俺は最初本で読んだから、漢字を間違えることはなかったけど」

「うん」

「意味はわからなかったよ。調べた。」

「そっかー。俺は真実を知るまでにわりと時間かかったな。」

「聞けないことってあるもんな。」

「そうそう。恥ずかしかったりして。しかも悪いことに俺は自分で調べなかった。」

「なるほどね。」

「今回はエラい通り過ぎ方してくれたけどね。」

「交通機関は大混乱だったよな。」

「来年はおとなしい台風一過だといいね。」

「そしたら台風じゃなくなっちゃうけどな。おとなしかったらただの風だし。」

「それもそうだな。」

「台風って、なんで水不足の時とかその場所を避けて通るかなー。」

そう、弟は言った。

「人間のことなんて考えてられねんじゃね?」

「でもさ、毎回水不足のダムの上を通過すれば、
みんなもっと台風を好きになるよ。」

「人間の評価なんて台風にとってすればどうでもいいんだろ。」

「そっかー。」

「だってそんなこといったら砂漠とかにガンガン降ってくれればいいじゃん。」

「あー。それもそうだねー。」

「後はなんだろう・・・。アフリカとか?」

「でもアフリカとかだと湿気で病気の蔓延がすごそう。」

「確かにな。まぁ台風だけじゃなくて自然は人間の都合なんて考えてくれないわけだ。」

「あーあ。たまには台風のフェイントとかないかなー。」

「フェイントってwww」

「だっていっつも予測どおりの動きするじゃん。」

「予測どおりに動いてくれなかったら、それはそれで困るだろ。戻ってきたりとかしたら。」

「でも直撃とかするときは、いきなり90度にガクン!とか避けて欲しいなぁ。」

「えらく自分本位な要望だなw」

「自然が人間のことを考えてくれないように、人間だって自分勝手なんだよ。」

「説得力のあるようなないような・・・。」

「いっそのことパっと消えてくれないかなぁ。」

「怖ぇーよ。」

たまに自分のした行動ですっぽりと記憶から抜けていることがある。
幼少の頃はもちろんなのだが、つい昨日のことでもまれにある。

誰かに言われれば思い出すのだが、言われなければそういうことをしたという
行動そのものの存在がすっぽりと抜け落ちていたりする。

多重人格とかって、こういう感じに似ているのだろうか。
違うところは、自分自身が行動したという記憶を認識できていることだ。
もしくは認知症とはこんな感じなのかもしれない。

脳みそというのは、記憶と記憶を線と線でつなぎ、保存している。
その線が細いと、もしかしたら忘れやすいのかもしれない。
突発的に思ったことや、その場限りのこと、重要でないことは
誰でも忘れているのかもしれない。気付かないだけで。

よく何かを見た瞬間、ブワッと記憶が甦ってくるというのは、
線の途切れていた記憶の塊と、見たことによって線が繋がるからだろう。

忘れるということは非常に人間にとって重要なことらしく、
記憶が曖昧であるということ自体が、柔軟性をもたらしているのだという。

忘れるということが出来ない人間をTVで見たが、
一度認識したものは全て記憶してしまうので、
人の顔のちょっとした変化も記憶してしまい、
同じ人間でも別の人に見えてしまうという。
なんというか不幸な話だ。

逆に5つ以上のことは覚えられないという人間もいたが、
家族に支えられて実に幸せそうだった。

何が幸せで何が不幸なのか、単純には推し量ることが出来ないんだなぁと思った。

歩き出す、あなたの元へ。

「あなたへの想いで引き裂かれそうさ。」

歩き出す、行き先見えず。

「この足が削れても、あなたへ向かってく。」

歩き出す、あなたの元へ。

「満ちていく愛情が身体から溢れ出す。」

歩き出す、あなたの空へ。

「この身が千切れても、あなたへ辿り着く。」

壁際にすがっても、苦しみに悶えても、まだ、届かない。

あなたに愛されてみたい。
だけども届かなくて。
あなたへの想い抱いて、
この身は朽ちるだけ。

歩き出す、あなたの空へ。

「溢れ出す想いがコントロール出来ない!」

歩き出す、空の彼方へ。

「どこまで歩いたら、あなたへ辿り着く?」

この身を砕いても、心を壊しても、もう、届かない。

あなたに愛されてみたい。
だけども届かなくて。
あなたの影、追い求め。
この身は奈落へと。

あなたに愛されてみたい。
だけども届かなくて。今は!
あなたへの想い抱いて、
あの空へ向かうだけ。

この身と引き換えに、辿り着いた空なら
あなたへ届くのか?

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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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