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完全フィクション
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私には好きな人がいる。でもそれがバレバレになってしまうのが私の難点。私はすぐに顔が赤くなってしまうからだ。

いつも私をからかってくる奴がいる。本当にどうしようもない事なんだけれど、あの人が好きだってバレバレだから、私は正直に答えた。

「そうよ、好きなの!悪い?」

「開き直んな(笑)」

実はこうしたやり取りも私自身は嫌じゃ無くて。本当はあの人も私が好きかどうか凄く不安で、その不安に押し潰されそうになる心配性の私が、からかわれている間は不安なんてどこかに飛んで行ってしまうからだ。

あいつはとても面白がっている。顔を真っ赤にして言い訳する私が、本当に面白いのだと思う。あの人を好きな気持ちとか、あいつのおかげで不安なんて吹き飛ばしてくれてるなんて事が、私にはとても充実しているように感じられた。

あの人とあいつは仲が良い。盗み聞きするのは趣味じゃないけど、あの人とあいつが話しているのを聴いた時には、なにやら最近流行りのカラオケに行っているようだった。

良いな、あいつ。私もあの人とカラオケに行きたいよ。

時間が流れると不思議なもので、ずっと救われて来たあいつの事が今度は気になり始めてしまった。

私って惚れやすくて気が多いんだなって自分でも嫌になるけど、たまに目が合う時とか、あいつの目がとても好きだったりする。

でもあいつはきっと、私があいつを好きになり始めたなんて気付いて無い。だって私の友達が前にあいつを好きになった時も、私頼まれて聴いたんだ。

「ねえねえ、告白されるならなんて言って欲しい?」

「おっ。とうとう告白する気になったのか?(笑)」

「もう!良いから答えてよ。もし自分が告白されるとしたら、なんて言って欲しいのよ!」

「やっぱり素直にストレートに『好きです』って言われたら嬉しいんじゃねーか?がんばれよ!」

本当は違うんだけど、応援されてしまった。調子に乗り過ぎるだけで、悪い奴じゃないんだよね。

結局私はあの人に告白出来ないままであの人の好きな人を知ってしまったし、私の友達があいつに告白する事は出来なかった。

そして今は私はあいつを目で追っている。

あいつはあいつで他の女の子と恋愛してたみたいで、でも今はどうなってるかわからないけど。私は私で心変わりした事を知られる事無く、あいつに告白出来ないまま卒業してしまうんだろうな。

でもね、あいつの良い所、私は知ってるから。胸を張って卒業しようって思ってる。

せめてね。
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なんて事は無い、ここ数年は恒例となっている花見。

場所はその時によって変わるし、何となく決めた場所はとても広く、たくさんの人たちが訪れていたが、まだまだスペースは空いている。その日に買ったシートを敷いて、あらかじめ大きなものを買っておいたおかげで、寝そべる事も出来た。

桜の周りにはたくさんの人たちが集まり、撮影会をしていたり、運動をしてはしゃいでいたりと、老若男女がそれぞれ楽しそうに各々の時間を楽しんでいた。

全国の駅弁が集まるお店で買って来た弁当を広げて、君と桜を眺めながらひとしきり食べる。

「外で食べる弁当がこれほど美味しいものだとは思わなかった。」

と君が言う。駅弁だから少々場違いかもしれないが、おおむね同意せざるを得ない。ちいさなみたらし団子や暖かいお茶も買っておいて良かった。花より団子とは良く言ったものだ。君に母親に作ってもらって食べた運動会や遠足の話をしてみたりして、感慨に耽っていた。

これほどゆっくりした時間が流れるのは久しぶりかもしれない。先週もこの場所に訪れたが、一週間でこんなにも桜の具合が変わる事にも驚いた。頭の中で思い描いていた咲き乱れ方そのものがここにあった。

しばらく一息ついてから、君の言葉に甘えて、最近では就寝前の日課となっている耳かきをお願いする。先週この場所に訪れた時に、桜を眺めながら耳かきをしたら、どれだけ気持ちが良いだろうと、前もって頼み込んでおいたのだ。

二人で寝そべる事が出来る程の大きなシートの上で、君に膝枕してもらう。桜の見える位置でお願いする。耳を綺麗にしてもらう快感と共に、見える桜。思った以上に最高で、涙がホロリと流れて来た。

様々な裏切りや挫折、絶望から、さしてなにも感動すら覚えなかった時期もあった。どん底で誰も信じられず、何一つ面白味を感じる事が出来ない時間を過ごした。私は君と会って、人生をやり直した。

これは比喩でも過剰な表現でも無く、本当にかなり大きなマイナスから、色々なものを建て直して来たのだ。私は君が思っている以上にはるかに君を愛し、感謝している。涙が流れて来た事を伝えると、君は笑っていたが、この喜びはわからないだろう。いや、わからなくていい。君には私と同じ辛い思いをさせたくない。

やっとここまで辿り着いたのだ。私は君と過ごす当たり前の時間に幸せを噛み締めるのみ。君が隣で幸せを感じていてくれれば、それで私は幸せなのだ。

ありがとう。
私はあなたの所に、お仕事があるかないか聴きに行く。

あなたはあるかないか、それに答える。

私とあなたはそれだけの関係。

私は学生時代から、ギャルと言うファンションセンスを選んでしまったが為に、ブームが過ぎても肌は黒いままで、金のアクセサリーとそれなりの格好で、今更変える気も起きなかった。

仕事の時はもちろん制服を着て。だけれどもきっととっつきにくいとは思われてると実感している。だからごくごく普通なあなたにも、そう思われてると思ってたし、正直あなたの事は何も感じていなかったって言うのが本音かな。



だけど、ある日、しどろもどろになったあなたを見た。ちょっと可愛いなって思ってしまったの。あなたがその時何を言おうとしたのか確認は出来なかったけど、仕事の話ではぐらかされて濁されてしまった。…もしかしたら、私を何かの形で誘おうとしてくれたのかな?

そんなやり取りをしている間に、あなたの事が何となく気になって来て。だけどあなたには良い人がいるし、私の勘違いなのかなってモヤモヤしてたのは事実よ。それに…あなたには私みたいな女、タイプじゃないと思ってたから。

でも、辞める日が近づいて来ていて、あなたにいつ言おうかな…なんて考えていたある日、あなたの話が少しわからなくて、首を傾げた。そうしたらあなたが、それを可愛いなんて言ってくれたから、私らしくもなく一瞬で舞い上がっちゃってね。きっとそのことは、あなたにも感じ取られてしまったと思うんだけど、恥ずかしい事よりも嬉しい気持ちの方が勝ったわ。

そして仕事を通してあなたに会える最後の日。もしかしたらあなたが誘ってくれるかもしれないって思ったから、期待してさよならを告げに行ったの。あなたは私を誘ってくれなかったから、何となくモヤモヤが強くなって、我慢出来ずに言ったの。

「私、この近くに移動するだけですから、見掛けたら声掛けてください」って。覚えてるでしょ?

でもね、幸か不幸か今日まであなたに会っていないわね。仕事を通さないと会えないなんて、私とあなたは縁が無かったのかもしれない。…違うのかもしれないけれど、そうやって自分を納得させるしかないじゃない?だって、私を誘ってくれなかったって事は、そういう事なんだから。

少しだけ私に夢を見せてくれてありがとう。可愛いって言ってくれて、とても嬉しかった。もう二度と会えないのかもしれないけど、あなたの事、忘れないわ。

さようなら。
ねえどうして?私はオバサンなのに。

君みたいな若い子が、夫も子もある私なんかを、なんでそんなに熱いまなざしを向けてくれるのかしら…。私は、あなたのその熱いまなざしが、何も言われてないのに、今にも道を踏み外しそうで怖かったんだからね?

たまたま、だったのかしらね。私の見た目が、君の好みだったのかも。そうでなければ、私みたいなオバサンが、君に愛してもらえるはずがないもの。私は一生懸命、君の気持ちに気付かないフリをしていたけれど。みんなにバレバレだったでしょう?だけど君は、そんな事もお構いなしに、私の事をじっと見つめてくれていたのね。

たくさんの事が重なって。女性としては生きられなくなって。それでも幸せだって思ってたのに。君が変な夢を見せてくれるから、少し期待して迷ってしまったじゃないの。あんまりオバサンをからかうものじゃないわよ。

こんな大きな倉庫で。最初こそ一緒の事をやっていたけれど。やっぱり男の子だからかな。君はその内チェックする側に回っていて、私が行けば必ず君と顔を合わせるようになったね。君はいつも恥ずかしそうにしていて。その初々しさがとても可愛かったわ。誤解を恐れずに言うなら、食べちゃいたいぐらいに。

だけどやっぱり若気の至りなのかしら。そして君はそれ程経験が無かったのかしらね。とある飲み会で、私が一緒の席に座った時に、みんなが君と二人きりにしてくれて。余計なお世話でもあったんだけれど、私は君に告白されちゃうかな?ってドキドキしてたの。

君は凄く緊張しているみたいで。こんなこと言ったら本当にオバサンになっちゃうけど、若いって良いわね(笑)凄く素敵な横顔に見えた。

君はしばらく、私の隣で。当たり障りの無い会話をして。君といつも一緒にいるお友達もいなくて。何か言いたそうだったけど。私の環境や、家庭の事を考えてくれたのかな。それとも私みたいな家族のあるオバサンと間違える勇気が無かったのかしら。その友達がいない事を理由に、逃げたのよね。君を責めるつもりは無いの。私も道を踏み外さずに済んだんだから、感謝してるぐらいだわ。でも、ちょっと残念だったかな。

それから君は来なくなってしまって。バツが悪かったのかしらね。それとも酔っぱらい過ぎたお友達に付き合ったのかな?そのまま無断で仕事を辞めてしまったようだった。

私の人生に潤いとか小さな夢を見せてくれてありがとうね。君の事、忘れないわ。元気でね。
私は、遠くから見てる事しか出来なかった。

もちろん話した事もあるけど。好きだって伝えられなかったし、友達から遠回りであなたがなんて言われたら嬉しいか…なんて聴いてもらったりもした。

もしかしたらあなたは気付いてたかもね。私があなたを好きだって事。

だけど私はあなたが誰を見ているか、あなたを見ていたらわかってしまったし、何より私には勇気が無かった。

頭も良くて、凄く頑張って部活もやってるの知ってたし、話せば面白いし、あなたは凄く魅力的だった。

比べてしまえば私はあまり目立たない生徒の一人だったから、あなたもそういう風にしか私を見ていなかったんだろうなあって思ってたよ。

ずっと目で追っていて。たまに話してくれる日は嬉しくて。きっと私はこのまま卒業してしまうんだろうなあって思ってたら、その通りになっちゃった。

せっかく、あなたがからかっていた私の友達があなたの事聴いてくれたのにな。私って意気地なし。

あなたと何一つ共有する事も無かったし、私なんかよりもっと可愛かったり、頭が良かったり、綺麗だったりする女の子たちがあなたを取り巻いていたから、私なんかの出番は無かったと思うし、その考えは間違って無かったと思うんだ。

でもね、今思い返してみると、あなたに伝えれば良かったなって思うの。風の噂で聴いたんだけど、あなたは一番好きな人に、想いを伝えたんでしょう?凄いなって思ったよ。私の好きなあなたは、変な言い方だけど、本当に凄い人だったんだなあって誇りに思うの。

あなたはとてもたくさんの人たちと交流があったから、私もその中に入っても良かったかなとも思ってるんだよ。あなたの為に作ったバレンタインチョコも渡せなかったし。本当に意気地なしだよね。

あなたが私をどう思っていたのか、確かめる術はないけれど。いつか一度聴いてみたいな。もしかしたら、何も感じていなくて、ただのクラスメイトとしてしか見て無かったのかもしれないけれど。それでも、あなたの口から聞いてみたい。

あなたが今どこで何をして、誰といるのかもわからないけれど。私にとっても、もう思い出になってしまっているけど。でもね、あの時にあなたの事を好きだったのは確かだから、確かめたいって気持ちは、仕方無いと思うんだ。

私はね、頭が良いとか、部活で頑張っているとか、面白いとかよりも、あなたの笑顔が好きだった。

その笑った顔が、色んな事から救ってくれる気がしたんだ。

ありがと。
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