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完全フィクション
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彼がまた自殺を図った。

幸い、傷が浅かったが、今回は首。
手首ではないだけに、そんなに死にたいのかと
さすがに呆れ返ったが、どうやら何かを悟ったように
彼は今までよりもスッキリした顔で毎日を過ごしている。

死ぬ気がなくなったのかな?いろんな説得を
したけれど、彼には通じなかった。どこか私とは
思考回路が違うのかもしれないと悩んでいたけど
どうやら自分で立ち直れたみたいだ。

人を救うなんておこがましいことかもしれない。
けれどもやっぱり、死にそうな人を見たら力になりたくなる。
もちろん、力になろうとすればするほど、自分の無力さを
痛感して、こっちまで悩み過ぎて死にたくなるのだけれど。

きっとやっぱり他人にはわからない苦しみや考えがあって
その上で彼が何度も死のうとしたのだろうと思った。

それはそうだ。人それぞれ違うのだから、
総てが同じなわけではない。当たり前のことだけど。

最近の明るい顔を見ていると、良かったなぁと思う。
もう二度と死ぬ気なんて起こさないで欲しいものだ。
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とてとて、にゃーお。

僕の家では猫が飼えない。

とてとて、にゃーお。

だけど家路に着く途中、野良猫が着いて来た。
首輪をしているから違うかもしれない。

とてとて、にゃーお。

だけど足元にまとわり着きながらついてくる。
どこまで着いてくるつもりなんだろう。

とてとて、にゃーお。

猫はかわいい。一方的に話しかけるときもある。
だけど決まって、気の合う猫は返事をする。

とてとて、にゃーお。

だけど何やらコイツは自分から話しかけてる気がする。
ごめんよ。本当にうちでは飼えないんだ。

とてとて、にゃーお。

うーん・・・・・。

とてとて、にゃーお。

にぼしでもあげてみるか。いや、そんなもの持ってない。
困り果てながら見つめ返していたが、やがて
野良猫とも飼い猫ともつかぬソイツは去って行った。

なんとなくさびしいような気もする。
だけどまぁこれで良かったのかも知れない。



その翌日も翌々日も、ソイツは現れた。
なんとなく親近感が沸いたので、話すことにした。
同じ場所でいつも別れる。今ではすっかりご近所様だ。
子供の頃、下手くそなりに絵を書くのが好きだった。
ダンボールいっぱいになるぐらいに絵を描き続けた。
物語は常に頭の中にあって、いつだって違う世界
が自分の脳内に広がっていた。今はもう出来ない。

たくさんの詩を書いた。それこそ日記代わりに。
これもいつしか書かなくなってしまった。
後にはたった三冊ほどのノートが残った。

音楽が頭に振ってきた。楽器屋に相談して形に
する機械を知った。シーケンサーで曲を作った。

どれもこれも日常で生み出さなくなってしまった。
生きることや人との関わりの方が重要になった。
妄想もアイデアも生まれてくることは少なくなった。

紆余曲折を経て、自分は今ここに立っている。
果たして、この干上がった脳内に何があるのか。
オーディエンス側に回ってしまった自分には
何もないのかもしれない。やらないだけかもしれない。

年齢とともに枯れていく様々な創造力はどこへ行った?
自分に何もない今、見つめ直さなければいけないのかもしれない。

死ぬ気になれば何でも出来る。
それは努力と言う才能を備えた人間の言葉。

僕のように何度も自殺未遂を
した人間の救いにはなり得ない。

わかったような顔で諭されたところで
頚動脈にまで刃を入れた僕には通じない。

劣等感を抱えた人間にはマイナス思考なりの
魔法の言葉が、救いが存在しなければならない。

自分の命すら失おうとする馬鹿な頭で考えた。
結果、『いつでも僕は死ねる』と考えればいいと気づく。
本当にどうにもならなくなった時。自分の力が及ばない。
何もかもに絶望して動けなくなったら死ねばいい。

周りのことなんて考える余裕はない。
自分のことしか考えられない。
周りの人間が自分のことを最優先に考えて
いるのだから、僕が何を考えようと問題ない。

『いつでも死ねる』と言う後ろ向きな気持ちが
人を救うことだってあるんだ。自殺をするほど絶望
している人間に前向きな言葉なんて効くわけがない。

そんなことを考えていたら、
気持ちがスーッと楽になった。

僕の苦痛を救ってくれる、ネガティブ・リミッター。
今日もその想いを胸に生き長らえている。
たとえそれが望まれていたのだとしても
欲望から来る損害を与える行為が
和の崩壊をもたらすのならば必然。

理解できないのならそれは愚劣であり
理解できているのならばなお悪い。
人間性をも貶める犯罪なら餓鬼。

本人が引き金を引くのであれば仕方がない。
どんなに積み重ねたものであっても
それは一瞬にして灰燼と化す。

周りの誰もがわからないのであれば
教えてやればいい。今まで誰がその和を乱し
続けてきたのか。いくつ引き金を引いたのか。
その人間性がどれだけ醜悪なるものなのか。

饒舌は全てを賄えるほど万能ではなく。
その場しのぎがいつまで続くのかという問題。

成長度合の問題ではなくただの劣悪な畜生。
時がどれだけ進もうとも変わらない本質。

腐臭のする皮で隠しきれるかどうかは
人生そのものが証明するであろう。

悲しみさえ沸いて来ない、哀れな愚者。
欠落した感情は被害を広げるだけ。

後には何も残らない。本人が残さないのだから。
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耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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