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完全フィクション
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私は彼と紆余曲折の末、疎遠になった。

特に何があったわけでもなく。
お互いが、もしくはどちらかが嫌いなったわけではない。

彼の連絡先は未だに繋がっているようだが、
私は彼に連絡する気にならなかった。

理由なんて何も無い。会いたいと思うときもある。
でも連絡はしない。それはなぜだかわからない。

人づてで彼が元気にやっていることを聞く。
それならいいと言う自己満足さえ浮かばない。
『ああ、そうなんだ』と思うだけだった。

改めて考えて見ると不思議だ。
あんなに時間を重ねていたと言うのに。
けれども自然の流れの中でそうなったのなら
それは特に問題なく、仕方が無いのだろう。

彼だって連絡できるのにして来ないわけだし。
私が意地を張っているわけでもなく。

彼から連絡が来ないということは、
彼も私と同じような気持ちなのだろう。
話を直接聞いたわけではないから
わからないけれども。

自然消滅ってこういうことなのだと、
実感を持って思った。
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しん                  とした空間に



.         水滴が落ちる





.                           真っ暗闇の中で



.               私はひとり



もう少し先に




.           光があっても





.                                 手は届かない
ねぇ

私を覗いて楽しい?

ねぇ

私を騙して楽しい?

ねぇ

私を傷つけて楽しい?

ねぇ

私を苦しめて楽しいの?



「フフ・・・・。」

ここまで書き終えて私は、微笑んだ。
自分の状況があまりにもおかしかったから。



私を覗いて騙して傷つけて苦しめて来た
あなたが私を見てどう思うのか楽しみだわ。



最後にあなたの名前を書いて、
汚れないようにビニールで包む。

思いを込めて触れるだけで切れるほどに
研いだ刃物を、頚動脈に当てて思いのまま引いた。
私は自殺するつもりで、鋭いナイフで手首を切り続けた。
馬鹿みたいなためらい傷を作るような真似はしない。
最後には目の前にある崖から飛び降りようと思う。

痛みは痛すぎてなんだか麻痺してきた。
骨も見えたがゴリゴリと骨を切断する。
もう少しで皮一枚というところまで切り裂いた。

このままでも出血多量で死ねるだろうけど、
念には念を入れて飛び降りることにした。

いざ、飛び降りようという時に後ろから呼ぶ声がする。
私を愛してくれた人だ。私を愛しているのなら、
私の決断を鈍らせないようにして欲しいのにな。

予定通り、私は飛び降りる。
間一髪、私の手を掴む私を愛してくれた人。
でもね、蜘蛛の糸じゃ私を助けられないんだよ。

骨さえも切断した私の腕は千切れて、
手だけをあの人の手に残して、私は生涯を終えた。
カジモドは自分の心が美しいと思ったことがあっただろうか。
思ったことがあるのなら彼の心は醜いだろう。
自分の行動が正義と信じて疑わなかったフロローのように。

『鐘』である必要なんてないじゃないか。
信頼を手に入れて、目的を果たした彼にとって
名称など小さな問題に過ぎない。

ユーゴーもヴィクトルもラヴァーンも
愛するエスメラルダや良きライバルである
フィーバスも同じことを思っていたはずだ。

そう、胸を張れる生き方をしていたのならば
ただの『せむし男』だって構わないのだ。

心が美しくないとしても、カジモドのような
人間でいられたなら素晴らしいことだ。
きっと皆『せむし男』になりたがるはずだ。
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耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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