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完全フィクション
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少しだけ人生の路地が交差点として交わったあの人は、
私がひとつの場所に留まっていないことと同じように
あの人はあの人で別の旅路を一歩一歩進んでいる。

あの人が変わっていくということは、まがりなりにも
成長しているということ。『無駄なものなんてないんだよ』
とは、とある作品のセリフ。なるほど、経験は全て糧となる。

糧となるとカテドラルって似てませんか?
まぁ、それはさておき。

私は浮かんだり沈んだり。一定のモチベーションでは
いられませんが、自分の欠点や反省点を自分なりに
解釈し、三歩進んで二歩下がりながら歩いています。

しかしながらただ進み続けるよりも失敗と試行錯誤、
そして懊悩を繰り返していくことこそ、背骨の幅を
太くしていくことだと思うのです。

研ぎ澄まされた刃は、折れやすいから。
それは一部分だけで後は太くした方がいい。

ゴールすらも次々と作り出して目指すのかもしれませんね。
だからこそ、人は成長するのだと思います。
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家のベッドで寝ていたはずなのに、
目を覚ますと明らかに外にいた。

起き上がると、目の前に見たことのない他人がいる。
よく見ると死んでいた。でも死体は語りだした。

「やあやあ。よく来たね。」

来たねも何も、寝ていただけなのだが。

「何をそんなに怖がっているんだい?」

怖がっているのだろうか。特に何にも感じていない。
日常からあまりにもかけ離れすぎて、実感がないから。

「人に愛されないと自分を保てないのかい?」

誰のことを言っているんだ?
一人の時間を大事に感じる自分に、
そのセリフは余りにも的外れだ。

なんてことを考えていると、後ろに気配を感じて振り返った。
女性が眠っている。そうか、彼女に話しかけていたのか。
でも彼女は眠っているのだから、聴くことは出来ないのに。

何やら女性に対して死体は語り続けていたが、
飽きたので聴く耳も持たずに辺りを歩いてみることにした。

よく見ると道端には死体が累々と横たわっていたり佇んでいたり。
それぞれが何かに話しかけているようだが、相手がいない。

「憎しみを一体誰に向けているんだい?」

「身体の繋がりでなければ実感を持てないのかい?」

「求めるものすら、あなたにはわからないのかい?」

「自分に言い聞かせても、考えがまとまらないんだね。」

「結局はただ、ありのままに欲望を満たすだけの人生。」

「中身がないから、浮かれたり蔑んだり出来る。」

「自分という存在だけしか考えられない。」

「とても哀れだね。それをあなた自身だけが気付かないだけで。」

そこらじゅうで死体の独り言が聞こえる。
それはとても耳障りで、心地良い。

しばらくすると扉が現れた。かと言って扉だけで家があるわけでもなく。
この扉の向こうに何があるのだろうか。興味本位のままに、
その扉を開けると、向こう側は真っ暗だった。

覗き込んで、一歩、踏み入れる。
ふいに感じた鈍痛と共に、熱さを感じた。

後ろを振り返ると、背中に何かを刺された様で、
見た事もない女性がこちらに身を預けている。
離れると、彼女の両手は俺の返り血で真っ赤だ。

「誰だよ(笑)」

我ながらこの場にそぐわぬ力のない笑みを浮かべると、
背中に刺さっているであろうナイフを両手で確認した。
あー・・・・。こりゃ思ったよりでかくて深く突き刺さっている。

「とぼけないで!私を騙したくせに。」

彼女に罵倒された。こんな女性は見た事も聞いた事もない。
ああ、言葉が不自然か。よく見ると自分の両手も真っ赤。
彼女の両手も真っ赤。お揃いだね。なんて考えてる場合じゃないか。

「知らないよ(笑)人違いで人刺すなよ全く・・・・・。」

何で刺されたのに俺笑ってるんだろう。
あまり非日常的な頭のおかしい逆恨みが
滑稽で仕方がないんだろうな。

何しろ彼女が恨みを向けるべき人間は無傷のまま。
彼女の恨みは晴らせないは、確実に前科者だからなぁ。
哀れすぎて笑えてくるのかもしれない。

「ふざけないで!」

ああ、言葉は通用しそうにない。他人に迷惑かけるなよ・・・・。
しかもこんな形で。これって俺死ぬんじゃね?
おいおい人違いで危害加えられて死ぬのかよ。
たまったもんじゃないな。死人に口無しで
全部俺のせいにされたりしてな。

根本的解決にはなってないからそんなことをしても
何の意味もないけど。あー視界が白けて来たよ。
本格的にヤバイなこりゃ。彼女はなんか泣き喚いてるけど、
聴覚も薄れてきたみたいでなんだかよく聞き取れない。

聞き取れたとしても人の話を聴かずに自分のことだけ
べらべらしゃべってる奴の聞く耳なんて持つ気もないけど。

次に起きた時は、病院か、死後の世界か。
自分一人で賭けてみるのも面白いかもね。
意識も遠のいてきた。案外冷静なもんだな・・・・・。






・・・・・・・おやすみなさい・・・・・・・。
「触らないで」

彼女は言った。もちろん、私に向けてではなく、この世の全てに。
悲劇の主人公を気取る人間と何度すれ違っただろう。
手を差し伸べようかとも思うが、本当に絶望したこともない
人間の甘えから来るひとりよがりな独り語りにうんざりする。

もちろん人と人とは比べられないものかもしれないけれど。
果てなく気持ちが悪いと思う。幸せに囲まれているくせに。
手を差し伸べられてその手を払っても、なおかつ支えてくれる
そんな人間に囲まれることの幸せを、理解することすらしない。

所詮はうわべの付き合いを求めているのであって、
形式的ではない繋がりを求めているわけではない。

何の気兼ねもなく、安心できる空間なんてなかった。
それが彼女には、まだまだ本当の意味でわかっていない。
彼女のいる空間には、まだかすかにも幸せがあるから。

羨むとか、そういうことではなく。事実を受け止めきれずに
悲しみたがる神経が理解できない。ただの茶番。
笑えることがどれほど大事なのか。泣けることが
どれだけ大切なことなのか。知ることすらしない。

形式的に理屈だけで理解しようとしているだけで、
その本質には絶対に目を向けない。それならば、
放っておけばいいと思う。誰かが必ず彼女を助けるから。

「触らないで・・・・か。」

その言葉は本当は私が言うべきであって、
あなたのための言葉じゃない。

でも、その言葉を発することの出来ない
そんな苦しみすらわからないくせに。

あなたが見ている相手は、決して一人ではないのにね。
代わりがいくらでもいるような人間との付き合いが、
不要であるとは言わないけれど。

絆を貫き通すための努力すらしなかった人間に
本来ならば信頼を求める権利すらないと言うのに。
薄ら寒いその光景を横目で眺めながら、
また一人、真横をすり抜けて通り過ぎた。
アーティストの楽曲を『自分のことではないか』と
勘違いするファンがいるように、今僕が描いている
キャンバスに叩き付けたアートも『自分のことのようだ』
と呟く見物人もいる。僕は自分のために書いているのに。

ここに並べ立てられた作品群はリアルであって
フィクションでもある。全てが散りばめられた欠片
を思うがままに再構築して形にしたもの。
ただ、それだけ。

この作品群を僕自身として捉えること自体、
作品そのものの意義を大きく見失っている。
そのこと自体は別に構わないが、非常に愚かだ。

誰かに向けたものでもなく。自分のために描く。
それを自分のことだと捉えるのは一向に構わないが
それは個人個人のエゴでしかない。驕りでしかない。

そして自分のことだと勘違いしている人間は、
怒ったり、喜んだり。誰を相手にしているのか
知らないけれど、当の作者からすると非常に滑稽だ。

作品を通して自分自身を見つめ直し、戦う。
確かにそれこそがアートのあるべき姿なのかもなと
キャンバスの前でペンキだらけで一息ついて、
缶ジュースのプルタブを開けながら苦笑した。

矛盾が本質を導き出すなんて、なかなか粋だね。
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誕生日:
1987/01/14
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趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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