完全フィクション
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両腕を折り曲げて、肘で天を突くような格好で
自分の両肩を揉み始める。仕事柄、肩が凝るのだ。
「言ってくれれば、私が揉むのに。」
彼女がそう言って、顔をしかめる。しかしながら、愛する人を
疲れさせると言うのは、何となく気が引ける。他の事で
疲れさせたりはするのだけれど、結構な力がいるからね。
彼女の事を良くマッサージするので、そのお返しにと
思ってくれる気持ちは幸せで嬉しいのだけれど。
「いや、まあ自分で揉めるから。」
親指で下に突く様に肩の凝りを解していく。残りの四本の指は、
支点として首の後ろで支えるように添えておく。あー気持ち良い。
そして今度は首だ。首は、手で掴むような感じで揉むといい。
肩に繋がる根元の方から、耳の裏に近いうなじの方まで。
この辺にリンパがあるから、流すイメージで徐々に手の位置をずらしていく。
頭痛だったりすると、これをやるだけで軽減する時もある。
頭が痛ければ肩が凝るし、肩が凝れば頭が痛くなるからね。
まさに不条理な痛みの永久機関。早めに断ち切ってやるのが
リラックスへの近道ともなるのだ。なんて事も考えられないぐらいに、
そして気を抜けば寝ればよだれを垂らすか眠くなるぐらいに気持ち良い。
そして気が済むまでやると、自然と方が軽くなって目も覚める。
眠くなったり目が覚めたり忙しいが、血流が良くなると元気が出るのだ。
伸びをして、身体に喝を入れたら、今度は思いやってくれた
彼女に感謝のマッサージでもしてあげる事にしよう。
幸せそうで気持ち良さそうな、彼女の顔を見ていると、
こっちまで気持ち良くなって幸せになってくるから不思議だ。
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