忍者ブログ
完全フィクション
[439]  [438]  [437]  [436]  [435]  [434]  [433]  [432]  [431]  [430]  [429
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

私はあなたの所に、お仕事があるかないか聴きに行く。

あなたはあるかないか、それに答える。

私とあなたはそれだけの関係。

私は学生時代から、ギャルと言うファンションセンスを選んでしまったが為に、ブームが過ぎても肌は黒いままで、金のアクセサリーとそれなりの格好で、今更変える気も起きなかった。

仕事の時はもちろん制服を着て。だけれどもきっととっつきにくいとは思われてると実感している。だからごくごく普通なあなたにも、そう思われてると思ってたし、正直あなたの事は何も感じていなかったって言うのが本音かな。



だけど、ある日、しどろもどろになったあなたを見た。ちょっと可愛いなって思ってしまったの。あなたがその時何を言おうとしたのか確認は出来なかったけど、仕事の話ではぐらかされて濁されてしまった。…もしかしたら、私を何かの形で誘おうとしてくれたのかな?

そんなやり取りをしている間に、あなたの事が何となく気になって来て。だけどあなたには良い人がいるし、私の勘違いなのかなってモヤモヤしてたのは事実よ。それに…あなたには私みたいな女、タイプじゃないと思ってたから。

でも、辞める日が近づいて来ていて、あなたにいつ言おうかな…なんて考えていたある日、あなたの話が少しわからなくて、首を傾げた。そうしたらあなたが、それを可愛いなんて言ってくれたから、私らしくもなく一瞬で舞い上がっちゃってね。きっとそのことは、あなたにも感じ取られてしまったと思うんだけど、恥ずかしい事よりも嬉しい気持ちの方が勝ったわ。

そして仕事を通してあなたに会える最後の日。もしかしたらあなたが誘ってくれるかもしれないって思ったから、期待してさよならを告げに行ったの。あなたは私を誘ってくれなかったから、何となくモヤモヤが強くなって、我慢出来ずに言ったの。

「私、この近くに移動するだけですから、見掛けたら声掛けてください」って。覚えてるでしょ?

でもね、幸か不幸か今日まであなたに会っていないわね。仕事を通さないと会えないなんて、私とあなたは縁が無かったのかもしれない。…違うのかもしれないけれど、そうやって自分を納得させるしかないじゃない?だって、私を誘ってくれなかったって事は、そういう事なんだから。

少しだけ私に夢を見せてくれてありがとう。可愛いって言ってくれて、とても嬉しかった。もう二度と会えないのかもしれないけど、あなたの事、忘れないわ。

さようなら。
PR
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
リンク
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]