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ねえどうして?私はオバサンなのに。

君みたいな若い子が、夫も子もある私なんかを、なんでそんなに熱いまなざしを向けてくれるのかしら…。私は、あなたのその熱いまなざしが、何も言われてないのに、今にも道を踏み外しそうで怖かったんだからね?

たまたま、だったのかしらね。私の見た目が、君の好みだったのかも。そうでなければ、私みたいなオバサンが、君に愛してもらえるはずがないもの。私は一生懸命、君の気持ちに気付かないフリをしていたけれど。みんなにバレバレだったでしょう?だけど君は、そんな事もお構いなしに、私の事をじっと見つめてくれていたのね。

たくさんの事が重なって。女性としては生きられなくなって。それでも幸せだって思ってたのに。君が変な夢を見せてくれるから、少し期待して迷ってしまったじゃないの。あんまりオバサンをからかうものじゃないわよ。

こんな大きな倉庫で。最初こそ一緒の事をやっていたけれど。やっぱり男の子だからかな。君はその内チェックする側に回っていて、私が行けば必ず君と顔を合わせるようになったね。君はいつも恥ずかしそうにしていて。その初々しさがとても可愛かったわ。誤解を恐れずに言うなら、食べちゃいたいぐらいに。

だけどやっぱり若気の至りなのかしら。そして君はそれ程経験が無かったのかしらね。とある飲み会で、私が一緒の席に座った時に、みんなが君と二人きりにしてくれて。余計なお世話でもあったんだけれど、私は君に告白されちゃうかな?ってドキドキしてたの。

君は凄く緊張しているみたいで。こんなこと言ったら本当にオバサンになっちゃうけど、若いって良いわね(笑)凄く素敵な横顔に見えた。

君はしばらく、私の隣で。当たり障りの無い会話をして。君といつも一緒にいるお友達もいなくて。何か言いたそうだったけど。私の環境や、家庭の事を考えてくれたのかな。それとも私みたいな家族のあるオバサンと間違える勇気が無かったのかしら。その友達がいない事を理由に、逃げたのよね。君を責めるつもりは無いの。私も道を踏み外さずに済んだんだから、感謝してるぐらいだわ。でも、ちょっと残念だったかな。

それから君は来なくなってしまって。バツが悪かったのかしらね。それとも酔っぱらい過ぎたお友達に付き合ったのかな?そのまま無断で仕事を辞めてしまったようだった。

私の人生に潤いとか小さな夢を見せてくれてありがとうね。君の事、忘れないわ。元気でね。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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