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プツリ。

ポタポタ。

指に針を刺したら、血が垂れて来た。当然だ。自分で突き刺したのだから。

針と言うと細いイメージだが、ニードルと聴くと何故かバカでかいイメージがある。針の穴に糸を通すようなと比喩されるあの細さは微塵も感じなくなる。なんだかとても不思議だ。



あなたに出会ったのは、ずっとずっと昔の話。でも厳密に言うと、私とあなたは出会ってすらいないのだけど。

一方的に私が見つけて、一目惚れしてしまった。ストーカーとまでは行かないまでも、見つけるといつも目で追っていた。ガン見って言うのかな?傍から見たら私の思いはサランラップのように透けて見えていた事だろう。だけどあなたは気付かなかったし、気にも留めてくれなかった。

だって気にしてくれていたとしたら、あんなに毎日あなたの事を見つめていたのに、一度も目が合わないなんておかしいじゃない?いつかあなたと恋に落ちれる…日本語変だな…事を信じて。

でも私からは何もアクション起こさなかったから、あなたは知らなくて当たり前なのよね。一言だって交わした事も無いんだから。あなたは私の名前さえ知らないんじゃないかしら。私もあなたの名前、知らないけどね。

あなたに彼女がいるのだって知ってるよ。私と同じ立場になったら、別れろって思うような人もいるのかもしれないけど、私にはそんな事考えられなかった。だってあなた、あまりにも幸せそうでデレデレなんですもの。笑ってしまったわ。こっちまで幸せな気分になっちゃうくらいだったもの。

きっとあなたを見守り続けて、私の人生は終わってしまうのだと思う。あなたを見守る事すら、いつかは叶わなくなってしまうかもね。もしいつか奇跡的に、あなたが私を知ってくれたとしたら。あなたは私の事をどう思うかしら?想像を巡らせるのが楽しみよ。それこそ針の穴に糸を通すような願いかも知れないけれど。

たまたまあなたの帰り道が近かったおかげね。この窓から、毎日あなたを見る事が出来る。誰かに話したら、奇跡は起こらないような気がして、誰にも話して無いのよ?私だけの秘密。こんな話、誰にも出来ないけどね。今の私には。





針は、ニードルは。私にとってとっても細くしてあるのかもしれないけど、とっても太く感じるの。三日に一度刺し替える、血管に刺さったままの点滴針。さっきの裁縫針なんて何とも思わないぐらいの、太くて、重い針。

あなたはこんな話、聴きたくないでしょうね。

また明日、ね。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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