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「○月○日、空いてますか。」

彼から誘いがあったのはついさっき。彼は私を大きく裏切ったくせに、証拠もあると言うのに、謝ろうともしなかった。そしてしらばっくれたまま時は流れ、ある日こんな誘いがやって来たのだ。

本来ならどうしようもないクズのような人間を相手にしている暇は私には無いのだけれど、どんな馬鹿面を下げてやって来るのか、笑ってやろうと思ったのと、どんな顔をして会える恥知らずなのか興味があった。

この連絡が来る前、私はブログを書いていた。「大切な人を大切にしよう」と言う、ごくありきたりな内容だった。まさか私のブログを今更読んでいるストーカーの様なキチガイじみた行為は、最悪でもしていない事を願う。私の勘違いであると良いのだけれど。



当日、時間より早く彼は迎えに来た。普通の顔をして謝る事も無く。最早人間としての最低ラインを超えた、哀れな奴なんだと、その茶番劇に付き合ってやる事にした。当然面白いはずも無く。情報交換だけが唯一のメリットだった。退屈な時間は流れて、単純作業のように私は乗ってやった。

別の知人も連れて来たのだが、そちらは懐かしい顔ぶれ。再会を楽しみ、息災を喜んだ。コイツラもまあ、流されているか騙されているのかわからないが。当事者では無いから放っておいてるだけかもしれない。本当の友達とやらでもあれば、彼を咎めるであろう。その関係の希薄さを薄ら笑う。

他愛も無い話と言えば聞こえは良いけれど。特に面白味も無い時間が続いた。楽しむフリをする。最低な人間が最低である事の確認作業。笑いが込み上げてくる。どこまでゴミクズなんだろう。そして何を想い、私を呼んだのだろう。自分の馬鹿さ加減と、自分の愚行が招いた、心通わぬ人間ばかり周りに集めた寂しさの、藁をも掴むような見当違いの救いを求めたのだろうか。何をしても、何も戻りはしない。時間で信用が解決すると思ってる程、頭がおかしいとは思わなかった。

ああそうか、昔からそうだったよね。どんどん浅く広い人間関係が、虚しく広がって行くだけ。その無様な生き方を、何度繰り返せば思い知るのだろう。きっと反省の仕方も謝罪の仕方も知らないのだろう。ため息とともに反吐が出る。



そして別れ際、どうにかして長く一緒にいようとする、自分本位な彼の想いを断ち切って、さっさと帰宅した。これ以上付き合ってられない。お遊びの時間は終わった。人生が交わる事も、心が通う事ももう無い。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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