完全フィクション
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あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
♪
私が教えたわけでも無いのに嬉しそうに飛び回る子供たち。
とは言っても蛇の目傘なんて持っているわけも無く、
土砂降りの中でカッパを着て遊んでいるだけだが。
洗濯するのがやりがいを感じるぐらい、足元の水溜りに
踏み入れて跳ね回り、見事に泥だらけだ。
しかしながらいつもは口うるさく注意する私も、
水溜りに関しては怒る事が出来ない。
それはそれは遠い昔の話。
憧れのあの人と出会ったきっかけになった話。
その日私は新しい傘を買ってもらった。
物心がつく前から何故か雨が大好きだった私は、
それを教えてくれたはずの両親が不思議がるぐらいに
本当に雨が降れば降るほど上機嫌になるのだった。
今でも雨が降ると嬉しくなる。あまり風が吹いてないほうが嬉しい。
純粋に雨だけが降りしきる一日は、家でじっとしてなんていられない。
長靴を履いてショッピングに出かけるほどの筋金入りの雨フリーク。
しかも雨の日は意外とセールやら割引やらで得な買い物が出来る。
そんな私もその日は、新しい真っ赤なワンピースを着て
同じく赤い長靴でオシャレして、楽しく雨の中を散歩していた。
その辺がまだ子供だった。はしゃぎ過ぎた私は、
せっかく雨の日の為に買ってもらった赤いワンピースを、
滑って転んで泥だらけにしてしまったのだ。
脚を伸ばしてべったりと水溜りに座ってしまった私はとても悲しくなった。
「なにやってんだおまえ。」
後ろから声を上げたのはクラスメイト。あまり話をしたことが無いけど、
どこかかっこいいとみんなに言われていた。でもいつも一人だった。
声を掛けられた私は、知っている顔に安心したのか、声を上げて泣いた。
「しょうがねーな。ほら。」
子供ながらにドキッとしたのを覚えている。ひょいっとお姫様抱っこで
抱え上げられた私は、一度立たされてからおんぶしてもらった。
「おまえのいえ、しらないから。」
ぶっきらぼうにそう言われて、彼の家に連れて行ってもらった。
彼のお母さんに冷やかされながらも事情を淡々と説明して、
私の洋服を洗濯してもらい、お風呂も借りて、無言で彼とプリンを食べた。
後で両親とお礼に言ったりしたけど、
翌日からの彼は何事も無かったように無言。
でも私は彼を目で追うようになった。黙っているけど、
誰かが困ると黙って手を差し伸べてくれる。
そんな彼にぞっこんになった。
結婚した今でも、彼は黙って一生懸命働いて、甘えれば甘やかしてくれる。
辛い時には頭を撫でて慰めてくれる。放っておいて欲しい時には
距離を置いて傍にいてくれる。言葉を交わさなくても、彼の優しさは
私を何度惚れ直させた事だろう。そしてこれからも、子供たちが
育っていく今でも、毎日私は彼を惚れ直している。
あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
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私が教えたわけでも無いのに嬉しそうに飛び回る子供たち。
とは言っても蛇の目傘なんて持っているわけも無く、
土砂降りの中でカッパを着て遊んでいるだけだが。
洗濯するのがやりがいを感じるぐらい、足元の水溜りに
踏み入れて跳ね回り、見事に泥だらけだ。
しかしながらいつもは口うるさく注意する私も、
水溜りに関しては怒る事が出来ない。
それはそれは遠い昔の話。
憧れのあの人と出会ったきっかけになった話。
その日私は新しい傘を買ってもらった。
物心がつく前から何故か雨が大好きだった私は、
それを教えてくれたはずの両親が不思議がるぐらいに
本当に雨が降れば降るほど上機嫌になるのだった。
今でも雨が降ると嬉しくなる。あまり風が吹いてないほうが嬉しい。
純粋に雨だけが降りしきる一日は、家でじっとしてなんていられない。
長靴を履いてショッピングに出かけるほどの筋金入りの雨フリーク。
しかも雨の日は意外とセールやら割引やらで得な買い物が出来る。
そんな私もその日は、新しい真っ赤なワンピースを着て
同じく赤い長靴でオシャレして、楽しく雨の中を散歩していた。
その辺がまだ子供だった。はしゃぎ過ぎた私は、
せっかく雨の日の為に買ってもらった赤いワンピースを、
滑って転んで泥だらけにしてしまったのだ。
脚を伸ばしてべったりと水溜りに座ってしまった私はとても悲しくなった。
「なにやってんだおまえ。」
後ろから声を上げたのはクラスメイト。あまり話をしたことが無いけど、
どこかかっこいいとみんなに言われていた。でもいつも一人だった。
声を掛けられた私は、知っている顔に安心したのか、声を上げて泣いた。
「しょうがねーな。ほら。」
子供ながらにドキッとしたのを覚えている。ひょいっとお姫様抱っこで
抱え上げられた私は、一度立たされてからおんぶしてもらった。
「おまえのいえ、しらないから。」
ぶっきらぼうにそう言われて、彼の家に連れて行ってもらった。
彼のお母さんに冷やかされながらも事情を淡々と説明して、
私の洋服を洗濯してもらい、お風呂も借りて、無言で彼とプリンを食べた。
後で両親とお礼に言ったりしたけど、
翌日からの彼は何事も無かったように無言。
でも私は彼を目で追うようになった。黙っているけど、
誰かが困ると黙って手を差し伸べてくれる。
そんな彼にぞっこんになった。
結婚した今でも、彼は黙って一生懸命働いて、甘えれば甘やかしてくれる。
辛い時には頭を撫でて慰めてくれる。放っておいて欲しい時には
距離を置いて傍にいてくれる。言葉を交わさなくても、彼の優しさは
私を何度惚れ直させた事だろう。そしてこれからも、子供たちが
育っていく今でも、毎日私は彼を惚れ直している。
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