完全フィクション
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白濁した液体を飲み込む。
私は甘酒が好きだ。
だけどそろそろ季節外れになろうとしているのかもしれない。
冷やし甘酒を夏に飲むなんてのも最近ではオツだと思っているけど。
「よっ。」
彼はいつも、約束無しでやってくる。とは言っても、恋人などでは無く、友達以上恋人未満とも程遠い、そうだな・・・飲み仲間みたいな関係。
「どうした今日は?なんか元気じゃねえか。」
「んー。ちょっとね。今日は特別な日だから。」
「なんだそれ。何か良い事あったのか?」
「それはこれから起こるかもね。」
「なんだそれw」
部屋に来た彼を招き入れずに、立ち上がる私。
「ちょっとさ・・・夜の桜でも見に行かない?」
「おっ。いいねー。」
賛同する彼に、まだ肌寒いであろう事を考慮して、ジャケットを羽織る。外に出て、家の鍵を閉める。
「じゃ、行こっか。」
川沿いの桜を眺めながら、色々な事を思い出す。ガラにも無く、美しい桜の花びらにしばし二人で無言のまま見上げて歩く。
私には親友がいる。もちろん同性の。
彼女に彼氏が出来た。
それからと言うもの、彼女にとっての一番は彼氏になり、私は二番になった。
親友の幸せは心から素直に嬉しいと思う。
例えば、約束が反古になったとしても、許してあげる。
だけどやっぱりストレスは溜まる。
だから彼を呼び出して、愚痴を聞いてもらった。
彼は黙ってうなづいてくれる。意見を求めれば応えてくれる。
その関係に居心地の良さを感じ、親友と過ごしていた時間のほとんどを彼と過ごすようになった。
思えば彼に、良くない顔ばかりを見せていた気がする。
だけど彼は笑って、話を聴いてくれた。
時には注意してくれる事もあったし、疎遠になっても親友を大事にしろと窘めてくれる事もあった。
そんな時間を長く過ごしているうちに、久しぶりに親友と会う機会があった。
会うなり、色々と謝られた。
「なんかさ、自分勝手な話なんだけど。心許せる人についつい甘えちゃうんだよね。」
「・・・!」
唐突に、彼の顔が浮かんで、笑ってしまった。
「ちょっと、笑うこと無いでしょ?」
怒る親友に一言。
「そうじゃなくてね?」
気持ちを整える。
「今なら・・・その気持ちわかるよ。」
「今日は愚痴らないのか?」
彼が笑う。
「たまにはそんな日があってもいいじゃない。」
「たまにはってw」
立ち止まり、見上げていた顔を彼に向けて深呼吸。
「好き。」
「へ?」
「大好き。」
「・・・。」
「あなたのことが、大好きです。」
桜舞い散る、春の宵。
私は甘酒が好きだ。
だけどそろそろ季節外れになろうとしているのかもしれない。
冷やし甘酒を夏に飲むなんてのも最近ではオツだと思っているけど。
「よっ。」
彼はいつも、約束無しでやってくる。とは言っても、恋人などでは無く、友達以上恋人未満とも程遠い、そうだな・・・飲み仲間みたいな関係。
「どうした今日は?なんか元気じゃねえか。」
「んー。ちょっとね。今日は特別な日だから。」
「なんだそれ。何か良い事あったのか?」
「それはこれから起こるかもね。」
「なんだそれw」
部屋に来た彼を招き入れずに、立ち上がる私。
「ちょっとさ・・・夜の桜でも見に行かない?」
「おっ。いいねー。」
賛同する彼に、まだ肌寒いであろう事を考慮して、ジャケットを羽織る。外に出て、家の鍵を閉める。
「じゃ、行こっか。」
川沿いの桜を眺めながら、色々な事を思い出す。ガラにも無く、美しい桜の花びらにしばし二人で無言のまま見上げて歩く。
私には親友がいる。もちろん同性の。
彼女に彼氏が出来た。
それからと言うもの、彼女にとっての一番は彼氏になり、私は二番になった。
親友の幸せは心から素直に嬉しいと思う。
例えば、約束が反古になったとしても、許してあげる。
だけどやっぱりストレスは溜まる。
だから彼を呼び出して、愚痴を聞いてもらった。
彼は黙ってうなづいてくれる。意見を求めれば応えてくれる。
その関係に居心地の良さを感じ、親友と過ごしていた時間のほとんどを彼と過ごすようになった。
思えば彼に、良くない顔ばかりを見せていた気がする。
だけど彼は笑って、話を聴いてくれた。
時には注意してくれる事もあったし、疎遠になっても親友を大事にしろと窘めてくれる事もあった。
そんな時間を長く過ごしているうちに、久しぶりに親友と会う機会があった。
会うなり、色々と謝られた。
「なんかさ、自分勝手な話なんだけど。心許せる人についつい甘えちゃうんだよね。」
「・・・!」
唐突に、彼の顔が浮かんで、笑ってしまった。
「ちょっと、笑うこと無いでしょ?」
怒る親友に一言。
「そうじゃなくてね?」
気持ちを整える。
「今なら・・・その気持ちわかるよ。」
「今日は愚痴らないのか?」
彼が笑う。
「たまにはそんな日があってもいいじゃない。」
「たまにはってw」
立ち止まり、見上げていた顔を彼に向けて深呼吸。
「好き。」
「へ?」
「大好き。」
「・・・。」
「あなたのことが、大好きです。」
桜舞い散る、春の宵。
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