完全フィクション
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息子を旅に連れてきた。特別急行のグリーン車、
席に着くと息子は興奮して外を眺める。
子供の頃、狭い世界が全てだと思っていた経験のある自分が、
やはり両親に何処かへ連れて行ってもらった時も嬉しかったものだ。
妻の作った弁当を食べたり、海や街、山々などが見えては消える
外の景色を飽きもせずに子供らしく眺めながらニコニコと
目を輝かせて、その全てを頭に焼き付けているようだ。
経験を積んでしまうと、真新しいものはどんどん無くなってしまうが、
夫婦である私たちにも初体験の、行った事の無い場所に行く事にした。
そうすれば少なからず、息子と共感出来るだろうし、家族である以上
みんなで同じ経験をしたいと思うのは至極当然の流れだと思う。
隣を見れば息子を膝に乗せた妻もニコニコとこの状況を楽しんでいる。
親馬鹿ではあるが、息子の喜ぶ顔が見られる、ただそれだけで幸せなのだ。
そして愛する妻と共にこの旅行へと繰り出せた事も幸せに思う。
「トイレ。」
息子がトイレに行きたいと言い出した。息子同様ニコニコした
妻にも一応行くかどうか聴いてみると、大丈夫だと言うので
とりあえず自分が息子をトイレに連れて行くことにした。
電車の中のトイレも初体験の息子は、勝手もわからないだろう。
子供はトタトタと小さい身体を一生懸命に動かして
走り回るもので、何故そんなに急いで行動したいのか。
そうか、次に待っている何かが楽しいからなのだな、と
一人で自己完結しながら息子の後を追い掛ける。
トイレに辿り着いてドアを開けて、息子と一緒にトイレに入り
息子と一緒に用を済ませると、当たり前のように通り過ぎていた
自動ドアを振り返り、人が通りなかなか閉まらないドアを見た息子。
「あれ、閉めなくていいの~?」
自動ドアがどういう仕組みで動いているのかは理解しているはずだが、
連続してたまたま閉まらなかったドアを見て心配になったのだろう。
閉め忘れると妻に注意されているからか、自分が怒られると
思ったのかもしれない。良い子に育ってるなと親馬鹿ながら思う。
「いいんだよ。」
言った瞬間、自動ドアが閉じた。不思議そうに振り返っていた息子も
安心したのか、また楽しくて仕方が無いと言う顔に戻り、ニコニコと
私たちの席に向かって走り出した。転ばないといいのだけれど。
「あんまりはしゃいで転ぶなよ。」
聴いているのかいないのか、こっちを向いてニコッと笑う息子。
この旅が悪いものになるはずが無いと思うのだった。
席に着くと息子は興奮して外を眺める。
子供の頃、狭い世界が全てだと思っていた経験のある自分が、
やはり両親に何処かへ連れて行ってもらった時も嬉しかったものだ。
妻の作った弁当を食べたり、海や街、山々などが見えては消える
外の景色を飽きもせずに子供らしく眺めながらニコニコと
目を輝かせて、その全てを頭に焼き付けているようだ。
経験を積んでしまうと、真新しいものはどんどん無くなってしまうが、
夫婦である私たちにも初体験の、行った事の無い場所に行く事にした。
そうすれば少なからず、息子と共感出来るだろうし、家族である以上
みんなで同じ経験をしたいと思うのは至極当然の流れだと思う。
隣を見れば息子を膝に乗せた妻もニコニコとこの状況を楽しんでいる。
親馬鹿ではあるが、息子の喜ぶ顔が見られる、ただそれだけで幸せなのだ。
そして愛する妻と共にこの旅行へと繰り出せた事も幸せに思う。
「トイレ。」
息子がトイレに行きたいと言い出した。息子同様ニコニコした
妻にも一応行くかどうか聴いてみると、大丈夫だと言うので
とりあえず自分が息子をトイレに連れて行くことにした。
電車の中のトイレも初体験の息子は、勝手もわからないだろう。
子供はトタトタと小さい身体を一生懸命に動かして
走り回るもので、何故そんなに急いで行動したいのか。
そうか、次に待っている何かが楽しいからなのだな、と
一人で自己完結しながら息子の後を追い掛ける。
トイレに辿り着いてドアを開けて、息子と一緒にトイレに入り
息子と一緒に用を済ませると、当たり前のように通り過ぎていた
自動ドアを振り返り、人が通りなかなか閉まらないドアを見た息子。
「あれ、閉めなくていいの~?」
自動ドアがどういう仕組みで動いているのかは理解しているはずだが、
連続してたまたま閉まらなかったドアを見て心配になったのだろう。
閉め忘れると妻に注意されているからか、自分が怒られると
思ったのかもしれない。良い子に育ってるなと親馬鹿ながら思う。
「いいんだよ。」
言った瞬間、自動ドアが閉じた。不思議そうに振り返っていた息子も
安心したのか、また楽しくて仕方が無いと言う顔に戻り、ニコニコと
私たちの席に向かって走り出した。転ばないといいのだけれど。
「あんまりはしゃいで転ぶなよ。」
聴いているのかいないのか、こっちを向いてニコッと笑う息子。
この旅が悪いものになるはずが無いと思うのだった。
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