完全フィクション
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おもむろに夜の街に繰り出してみた。自転車に乗って。
もう真夜中なのだけれど、君と別れてから、私の心は毎日毎晩落ち着かないままでいた。
悲しいのかもしれない。その衝動が抑えきれないのかもしれない。だけれども悲しくて涙が溢れ出る程に泣き喚くわけでも無く、私は真夜中あてどもなく自転車で走り回る事を選んだ。
人も車も少なくなった車道を走り回るのは気持ちが良い。気が付けば君の家の近くまで来てしまっていたけれど、君の家はスルーして、目的地を決めずに走り回る。
それは心の整理を付ける為のなのかもしれない。君を忘れる為なのかもしれない。時に私は走り回りながら歌ったり、シャッターの閉まった商店街を眺めてみたり。お腹が空けばラーメン屋に飛び込んで食べてみたり。ちょっと自分でも何をやってるのか良くわからなかったけど、何だか楽しくなって自分が笑顔になっている事に気付いた。
いや、滑稽な自分が可笑しかっただけなのかもしれない。
知らない街に出る事もあった。寒ければ息も白くなり、それをしばらく眺めてから暖かい缶コーヒーを飲んで、公園のベンチでゆっくり君との時間を思い返してみたり。警察官に呼び止められることもあったけれど、その会話すら楽しんでいるように自分で思えた。
笑いながら涙が出て来る。ああ、やっぱり私、君と別れて悲しいのかなと思ったりするけど、もしかしたら寒さが目に染みただけなのかもしれなくて、どっちが本当なのかは自分でもわからなかった。
そんな寒い中をしばらく自転車で走り回っていると、身体の芯まで冷え切って来て、突然、帰ろうかなと思う。今私はどこにいるのかすらわからないけれど、大きな道に出れば大体の帰り道はわかるだろう。道はどこまでも繋がっているのだから。
帰り道をゆっくりと楽しんで、家へと辿り着く。朝はまだ来ない時間。家族も、そしてみんなも深く深く眠っている事だろう。草木も眠る丑三つ時なんて言うけれど、真夜中の徘徊は、私だけの時間。誰にも邪魔されないから、とても好きだった。
自分の部屋に戻ると、着替えてからシャワーを浴びたりして、それでもまだ冷え切っている身体を横たえて、布団の中へと潜り込む。布団の中は暖かいはずなのだが、毛布と掛け布団にくるまっていても、足の指先まで冷え切っているのがわかる。もちろん脳も冷え切っているので、心はスッキリとしていて、気持ち良かった。
目の冴えた自分を落ち着かせて、眠りに就く。
もう真夜中なのだけれど、君と別れてから、私の心は毎日毎晩落ち着かないままでいた。
悲しいのかもしれない。その衝動が抑えきれないのかもしれない。だけれども悲しくて涙が溢れ出る程に泣き喚くわけでも無く、私は真夜中あてどもなく自転車で走り回る事を選んだ。
人も車も少なくなった車道を走り回るのは気持ちが良い。気が付けば君の家の近くまで来てしまっていたけれど、君の家はスルーして、目的地を決めずに走り回る。
それは心の整理を付ける為のなのかもしれない。君を忘れる為なのかもしれない。時に私は走り回りながら歌ったり、シャッターの閉まった商店街を眺めてみたり。お腹が空けばラーメン屋に飛び込んで食べてみたり。ちょっと自分でも何をやってるのか良くわからなかったけど、何だか楽しくなって自分が笑顔になっている事に気付いた。
いや、滑稽な自分が可笑しかっただけなのかもしれない。
知らない街に出る事もあった。寒ければ息も白くなり、それをしばらく眺めてから暖かい缶コーヒーを飲んで、公園のベンチでゆっくり君との時間を思い返してみたり。警察官に呼び止められることもあったけれど、その会話すら楽しんでいるように自分で思えた。
笑いながら涙が出て来る。ああ、やっぱり私、君と別れて悲しいのかなと思ったりするけど、もしかしたら寒さが目に染みただけなのかもしれなくて、どっちが本当なのかは自分でもわからなかった。
そんな寒い中をしばらく自転車で走り回っていると、身体の芯まで冷え切って来て、突然、帰ろうかなと思う。今私はどこにいるのかすらわからないけれど、大きな道に出れば大体の帰り道はわかるだろう。道はどこまでも繋がっているのだから。
帰り道をゆっくりと楽しんで、家へと辿り着く。朝はまだ来ない時間。家族も、そしてみんなも深く深く眠っている事だろう。草木も眠る丑三つ時なんて言うけれど、真夜中の徘徊は、私だけの時間。誰にも邪魔されないから、とても好きだった。
自分の部屋に戻ると、着替えてからシャワーを浴びたりして、それでもまだ冷え切っている身体を横たえて、布団の中へと潜り込む。布団の中は暖かいはずなのだが、毛布と掛け布団にくるまっていても、足の指先まで冷え切っているのがわかる。もちろん脳も冷え切っているので、心はスッキリとしていて、気持ち良かった。
目の冴えた自分を落ち着かせて、眠りに就く。
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