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「ふうむ…。」

日記を読み返していた。ちょっと疑問に思った。

「私が、そう誘導した事になるのかな…でもそれって、素直な気持ちじゃないような気がする。」





君を好きなった。ちょっと気持ち悪いって人もいるかもしれないけど、君の事を少しでも知りたくて、学びたくて、君の事で気付いたことを何でも書くことにした。



『君観察日記』。



最初は友達と話してる時の内容とか、好きな漫画、食べ物、趣味、女の子のタイプとか色々聴けて面白かった。君の授業態度とか、運動してる時の君とか、ずっと見てて、その場で書いたり、後で思い出して書いたりしていた。1ヶ月もすると、君と目が合うようになった。君が私を見ているのがわかった。最初は偶然だと思ったけど、何度も目が合うたびに、回数も時間も増えて行ったような気がする。

今思えば、それは私が見ていたからなのかもしれない。だけど君は私を気にするようになり、授業中とか、友達と話している時、下校中なんかでも君が私を見ていることが分かった。

そのうち君は私と目が合うと、照れ臭そうな顔で笑うようになった。それは私にとってとっても嬉しかったし、何よりも『私を見て』そんな表情をしてくれることが恥ずかしかったけど凄く嬉しかった。

ある日、君に呼び出されて、期待に胸を膨らませて人気の無い場所に呼び出されて、真面目な顔をした君に見惚れていると、告白された。私は二つ返事でOKした。私の方が多分先に好きだったんだから当然だ。浮かれた気持ちで、君観察日記、付けていたかいがあったなあとと見返していた時にムクムクと湧き上がった、言いようの無い不安と言うかこだわりと言うか、良くわからない気持ち。

君と付き合えて、お互いに好きになったのだから、それで良いと思う。良いと思うのだが…。なんか誘惑したみたいでもどかしい気持ちになっている。

「ん~…。なんだろうこれ。嬉しいはずなのに。」

大好きな君をだました気がしてしまう。謝った方が良いのかな。でも本人はそんな事気にするなって言うだろうな。それはわかっているんだけど、どうにも気になって仕方が無い。明日君と登校する予定だから、お弁当食べる時でもいいや。どうせお弁当作ってあげるつもりだから。とにかく二人っきりの時に洗いざらい話して意見を聞いてみよう。

「私ってこんなにめんどくさい女だったのかしら…。」

本気で悩みながらも苦笑しつつ、眠れぬ夜を迎えるしか今は術が無かった。

あ~あ…。
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1987/01/14
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自己紹介:
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