完全フィクション
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
とうとうここまで辿り着いてしまった。
時計を見ると、いつの間にか壊れて止まってしまっていた。
必要の無くなった時計を付けている事に意味は感じないが、
捨ててしまうのも勿体無いのでそのまま着けたままにする。
あれからどのぐらい歩いたのだろう。どれだけの人間を
置き去りにして来たのだろう。気がついたら一人だった。
けれども別に後悔は無い。手を差し伸べるつもりは無かったし、
立ち止まりたい人間は自分でそうしているのだからそれでいい。
日差しの無い曇り空が続いている。誰にも理解されないのなら
それでいいとただ自分を奮い立たせて歩いて来たのだ。
目の前には大きな城が建っている。ここに辿り着いた事は
当初の目的でもあり、ゴールでもあるのだが、これで終わりではない。
城の門をくぐり、天守閣に向かう。辿り着いて外を見ると、
何も無い砂漠が続いている。ここから世界を広げていくのだ。
「Never Ending Storyみたいだな。ファルコンはいないけど。」
「会社を設立して、運営していくなんて、そんなものだよ。」
独立祝いに飲みに誘ってくれた大恩ある社長はそう言った。
「そんなものですか。」
社長にとって馴染みのある、大切な好物だと言っていた
メロウコズルをちびりちびりと飲みながら、耳を傾け続けた。
「美味いかね。」
地元の酒を美味しそうに飲む俺を嬉しそうに眺めながら、
自分自身も味わって飲んでいる。肩に手を置かれる。
「今夜は格別に。」
立場は違えど、同じ目線に見てくれた、それでいて一生
追い抜く事は出来ないであろう社長の背中を横目で追いながら、
歳喰って小さく、丸くなっちまったなあと、一緒に会社を盛り上げて来た
我らのリーダーに対して失礼な事を思うのだった。当然、愛着を込めて。
俺の砂上の楼閣は、一体どんな箱庭を作り上げていく事が出来るのだろうか。
きっと社長は、盆栽でも眺めるかのように、俺の箱庭を見届けてくれるだろう。
さあ、ここからが俺の本当の始まりだ。
時計を見ると、いつの間にか壊れて止まってしまっていた。
必要の無くなった時計を付けている事に意味は感じないが、
捨ててしまうのも勿体無いのでそのまま着けたままにする。
あれからどのぐらい歩いたのだろう。どれだけの人間を
置き去りにして来たのだろう。気がついたら一人だった。
けれども別に後悔は無い。手を差し伸べるつもりは無かったし、
立ち止まりたい人間は自分でそうしているのだからそれでいい。
日差しの無い曇り空が続いている。誰にも理解されないのなら
それでいいとただ自分を奮い立たせて歩いて来たのだ。
目の前には大きな城が建っている。ここに辿り着いた事は
当初の目的でもあり、ゴールでもあるのだが、これで終わりではない。
城の門をくぐり、天守閣に向かう。辿り着いて外を見ると、
何も無い砂漠が続いている。ここから世界を広げていくのだ。
「Never Ending Storyみたいだな。ファルコンはいないけど。」
「会社を設立して、運営していくなんて、そんなものだよ。」
独立祝いに飲みに誘ってくれた大恩ある社長はそう言った。
「そんなものですか。」
社長にとって馴染みのある、大切な好物だと言っていた
メロウコズルをちびりちびりと飲みながら、耳を傾け続けた。
「美味いかね。」
地元の酒を美味しそうに飲む俺を嬉しそうに眺めながら、
自分自身も味わって飲んでいる。肩に手を置かれる。
「今夜は格別に。」
立場は違えど、同じ目線に見てくれた、それでいて一生
追い抜く事は出来ないであろう社長の背中を横目で追いながら、
歳喰って小さく、丸くなっちまったなあと、一緒に会社を盛り上げて来た
我らのリーダーに対して失礼な事を思うのだった。当然、愛着を込めて。
俺の砂上の楼閣は、一体どんな箱庭を作り上げていく事が出来るのだろうか。
きっと社長は、盆栽でも眺めるかのように、俺の箱庭を見届けてくれるだろう。
さあ、ここからが俺の本当の始まりだ。
PR