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いつも通りの時間に起きて、いつも通りに朝食を食べる。
妻は朝早く起きて朝ご飯を作ってくれた。これもいつも通り。
娘が忙しそうにやってくる。別にこれと言って予定は無いはずだが。

「おはようパパ。」

「おはよう。何もなくてもちゃんと起きれるとは、パパより偉いな。」

娘の頭を撫でてやると、嬉しそうにえへへと笑う。
キッチンから妻の鼻歌が聞こえて来る。
私は今、幸せだ。それを象徴するかのように、
この素敵な誇るべき空間は光に包まれた。



「パパ。おひさまって何であんなに明るいの?」

「うん?・・・ああ、燃えているからだよ。信じられないぐらいの高い温度で、想像も付かないような離れた距離から、地球を照らしてくれている。」

「何で燃えてるの?」

「おひさまも生きているからだよ。」

「生きてると燃えるの?わたしも?」

「燃えてるって表現はおかしいかもしれないけど、体温があるだろ?熱。おひさまは物凄く大きいから、たくさん熱くなって燃えてるんだ。」

「ふーん。おひさまって凄いんだね。」

「そうだね。凄いね。」

自分の娘に勉強させられるとは、私も歳を取ったかな。
確かに普段忘れがちだけれど、太陽の恩恵はありがたい。

近づきすぎれば火傷どころか消滅してしまうだろう。
しかしながら適度な距離を保ちながら、この地球に
生命をもたらしてくれている。それは素晴らしい事だ。

「・・・生きてるって凄いんだなあ。」

「あなた、何言ってるの。」

幸せそうに笑う妻の大好きな顔。
昔見た光景を思い出す。



光とは、希望の象徴として私たちの記憶に焼きついている。
しかし、忘れてはならない。近づき過ぎた太陽のように、
度が過ぎればそれは刃となり、私たちを傷付ける。

それは歴史の中で何度も繰り返されてきた愚考。
神話の時代より浄化と揶揄されつつも、
確実に命を奪い続けてきた悪意の塊。



そう、今私が見ている光景は走馬灯。
度が過ぎた光によって、きらびやかに、そして皮肉にも
この幸せを彩るようで消滅させてしまう悪意がやって来た。

思い出の詰まった家族が、家が、全て吹き飛んでいく。
私も、愛娘も、愛妻も。全て。全て消えて無くなる。

たった一握りの人間の、エゴと強欲によって、
私たちだけでは無い。莫大な数の人間が、
幸せが、日常が、そして命が奪われる。

バベルの塔を打ち立てた愚かさの様に。
人間が滅びるのは、人間自身が生み出した
他人を奪う為だけの光。それは希望に程遠く。



忘れてはならない。死とは無である事を。
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37
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男性
誕生日:
1987/01/14
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フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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