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猫の多い街は、住み心地が良いと言われている。
職場と家が隣町なので、なんとなく国道沿いを歩く。
運動不足の身体に毎日の鞭打ちって奴だ。
車もたくさん通る国道沿いを、何やらもぞもぞと動く影が。



子猫だ。



そうするとこっ恥ずかしいので自粛するが、気持ち的には
ハートマークを五つぐらい付けたい所ではある。

指を差し出すと何故か匂いを嗅ぐ。不思議そうな
眼差しでこっちを見つめる。人懐っこい奴め。

しばらく歩を進めると、今度は先程よりも一回り大きな影。



猫だ。



こっちはハートマークはいらないな。どちらかと言うと
音符マークを付けたい所だ。八分音符。ビートロック大好き。

話が逸れてしまったな。落語の枕の様に、頭に耳なんて
生やくらかしやがって、毛むくじゃらの、髭なんて
生やくらかしやがって、『な~ご』とか鳴きやがる。
なんて事を考えてたら、実際に鳴きやがった。



「な~ご。」



こちらは大人・・・もとい大猫のせいか、こちらを軽快して
一時停止のボタンでも押されたかの如くビタッと止まる。
こちらとしては別に威圧するつもりも無いのだが、向こうとしては
クソバカデカイ生き物が段々と近づいて来るんだ。
警戒の一つもしなければ猫一族の名がすたる。猫科の生き物代表。

パーソナルスペース・・・ではなく言うなればキャットスペースの
間合いに踏み込んだ瞬間、猫は俊敏な動きで去って行った。



・・・ちょっと寂しい。



そんなこんなであちらこちらに見掛けるようになった猫達。
このうるさい中で良くもまあのうのうとゴミ袋を漁れるもんだ。
線路沿いに住んでいると電車の音が聞こえない静寂の方が
落ち着かなくなってしまうと言うあれか。順応ってやつか。

どうせマタタビなんぞを炊けば大量に寄って来るんだろ?
現金な奴らめ。マタタビなんて実物買った事も見た事も無いけど。

以前飲み屋の横や工事現場の端っこにいた子猫達も
もう大きくなっているだろう。以前は良く買い物がてら
挨拶して通り過ぎたものだが。月日の経つのは早いな。



猫って言うのは昔、車が目の前に迫って来ても引き返さない
と言う話を聴いた事がある。だから道で車に轢かれて死んでいる
猫は、きっとわかっていて轢かれてしまったのだなと悲しく
なった事があったのだが。近年になって車から猫を見掛けると、
ちゃんと引き返すではないか。猫だっていつまでも馬鹿じゃ無い。

別に俺は猫でも無いので胸を張る必要も無いのだが、
誇らしく思いながらも猫と人生を振り返ってみた。
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耕助
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37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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