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ガガギギガガ…

「うーん、油が切れて来たみたいだね。注してあげるよ。」

「アリガトウ。」

「その代わり、終わったら僕にも油注してね。」

化学は発展し、UFOなんて当たり前の時代。
時計職人なんかの歯車技術が劇的に発展して、
機械といえば何かと歯車を複雑に用いて作られている。

基本動作に関しては、複雑なコンピューターなんかよりも
歯車を細かく組み合わせた方が、手っ取り早くて良い。
もちろんそれはコンピューターにもメンテナンスが
必要なように、こうやって定期的に油注さないといけないけど。

僕らのようなサイボーグを作り出すことに成功したのも、
歯車職人の繊細且つ複雑な技術のおかげに他ならない。

時計職人からサイボーグ職人へ。それは当然の流れ
だったと思う。動作を歯車に頼る分、サイボーグにも
感情が持てるぐらいにまで、コンピューターで制御
する事が出来るようになったのだ。単純と複雑の
共生が、僕らサイボーグを人間に近付ける事になった。

感情を持つ事でロボット三原則とか言う人間に
対する服従が破られるのでは無いかと懸念され、
問題視されたらしいが、普通は誰とも争いたく無い。
喧嘩はあれど、感情を持つ事で僕らサイボーグは、
人間が人間に雇われるように、合理的に従うようになった。

独立しているサイボーグだってもちろんいるし、
最近ではサイボーグの歯車職人なんてのもいるらしい。

人間にもサイボーグ技術が役立っているみたいで、
手足を事故や病気で失った人の義手義足や、
ダメになった部分のサイボーグ化をする事で
随分と人間も長生き出来るようになったようだ。

死ぬ前に出来るだけ自分の記憶を死ぬ前に
データ化しておいて、サイボーグとして
生まれ変わった人までいるらしい。

はるか昔なら映画や小説、アニメや漫画の世界の
中にしか無かったサイボーグも、現代では当たり前だ。

「そのうち、子供なんかも生まれたりするようになるのかなあ。」

実際、子供が生まれなかったりして、サイボーグを
養子として引き取る家もあるらしい。誕生日には
定期的なメンテナンスをして『成長』させるそうだ。

皮膚に至るまで、人工でかなり人間に近付ける事が
出来るようになったからこその関係だとおもう。

実は今、僕は人間の女性に恋をしている。
だからいつか一緒になれたとしたら、
子供が欲しいなあなんて思ったりして…。

「何ヲ人間ミタイニ顔ヲ赤クシテ照レテルンダイ。」

しまった、顔に出てたみたいだ。
うわあ、恥ずかしいな。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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