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「何でこんなことになっちまったのかなー。」

海のど真ん中、ボート一隻。
食料はたんまりとバッグに詰まってはいるものの、
いつ助けが来るかわからない。水だって無限にあるわけじゃないし。

磁石があるわけでもないので、何とか星や太陽を見ながら
方角を目検討で定め、漕いで行く。それでもともと何処にいるのか
わからないのだから、何処に着くかもわからない。

「まぁ太平洋であることには間違いないと思うから、
ロシアや中国とかに着かないことを祈るのみだな。」

持っている装備で魚を何とかできるわけもなく、
何とか体力を温存しながら漕ぐしかない。
でも波に流されていたらどうにもならないのだけれど。

小さなクルーザーで一人旅に出たものの、岩礁に当たって沈没。
何とかめぼしい荷物をまとめてボートに放り込み、沈没前に脱出した次第だ。

「一応SOSは打っておいたから助けが来ると思ったんだけど・・・。
ここまで何もないと希望もクソもないな。」

苦笑気味につぶやいてみる。日本にいるときは気付かなかったが、
人間は本当の孤独になると独り言が多くなる。
見渡す限り海しか見えないのだから、仕方がない。

しかも陸地を見つけたとしても、そこが安全かどうかもわからないのだ。
この状態で希望を持てというほうがおかしい。
雨でも降られて嵐になったらどうなるかわかったもんじゃない。

「気長に救助を待つか・・・。下手に動くよりいいかもしれないな。
ここまで来たらダメな時も覚悟しておこう・・・。」

海風が心地よく、思ったより過ごしやすい状態なので、
とりあえず昼寝でもすることにした。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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