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「夢か現か幻か。よってらっしゃい見てらっしゃい。妖怪たちの大行進だ。」

普段車や人が通る大通りに、見た事の無い…いや、もしかしたら人々が古から見ていたかもしれない異形の群れが列を為していた。

見物人は次々と増えて行く。たったひとつの目的地へと赴く異形の群れに、人々は何を思っただろうか。

実は人間も、同じようなパレードの中にいる事にお気付きだろうか。『死』と言うたった一つのゴールに向かって、十人十色、様々な手段、方法、道筋を辿ってただゴールへと突き進む。人類が誕生してから例外は無い。その百鬼夜行の群れから外れる事などまずありえないのだ。

妖怪どもと一緒にするなと憤慨される方もいらっしゃるかもしれないが、同じ種族と言うだけで、肌の色も違えば血の種類も違う。姿形など統一性は無い。中身を見ても趣味趣向それぞれがてんでバラバラ、お互いを見れば異形そのものでは無いだろうか。

強い共通観念から、同種である事を認識してはいるものの、それでは何故人々は殺し合い、または憎み合い、いがみ合うのだろうか。同族嫌悪などと言う言葉はあるが、その芯は自分とは違う異形に対する嫌悪に過ぎないのだ。ちょっとした違いが許せないのだ。それは本来どうでも良い事であるはずなのに。

地球全体、そして自然を蝕む人間こそが異形と認識されても仕方が無い事なのだ。それは人間の中からも

「一度人間は全て滅びた方が良い。」

なんて意見が出る事からも、それを物語っている。

しかしながら平和に暮らす凡人の大半は、滅びるわけにはいかない。地球上の百鬼夜行と成り果てても、種を残す為に、大事な人々を守るために、それぞれが働き、戦い、少しづつでも、這ってでも前へと進む。それは既に異形では無く、理解出来るものからすれば美しくもあり、はかなくもある。

そう考えれば妖怪だからなんだと言うのだ。人々に驚きを与えてくれる百鬼夜行は、決して異形などでは無い。むしろ人生そのものを鏡のように写しているのでは無いか。

しかしながら、それはまるで生き急ぐ事を選択した人間のように、魂を奪われて天に召されても、自分の選択、自己責任である。他力本願、責任転嫁などとんでもない。あなたの人生は、あなたしか生きられないのだから。

今日も今日とて進めや進め、百鬼夜行。魂奪うか、好奇の目に晒され喜んでいるのか。笑い声すらこだまする。諸行無常は承知の上。いざ進まん、生まれながらの死出の旅。南無。
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