完全フィクション
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私は今日も待っているのです。この部屋で彼を。
もちろんこの部屋は私の部屋ではなく、
彼が前もって用意してくれたものです。
彼の指示に従うままにこの部屋に参りました。
彼に対する気持ちがどういうものなのか、
私にもわかりません。でも彼を待っています。
愛しているとまでは言えないかも知れません。
でも彼と心を通わせたい・・・・。ただ、それだけなのです。
彼があのドアを開けたと同時に、私は最高の笑顔を
用意して彼に言葉を投げかけるのです。
「はじめまして。早かったですね。」
「はじめまして。早かったですね。」
彼女にそう言われて、ぎこちなく笑った。
「会いたい気持ちが足早にさせたのだよ。」
彼女とはメールでしか会話をしたことがない。
今日は初対面であるが、初対面ではない。
会話の中の彼女を知ってはいるが、
現実で彼女に触れるのは初めてなのだ。
「隣に座ったらどうですか?」
広いベッドの端に座る彼女は、ポンポンと自分の
脇を軽く子供を寝かしつけるかのように叩いた。
彼女とは森の中の迷路のような精神世界の中で出会った。
彼女は彼女で学ぶべきことがあり、私は私で仕事があった。
すれ違いが何度もありながらも、私は彼女の存在を求め、
紆余曲折を経てこうして隣に座り、彼女を眺めている。
「どうにも緊張してしまうね。」
「私も緊張していますよ?」
彼女はとても美しい。まるで人形のように細く、腕に巻かれている
包帯は言わずもがな、彼女自身を傷つけてしまった痕だろう。
現実感のないその美しさの中に、どうしようもなく欲情させられてしまう
妖艶な雰囲気と、どこか陰というよりも闇を抱えているように感じる。
そしてその印象とは裏腹に、屈託のない幼い笑みを浮かべるのだ。
若い。彼女は当たり前だが私よりはるかに若い。羨ましくもあり
どこか私自身の心に戸惑いを覚えさせる命の脈動を感じた。
「どうしたんですか?」
顔を覗き込まれてドキッとした。彼女がいとおしくなってしまう。
「抱いてもいいのですよ?」
言葉とは正反対の純真無垢な笑顔に欲望は抑え切れなかった。
彼女の服を乱暴に脱がし、その実彼女を包み込むように抱き締めて
体中を愛でている自分がいる。彼女は全てを受け入れてくれて、
何の迷いもない笑顔でこちらを目を細めて見つめている。
全裸になった彼女も美しかった。非現実的な細さの中に、
溢れんばかりの妖艶な印象は、いつの間にか彼女の手首を
露にするために、巻かれた包帯を解き、手首をなめていた。
当然のことながら、今彼女の手首からは血が流れていない。
しかし彼女の血流を感じるかのように、丁寧に嘗め回した。
「くすぐったい・・・・・。」
その仕草がたまらなく色っぽい。犯罪的な優しい笑顔に甘えながら、
彼女の体内に私は侵入していった。この世のものとは思えない
満足感が、それだけで心を満たしてくれる。彼女と繋がっている。
求め続けたその存在と、愛されてはいなくても繋がれたことが
心の中を幸せの液体で満たし、溢れさせていった。
彼女の感じる声が室内に響き渡る。今までのどのまぐわいよりも
はるかに早く私は彼女の身体の外に果ててしまった。
彼女の髪の毛をなぞるようになでまわし、何度も舌を絡めて、愛で続ける。
「今日はあなたが気が済むまでお付き合いします。」
少し乱れた吐息の中で、この場に似合わぬ屈託のない
笑顔をこちらに注ぎ込むように向けながら囁いた。
どうやら今夜は帰れそうにない。
逃れられない繋がりを、私は知ってしまったのだ。
もちろんこの部屋は私の部屋ではなく、
彼が前もって用意してくれたものです。
彼の指示に従うままにこの部屋に参りました。
彼に対する気持ちがどういうものなのか、
私にもわかりません。でも彼を待っています。
愛しているとまでは言えないかも知れません。
でも彼と心を通わせたい・・・・。ただ、それだけなのです。
彼があのドアを開けたと同時に、私は最高の笑顔を
用意して彼に言葉を投げかけるのです。
「はじめまして。早かったですね。」
「はじめまして。早かったですね。」
彼女にそう言われて、ぎこちなく笑った。
「会いたい気持ちが足早にさせたのだよ。」
彼女とはメールでしか会話をしたことがない。
今日は初対面であるが、初対面ではない。
会話の中の彼女を知ってはいるが、
現実で彼女に触れるのは初めてなのだ。
「隣に座ったらどうですか?」
広いベッドの端に座る彼女は、ポンポンと自分の
脇を軽く子供を寝かしつけるかのように叩いた。
彼女とは森の中の迷路のような精神世界の中で出会った。
彼女は彼女で学ぶべきことがあり、私は私で仕事があった。
すれ違いが何度もありながらも、私は彼女の存在を求め、
紆余曲折を経てこうして隣に座り、彼女を眺めている。
「どうにも緊張してしまうね。」
「私も緊張していますよ?」
彼女はとても美しい。まるで人形のように細く、腕に巻かれている
包帯は言わずもがな、彼女自身を傷つけてしまった痕だろう。
現実感のないその美しさの中に、どうしようもなく欲情させられてしまう
妖艶な雰囲気と、どこか陰というよりも闇を抱えているように感じる。
そしてその印象とは裏腹に、屈託のない幼い笑みを浮かべるのだ。
若い。彼女は当たり前だが私よりはるかに若い。羨ましくもあり
どこか私自身の心に戸惑いを覚えさせる命の脈動を感じた。
「どうしたんですか?」
顔を覗き込まれてドキッとした。彼女がいとおしくなってしまう。
「抱いてもいいのですよ?」
言葉とは正反対の純真無垢な笑顔に欲望は抑え切れなかった。
彼女の服を乱暴に脱がし、その実彼女を包み込むように抱き締めて
体中を愛でている自分がいる。彼女は全てを受け入れてくれて、
何の迷いもない笑顔でこちらを目を細めて見つめている。
全裸になった彼女も美しかった。非現実的な細さの中に、
溢れんばかりの妖艶な印象は、いつの間にか彼女の手首を
露にするために、巻かれた包帯を解き、手首をなめていた。
当然のことながら、今彼女の手首からは血が流れていない。
しかし彼女の血流を感じるかのように、丁寧に嘗め回した。
「くすぐったい・・・・・。」
その仕草がたまらなく色っぽい。犯罪的な優しい笑顔に甘えながら、
彼女の体内に私は侵入していった。この世のものとは思えない
満足感が、それだけで心を満たしてくれる。彼女と繋がっている。
求め続けたその存在と、愛されてはいなくても繋がれたことが
心の中を幸せの液体で満たし、溢れさせていった。
彼女の感じる声が室内に響き渡る。今までのどのまぐわいよりも
はるかに早く私は彼女の身体の外に果ててしまった。
彼女の髪の毛をなぞるようになでまわし、何度も舌を絡めて、愛で続ける。
「今日はあなたが気が済むまでお付き合いします。」
少し乱れた吐息の中で、この場に似合わぬ屈託のない
笑顔をこちらに注ぎ込むように向けながら囁いた。
どうやら今夜は帰れそうにない。
逃れられない繋がりを、私は知ってしまったのだ。
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