忍者ブログ
完全フィクション
[23]  [24]  [25]  [26]  [27]  [28]  [29]  [30]  [31]  [32]  [33
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

屋上で灰皿の前に昼食を終えた男が二人喫煙中。

「いやーまいったよ。」

「どうした?」

「この前盛り上がっちゃって飲みすぎちゃってね。」

「良くあることだな。」

「んでまあ翌日残るのが嫌だったから二日酔いのドリンク買ったのよ。」

「妥当な手段だな。」

「まあ、いつもどおり飲み終わって深夜に帰って来て、飲んで寝たわけ。」

「ほうほう、それで?」

「次の日起きたらさ、具合悪いの。」

「二日酔いが勝ったんじゃないのか。」

「それがさ、何日経っても具合が悪い、何だか良くわからないけど身体がおかしいわけ。」

「風邪か?。」

「まあ俺もそう考えてね。総合病院に行ってみたわけさ。」

「とりあえず調べてみないとな。」

「そしたら見事に肝臓が弱っているらしくて。」

「当然のなりゆきだな。でもたまになら仕方ないだろう。」

「それがよくよく話を聴いてみるとね、『ドリンク剤も飲んだんですが・・・。』なんて言ったら、それがどうやら悪かったらしいんだよ。」

「それはどうして?」

「『肝臓を無理矢理動かしてるようなもんだ』って言われちゃってさあ。」

「ああ、なるほど。」

「今煙草を吸ってる手前言うのもなんだけど、俺達は寿命と引き換えに楽しんでいるのかもしれないな。」

「それはそうだろうな。料理は身体に悪いものほど美味しいなんて言う言葉もあるぐらいだし。」

「どうせ酒も酔っ払っちゃったら味なんてわかりゃしないんだから程々にして楽しもうと思ったわけ。」

「普段あんまり飲まないんだろ?たまたま運が悪かったのもあるかもよ。」

「そうだね。とりあえずは大事に至らなかったんで良かったよ。」

「命あっての物種だからな。」

「おまえも気をつけた方がいいよ。」

「思いやりと実体験に基づいた忠告として受け止めておくよ。」

「酒強いからなあ・・・。」

「それが逆に怖くもあるんだけどね。いつか途中でスッパリ止めなきゃ行けない時が来るかもしれない。」

「それがバタッ!と倒れる時じゃないといいけどな。」

「今回の話を聴いて、少しは控えようと思ったよ。」

「長く楽しくやって行こう。」

「そうだな。肝に銘じておくよ。しかしドリンク剤も良し悪しなんだな。」

「元気な時は良いんだろうけど、弱ってる時は気をつけた方が良いかもね。」

「どんな薬にも副作用はあるって言うからな。」

「お互い美味しく酒も煙草もやりたいからな。」

人差し指を立ててニヤリと笑うと、どちらともなく笑い合って、二人の男は仕事に戻るのだった。
PR
ふと、目が覚めるとまだ外は暗くて。節電の為に
暖房を切っていると言うのにひどく喉が渇いていた。

君を起こさないようにベッドを抜けると、ゆっくりと
冷蔵庫を開けて2リットルの烏龍茶をガブ飲みする。

雨が降るかもしれないと言う予報だったが、
カーテンを開けて窓の外を見ると地面は濡れていない。

これ以上寝ても寝過ぎになってだるくなるだけだなと思い、
君を起こさないように朝ご飯を食べて、筋トレを済ませて。
トイレに行ってシャワーを浴びる。身支度を整えたら寝ぼけ眼の
君に一言キスと挨拶を済ませると、背筋が伸びるような寒さの
国道沿いの道をただひたすら歩く。職場がこの延長線上にあるのだ。

白く上がる吐息を見つめては、雲ひとつ無さそうな白み始めた空と
呼吸するだけで頭がスッキリするほどの突き刺す冷たい空気の中、
街中の排気ガスの中にあるのにこれほど綺麗な空気は
無いんじゃないかと錯覚する。

このぐらいの時間だと、人っ子一人通っていないと言う事は無く、
新聞配達やら同じく出勤中の人たち、車とすれ違う。

これだけ身体の芯まで冷えるほど寒いと、運動するのが楽しくなる。
早足で歩いてもなかなか身体が不快な暑さを持たないから、
ここぞとばかりに歩くスピードを上げる。が、走らない。

あくまでこの白み始めた国道沿いの日常の風景を楽しみながら、
先程潤した喉が渇くのを感じれば珈琲で潤すのも楽しい気持ちになる。

誰にも邪魔されない心地良い空間。健康にも良いし・・・なんて言うのは野暮か。
夏になればこの時間でも不自然な違和感を感じる暑さを伴うから、
この真冬の早朝こそが徒歩による出勤をオツなものにしてくれるのだ。



「俺、冬生まれだしね。」



独り言を呟いても鼻歌を歌っても。
今この自分を気にするものなど誰もいない。

人それぞれに自分の道を行く事に一生懸命だ。
それをまるで人々の人生になぞらえるかのように思えて微笑ましくなる。
一人であまりニヤニヤしていると通り沿いの派出所で不審者ではないか
と職務質問されそうな気がするから程々にしておこう。

君を寝ぼけ眼のまま一人置いていったのは心苦しいが、
早めに片付けておきたい仕事もある、この気持ち良さと一石二鳥だ。

そうこうしているうちに職場の入ったビルが見えて来た。
とりあえずは暖房全開にストーブもおまけして、冷え切った
身体を珈琲でも飲みながら温めるとしようか。もちろん、
仕事をマイペースで片付けながらね。

明け方と真夜中の狭間で。
Windows、そしてPCが普及して間も無いのだが
当然ワープロやらWordやらより以前は色んな事を
自分の筆記で文章にしたためていたわけで
未だにそのノートが眠っていたりする。

今でこそ面影ぐらいしか残っていないのだが
昔は指にくっきりと固くなったペンダコがあった。

ふとした時に自分の指を見て、そのペンダコが
柔らかくなり、いつの間にか消えているのに
気付くと、そんな些細な事で時代の移ろいを感じる。

そういえば、随分と自分自身の創作として文章を書いていない。
ここでもそうだが、何かとテキスト入力に頼りっきりで筆記しない。

便利になったと喜ぶべきだし、何よりも文字の綺麗さで文章の
内容を判断される事も無いから、ある種の正当な評価や
内容を読んでもらえているような気がする。

「・・・いや、気のせいだろうかw」

自分の為に書き続けて、『ついで』で読んでもらえれば嬉しい。
知人から新しい世界を見せてもらうのが新鮮で楽しいように。

文字の特徴が味と言えば味なんだけどね・・・。
鉛筆やらボールペンでは、筆ならばともかくとして、
いつぞやの女子学生間で流行ったまるもじでも
使うぐらいしか個性を出す事など出来ないだろうし。

そう考えるとフォントを使って文章を書けば、多少なりとも
印象は変わってくるかもしれないが。だから基本的に、安い
ポリシーとして、書体を変えたり文字を大きくしたりはしない事にしている。

「本当に安いな・・・ってうるさいわw」

ノリツッコミは置いといて・・・。

そんなこんなで、NET上につけPC上につけ、文章を書くのはとても楽しい。
お手軽に世界を生み出せる、敷居の低い創作は心地良い。

だからもちろん他人の創作物を読み耽るのも、夜を明かすほどに面白い。
だから少しでも多くの作品が世に出て人の目に触れる事を常に願っている。

そしてどうか関わる全ての人々にそういった自己満足の幸せが
降り注ぐように訪れてくれたらいいのになあ。と心より思う。

ペンダコくん、さよなら。さよなら、ペンダコくん。また逢う日まで。
まあ仕事なんかだと未だに筆記しなければならない場面に出くわすし
手続きなんかでも筆記じゃないとダメな事はまだまだ多いからね。
それでもペンダコくんが復活するには至らないんだなあ。

指先を見つめて、一人想いはかなむ。ペンダコくん、いとおかし。
これが筆ダコだったらもっと綺麗な文字がかけただろうにねえ。
人に誇れる程の文字が、実は書けないのですw
外食するよりは、食材を買って自分で調理した方が安く済む。

2000円ほどの牛肉ステーキ用を買って来た。
下手なステーキ屋に行くよりも、安くて美味い肉が喰える。

家に帰って冷えた牛肉を常温に戻して、
フライパンを煙が出るまで強火で温める。

一度火を消して牛脂で油を敷いてから、
スライスしたにんにくを香り付けに、
フライパンに放り込んで軽く炒める。
国産の方が素敵な香りに包まれる。
安く美味しくとはいえ、そこはケチらない。

弱火で買って来た牛肉を焼き始める。
洋酒でやれば何だかオシャレな気分になれるのだが、
今日は久保田の千寿で米の香りと洒落込もうか。

熱の入った牛肉に回しがけして、
フライパンの蓋を閉めてじっくりと蒸し焼きにする。

良く焼くのも、これぐらいの脂が差した肉なら
美味しく柔らかくも食べられるのだが、いかんせん
はやる気持ちを抑えきれずに、レアになってしまったりする。

肉は塩コショウの味付けが個人的には一番好きなのだが、
ここは手軽に美味しくいただく為に、クレイジーソルト
を用意して、アルコールを飛ばす意味でも心待ちにする。

しばらく時間が経って、勘で頃合いを見計らって、
クレイジーソルトを振りかけてから裏返す。

まだまだ時間はかかりそうだが仕方が無い。
この手間1つで安く美味しく食べられるのだから。

「良い匂いがして来た。腹減ったなあ。」

空腹に肉の香りは、一人きりでも言葉が零れる程食欲を誘う。
どうせまだレアなんだろうな。あの半生がまた美味いんだけど。

そろそろ良いかな。焼け具合を確認して、最後にもう一度
クレイジーソルトを振りかけて、お皿に盛って出来上がり。
用意出来るならサラダを付け添えで盛っても良いだろう。

飲み物は下戸なんで日本茶を用意する。
この脂ぎった牛肉を最後まで楽しむには、
脂ぎった口の中を洗浄してリセット出来る
飲み物が良いだろう。最後まで飽きずにイケる。

「いただきます!」

買っておいた新潟米でご飯なんて炊いてしまったら
もう止まらない。ステーキを切り分けて、ああまた
レアかと苦笑しながら、ご飯と一緒に口の中に放り込む。

肉の歯ごたえと、溶け出す脂とご飯の組み合わせに舌鼓。
細かく切り分けても、最後の方は名残惜しくてだんだん
カットしたステーキ肉がだんだん小さくなったりしてね。

最後まで堪能させていただきました。外食で食べる
ステーキはガッカリする事が多いので、美味しい
ステーキが手っ取り早く食べたい人にはオススメです。
ふと、目の前の湖に両手で器を作って沈めると、
透き通った事を証明するかのように、痺れるほど冷たかった。

山の中で過ごすには色々な準備が要るけれど、
慣れてくればさほど自分の道具を持って来なくても、
自然と言う地球のくれた恵みだけで欲しいものが
かなり補填出来る事に気がついた。

電気は太陽からもらえば良いし、火だって工夫次第で
ちょっとした火種を作って大きくすることも出来る。

アウトドアなんぞが流行っている昨今、もちろん
便利である事に越したことは無いのだけれど、
折角自然の中に身を置いている以上、出来るだけ
私たちが住む星を肌で感じて生活したいと思った。

身体を病んでいるわけでも無いのに、本能が心身共に
自然のおかげで浄化され、健康になっていくのを感じる。
空気が綺麗だと言うだけでこんなにも違うものかと、曲がりがち
だった背筋を伸ばしながら、スッキリした脳内をめぐらせて想う。

地球のど真ん中には、私たちを一瞬にして消し去ることが出来るほどの
高熱であるマントルが存在している。それは血液が流れ続ける心臓・・・
そして血管の全てが惑星の内部に命を刻んでいると言うことだ。

誰もが普段意識はしていないけれど、こんなにも私たちは私たちが
住む場所に命を与えてもらっているのだと、力を満たしてくれるのだと
歓喜の笑みを浮かべながら感謝しなければならないと思う。

それは決して義務などでは無く、それぞれが当たり前の権利として有する
命のサポートシステムを存分に使い放題いただいているのだ。

この地球に存在する全ての生き物が、本当に幸せなんだと
本来であれば本能で感じ取って喜ぶべき事だと思う。

大きく伸びをして、360°辺りを見渡せば、こんなにも
たくさんの同僚が、いつでもこの場所に存在している。
孤独なんてものはまさか、感じよう筈も無いだろう。

「ありがとう、ありがとう。」

誰もいない。と言う表現は既に有り得ない物になっている。
この場所に存在する、共生している全てに感謝の辞を述べる。

そうだ、きっと私たちはいつでも一緒にいるからこそ、その喜びを、
そして溢れんばかりの愛情を、体温として保有しているのだ。

温度を持たない固体など無い。無機物ですら私たちの仲間なのだ。
それがプラスであろうがマイナスであろうが、仲間には代わりは無いのだ。

壮大な話になってしまうが、この地球に、そして宇宙に。



『貴方が存在しているという事実だけでこの世界は熱をもつ。』



それが事実。
<< 前のページ 次のページ >>
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
職業:
フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]