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「またか・・・」

もううんざりしていた。
暗闇の中で目が覚めて、明かりをつけると予想通りの光景。

「いい加減にして欲しいなぁ・・・」

とつぶやいては見たものの、多分この惨劇は俺がやったものだ。

「多分」というのは、俺にはその時の記憶が全くない。
だから確証が持てない。

「明日捨てに行くか・・・」


記憶がなくなるようになったのは、物心ついてすぐだった。

しかし、俺は生まれつきどこか冷めていたせいか、
『どーせ話しても信じてもらえねーだろ』と思い、
子供の頃から、記憶がない時間帯の出来事を
口八丁で辻褄を合わせていた。

バレないようにバレないようにと努めているうちに、自然と1人でいることが多くなった。
そんな人生を送ってきているのだから、もちろん深い友達がいない。

淋しいと言うほどのことではないのだが、なんとなく夜中たまに外に出て散歩をする。
そんな時に記憶がなくなるようになり、いつの間にかこの惨劇が日常となっていた。

「しかし我ながらうまいことやるなぁ。」

証拠となるような状況が残されていないのだろう。
誰に疑われたこともなく、もう10年になる。

「時効になる前に自首した方がいいかな。なんだか申し訳ないし。」

そういって、とりあえず目の前の死体に視線を落とす。
重そうだ。いつも通り、手首から手が切り離されている。

「この手を忘れないように捨てないと。裏山ももういっぱいだ。
たまに友達も来るから、明日の真夜中には行かなきゃな。」

そう言いながら、慣れた手つきで死体を丁寧にビニールでくるんだ。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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