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「ぴったりとパズルのはまるような相手っていないものね。」

彼女は俺の後ろから声をかけてきた。

「やぁ。遅かったじゃないか。」

「そんなことはどうでもいいの。ロックを一杯いただけるかしら?」

俺の家に彼女を招くと、彼女は二時間遅れでやってきた。
彼女は特に悪びれた様子もなく、謝りもせず、俺の注いだ
バーボンのロックを一息に飲み干した。

「その割には俺の元によく来るね。」

彼女を少しからかうつもりで言ってみた。

「なんとなくよ。話をよく聴いてくれるし。」

「都合のいい男って所かな?」

「私だってあなたが・・・・・!」

途中で押し黙る。俺は彼女が好きだ。一度付き合ったこともある。
だけど彼女と俺の生きるスタンスは、一緒に生きていくには
すれ違いすぎたのだ。彼女の気持ちを半ば知りつつも、とぼける。

「俺がなんだって?」

「しらばっくれる所は変わってないのね。」

何年経っても、彼女は俺の元を訪れるのだろうか。
きっと理想の相手、とやらが見つかったら
こんなあやふやな関係も終わるのかもしれない。

カラン、と俺のグラスの氷が溶けて音を立てる。

「ロマンチックの欠片もないわね。」

彼女が自嘲気味に中空に微笑む。

「現実なんてそんなもんさ。夢を見ているんだよ。俺も君も。」

いつまでも決まった相手のいない二人が、
お互いの傷を舐めあうかのように、笑い合った。
まだ深夜にも辿り着かない、夜更けの晩に。
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耕助
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/01/14
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フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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