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完全フィクション
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とんとん。

肩を叩いて振り向かせた。ほっぺに突き刺さる人差し指。

「や~い引っかかった~♪」

照れ隠しなのか、真っ赤になってふてくされるようなそぶりを見せる。でも口は笑ってる。

私は君が好き。気になって、学校でたくさんお話して。凄く好きになってしまった。だからね?私の浴衣、見て欲しくて。ちょっと私も照れ隠しだったと思うんだけど。地元の夏祭りで偶然見掛けたあなたにちょっかいを掛けてみたの。

「じゃ~ん!浴衣だよ♪可愛い?」

「…良いんじゃない。」

ぶっきらぼうにそう言った君は、チラチラ見てないふりをして私を見てる。良かった。可愛いって思ってくれたみたい。気に入って、もっと私の事好きになってくれたら良いな。

本当はね?私が君を好きなように、君が私を好きでいてくれてるのを知ってるけど。やっぱり私からじゃ無くて、告白されたいじゃない。だから、きっと君はそんな勇気無いの知ってるけど、それでも私の為に勇気を振り絞って告白してくれるんじゃないかって。毎日学校で。毎晩ベッドの中で。期待して信じてるんだよ。

みんなを、私を笑わせてくれる君が大好きだけど。君がいつも以上に頑張って私に愛の告白を伝えてくれたら、きっと私、舞い上がって毎日が幸せになるぐらい嬉しいと思うの。だから頑張ってね。直接君に伝える事は出来ないけれど。

今日も、ポニーテールにして来たよ。覚えてる?文化祭の前に、ポニーテールが好きだって君が教えてくれたから、ちゃんと見せに行ったでしょ?君はその時も真っ赤になって、似合ってるって言ってくれたよね。もちろん、私が何度も聴いたんだけど(笑)

ライバルって程でも無いけど、君を好きな私の友達が、同じようにポニーテールを見せてたけど、どっちの方が可愛かったかな?私だって思ってくれたら嬉しいな。君の為にこの髪型にしてるんだよ。そのぐらい望んでも良いよね。

私はいつも君を見てるし、君も私をいつも見てるから。毎日目が合って、微笑んで。君をどんどん私の虜にするんだから。本能に抗わないで、どんどん私の事を好きになってね。積極的に私、アプローチしてくからね。覚悟してよ。

そして君が私と一緒になりたいって思ってくれたら、私は全てをあげる準備は出来てるから。後は君が勇気を出すだけだよ。頑張ってね。

君の為に、君の望む色んな事をしてあげる。今の私にとって、君が喜んでくれて、私を愛してくれることが一番の幸せなんだからね。わかった?
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きょうもあのひとはげんきだ。

わたしはあのひとをみているのがすきだし、あのひとがわたしとはなしてくれるのはとてもうれしい。

わたしはあのひととはなせたひはいちにちじゅうしあわせだ。

つぎのじかんはたいいくだった。

みんなきょうしつできがえて、たいいくかんにむかった。

きょうはあのひととはなすことができた。

だけどあのひととすこしけんかっぽくなった。

「おまえとなんかけっこんするわけないじゃんw」

あのひとはそういった。

「わかんないよー!わたしとけっこんするかもしれないでしょー。」

じぶんでいっててどきどきした。あのひととけっこん。あのひととけっこん。したいから。

あとでかんがえたらすごくこくはくにちかいことをいっていたのかもしれないくて、かおがまっかになった。

あのひとはきづいたかな。

わたしがあのひとをすきだってこと。

でもあのひとはすごくどんかんだから、わたしのことなんてともだちのひとりとしかおもってないんだろうな。

ほんとうはね。すごくじょしににんきあるんだよ。

わたしはあのひとをすきなじょしのひとり。きっとあのひとがみているのはわたしじゃないけど、それでもあのひとがすきなの。

いつもわらっていて、たのしいはなしをしてくれて。あのひとといると、みんなあかるくなる。わたしもたのしくなる。だからあのひとがすきなの。

いえにかえってから、ひとりであのひとのことをかんがえると、すごくふしぎなきもちになる。うれしいようなくすぐったいような、せつめいできないきもち。これがこいっていうのかな。わたしはあのひとがすき。けっこんしたい。いっしょにいたい。

だからねがいをこめてあのひとにいったの。わたしがあのひととしょうらいけっこんできますようにって。あのひとはきづいてくれなかったのかもしれないけど。でももしかしたらわたしも、あのひとにまだきづいてもらいたくなかったかもしれないって、あとでおもった。だってこわいもん。あのひとがわたしをすきじゃなかったら。わたしだけがあのひとをすきだったら。それをかくにんしてしまったら。なきたくなるよ。

あのひとにかくにんしたわけじゃないのに、なみだがでてきた。あのひとのことをおもうとれいせいではいられない。わたしはほんとうにあのひとのことがすきなんだなって。なきながらおもったの。

でもいつかゆうきをふりしぼって、あのひとにこくはくできたらいいな。

そしてあのひともわたしをすきだといいな。
あなたが私を好き過ぎたから、私はあなたを好きになってしまいそうだった。

私と会った時の、あなたの笑顔はとても嬉しそうで。

全然タイプじゃ無かったんだけど、ああ、私を本当に好きでいてくれてるんだなあって感じていた。だから自分でもわからなくなってしまって、もしかしたらこのままあなたの事を好きになってしまうのかもしれないなあと思ったりしていた。

友達と酔っぱらって電話を掛けて来てくれた時。酔った勢いで私に告白してくれたね。ちょっと感心出来なかったけど、嬉しかったよ。だから、ちゃんとシラフの時に。私に伝えてねって言ったの。ずるかったかな私?だってその時もまだ私はあなたの事を好きかどうか迷っていたから。

あなたの友達も私に告白して。私はあなたの友達に内緒であなたに相談したよね。あなたとお揃いのアメジストのブレスレットを買ったりしたけど、私はあなたへの気持ちがわからなかったから、何かを確かめたかったんだと思う。

あなたは優し過ぎるから。強がって私を譲ったよね。それで私は迷いながら決断してしまった。あなたの友達を選んでしまったの。何が何でも私が欲しいって気持ちが欲しかったのかもしれない。やっぱり私ずるいよね。ごめんね。

そんなずるい私に、罰が下ったのかな。喫煙者だった私は、あなたの友達に振られてしまったの。あなただったら、許してくれたかもしれない。でも、私の健康をちゃんと考えてくれているって事だから、あなたの友達の決断を受け入れる事にしたの。あなたも私があなたの友達を選んで、思わせぶっていた私があなたを振る決断を受け入れてくれたものね。いくらずるい私でも逃げる訳に行かないしね。

あなたとの仲は、結構続いていたけれど。お互いに終わった関係だって認識だったから、振った私も振られたあなたも。なんとなく離れられずにいたね。だけどいつしか時の流れの中で、何か理由があった訳でも無く。だんだんと疎遠になって、ぷっつりと途絶えた。あなたはあなたで違う道や恋愛に進んでいたし、自然の流れだったんだと思う。

今夜はたまたま、初めて告白してくれたあなたのように酔っぱらってしまって。思い出しただけなんだけど。なんとなくお揃いのブレスレットを買って。二人で腕を組んだり手を繋いだりして、不器用にぶつかりながら渋谷の交差点を歩いたシルエットを思い出してしまって、あなたに謝りたくなったの。

あなたにはもう伝わらないけど。ごめんね。
本当は、黙って行くつもりだったのに。

小学校を卒業して。卒業式を終えて。

明るさで売っていた私は、みんなの前で泣きたくなんて無かったし、でも卒業式で少し泣いてしまったけれど。

みんなとは違う学校へ進んで行くのを、黙って置く事にしたんだ。お父さんとお母さんの仕事の関係で、仕方が無かったし。

お父さんやお母さんから、さようならを言わなくても良いのかって聴かれたけど。二度と会えなくなる気がして、言いたくなかった。

そんな時、君からの電話。

何人かの男子、女子で遊びに行こうって。誘ってくれたの。

嬉しかったよ。凄く。君の事、好きな男子とかじゃなかったけれど、結構好きな友達だった。

引っ越しに間に合わないのと、お父さん、お母さんの都合で行けなかったから。でも凄く嬉しくってね。君に行けないって事だけ話して、号泣しちゃったんだ。ごめんね。困らせるつもりはなかったんだけど。

電話を切ってしばらくしてから、君から電話が掛かって来た。号泣していた私を心配してくれて。優しくしないでよ。好きになっちゃうじゃ無い。もう会えなくなっちゃうのにさ。

君にだけは。最後に私を誘ってくれた君だけには嘘を吐きたく無くて。泣きながら説明したんだ。もしかしたら君をもっと困らせてしまったのかもしれないけれど。君にだけは、事実を伝えたかったんだ。このまま、遠くへ行ってしまうんだって事。

君は、これから先、会えるかどうかもわからないのに、またね。って。言ってくれたから。本当に嬉しくって。もっともっと泣いちゃったんだ。ごめんね。本当に、本当に嬉しかったから泣いちゃったんだよ。大人になった今でも、そのことは説明できていないけれど。

君は今、どんな大人になっているのかな。他にちゃんと好きな人とかいたけれど。その人たちよりも今では少し気になっちゃうかも。きっともう二度と会う事も無いんだろうけど。いつか一度、会ってお礼が言いたいな。

君は別に格好良い訳でも無かった。でもどこか私と似ている立ち位置だったような気がするって、勝手に思ってるの。面白い事が魅力だったって、手前味噌になっちゃうけど、思ってるんだよ。

ねえ、私も少しは綺麗になったと思うんだ。まともな女性になれたのを、君に自慢したいな。ちょっとだけからかって、誘惑しちゃうかも。私に手を出すなら、君が素敵な男性になって無きゃダメだからね?

いつか、また。会える日を願って。

本当に嬉しかった。ありがとう。
プツリ。

ポタポタ。

指に針を刺したら、血が垂れて来た。当然だ。自分で突き刺したのだから。

針と言うと細いイメージだが、ニードルと聴くと何故かバカでかいイメージがある。針の穴に糸を通すようなと比喩されるあの細さは微塵も感じなくなる。なんだかとても不思議だ。



あなたに出会ったのは、ずっとずっと昔の話。でも厳密に言うと、私とあなたは出会ってすらいないのだけど。

一方的に私が見つけて、一目惚れしてしまった。ストーカーとまでは行かないまでも、見つけるといつも目で追っていた。ガン見って言うのかな?傍から見たら私の思いはサランラップのように透けて見えていた事だろう。だけどあなたは気付かなかったし、気にも留めてくれなかった。

だって気にしてくれていたとしたら、あんなに毎日あなたの事を見つめていたのに、一度も目が合わないなんておかしいじゃない?いつかあなたと恋に落ちれる…日本語変だな…事を信じて。

でも私からは何もアクション起こさなかったから、あなたは知らなくて当たり前なのよね。一言だって交わした事も無いんだから。あなたは私の名前さえ知らないんじゃないかしら。私もあなたの名前、知らないけどね。

あなたに彼女がいるのだって知ってるよ。私と同じ立場になったら、別れろって思うような人もいるのかもしれないけど、私にはそんな事考えられなかった。だってあなた、あまりにも幸せそうでデレデレなんですもの。笑ってしまったわ。こっちまで幸せな気分になっちゃうくらいだったもの。

きっとあなたを見守り続けて、私の人生は終わってしまうのだと思う。あなたを見守る事すら、いつかは叶わなくなってしまうかもね。もしいつか奇跡的に、あなたが私を知ってくれたとしたら。あなたは私の事をどう思うかしら?想像を巡らせるのが楽しみよ。それこそ針の穴に糸を通すような願いかも知れないけれど。

たまたまあなたの帰り道が近かったおかげね。この窓から、毎日あなたを見る事が出来る。誰かに話したら、奇跡は起こらないような気がして、誰にも話して無いのよ?私だけの秘密。こんな話、誰にも出来ないけどね。今の私には。





針は、ニードルは。私にとってとっても細くしてあるのかもしれないけど、とっても太く感じるの。三日に一度刺し替える、血管に刺さったままの点滴針。さっきの裁縫針なんて何とも思わないぐらいの、太くて、重い針。

あなたはこんな話、聴きたくないでしょうね。

また明日、ね。
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