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呪文だの魔法だのと聞くと、ファンタジーや空想を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし実際に魔法が使用されていた時代はありました。
どこまで実在していたかわかりませんけどね。
今回は実在するものとして話を進めていきます。

魔法というのは少なからず呪文の詠唱を必要とします。
呪文の詠唱は何を意味しているのかというと、
触媒となる人ならざるもの、神や悪魔、精霊などに
彼らに通じる言葉で力を借りる為のお願いをするのです。

ゆえにお願いするためには、相手をよく知らなければなりません。
魔法を成功させたり、いかに効力を強くするかという問題は、
どれだけ触媒となる人ならざるものの本質を知るかということになります。

どのような形態で、どこに存在しているか、どのような存在意義があるか、
どういった存在なのかなどを、正確に呪文に込めていくのです。

ですから、本質を知らなければ失敗、悪ければ災厄が
自分自身に降りかかる諸刃の剣となります。
よくファンタジーなどで魔法の研究が為されているのはその為です。

召喚魔法などは人ならざるものそのものを呼び出すわけですから、
当然自分の身の危険は格段にUPします。

本来、魔方陣を書いて人ならざるものを呼び出すわけですが、実際の召喚魔法では
自分自身を守る為の結界となる魔方陣も書かなくてはなりません。
さもなくばコントロール出来ないどころか、命を奪われかねません。
この魔方陣内に描く呪文も、当然本質を知った上で描かなければなりません。

歴史の中にも魔法の存在が描かれていますが、
どこまでの効力があったのかは今となっては知る術もありません。
実在していたらおもしろいですけどね。

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安物の二層式洗濯機の前で、フタを開けたまま水の渦をながめる。
考え事をする時は、この時間がすごく考え事をしやすくて、
僕はこの時間をすごく大切にしていた。

終わったあとに脱水して干すのも、洗濯物が綺麗になって楽しかったし。

長期留学に行った時、女の子が洗濯機をのぞいている僕に話しかけてきた。

「おもしろい?」

「他の人が見たら退屈かもね。」

「あなたはおもしろいの?」

「この渦を見てるのが大好きなんだ。」

「あなたのほうがおもしろいね。」

その日から、よくその女の子と洗濯機の渦をながめながら
2人でいろんな話をした。留学が終わってから卒業まで、
その子と話すことはなかったけれど、お互いにとって貴重な
想い出となったのは間違いない。

それは恋心とは違う、一種の友情かな。

とか何とか考えながら、今日も渦をながめ続ける。
集団心理というのは、非常に厄介だ。
人間の普段備えている理性や常識を、簡単に覆すことが出来る。

催眠術ですら自殺させることが出来ないというのに、
頭に「集団」がつくだけで自殺すらも操作出来てしまうようだ。

正義か悪かで世の中を分けれるほど単純ではないと知って久しいが、
善悪判断も歴史上、集団心理によって捻じ曲げられてきた。

では、本来なら「自殺」という選択肢がないはずの人間が、
何故平和な日本で横行しているのだろう。

それはひとつに、命の大切さを平和ゆえに実感できないことと、
ネットなどによる架空の集団心理が働いていることに起因していると考える。
掲示板などで自殺志願者が集まる悲しい場所があるが、
ネットという曖昧な架空の場所で、現実離れした集団心理が働いているのだと思う。

同じような考えの人間が、架空の場所であっても集まれば、
集団意識が発生してしまう。実際は集団ではないというのに。
孤独な集団。これが非現実的な自殺決行に一役買ってしまっているのだろう。

本来なら「人生が退屈すぎるから死ぬ」なんてことは起こりえないことだ。
孤独な集団であるがゆえに、精神に異常をきたしてしまうのだと思う。

情報過多のこの時代、いいことばかりではない。
悪影響だとのたまうだけなら評論家にでも任せておけばいい。
人格の形成されていない未成年に、早くからネットをやらせるべきではないと思う。
人間は知らなくていいことだってたくさんあるのだから。
「聞こえない聞こえない聞こえない・・・。」

自分でもガタガタ震えているのがわかる。
今、自分が夢を見てるのか現実なのかすら
わからないほどに動揺している。

今日、何気なしにいつものように玄関のドアを開けて外に出た。
するとどうだろう。なんと爆撃が始まっていたのだ。

爆弾が落ちるたびに吹っ飛ぶ家屋。
直視することが出来なかったが、
確実に人間もバラバラになっていたような気がする。

今も家の外では爆撃音が鳴り響いている。

戦時中でもあるまいし、一体何が起きたというんだ?
現実を現実として受け入れられない。
飛行機の音と爆撃音が、いつ自分に降り注ぐのかと
恐怖を沸きたてる。恐ろしい。死ぬかもしれない気持ちとは
こんなにも恐ろしいものだったのか。

自殺する人間の気持ちは全くわからなかったが、
今の自分の体験をそのまま体験させていたら、
きっとそんな気は起こらなくなるだろう。
今、人生で一番生き残りたいと願っている。

平和であるよりも、戦時中のほうが命の大切さを
痛感するとは、なんと皮肉な話なんだ・・・。

これは本当に現実なのか?
しかし確かめることも出来ず、ただ部屋の隅で
小さくなっておびえ続けることしか出来なかった。
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1987/01/14
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自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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