完全フィクション
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何を思ったのか、彼は蛸を買って来た。それも、丸々一匹。
私は今日、機嫌が悪かった。仕事で上手く行かなかったり、
勤め先の人間関係が上手く回っていなかったりして、
疲れていた。明らかにどんよりと表情を曇らせる
私を見ていた彼は、黙って買って来たのだ。
「えっと…その蛸、どうするの?」
彼が調理師免許を持っているのは知っているが。
「これは、君の悩みや疲れ、負の感情だ。」
素っ頓狂な事を言い出す。
「こんなもの、捨ててしまえばいい。」
ふいに彼から手渡された蛸。ど、どうすんのよ。
この状況…。彼の不可解な言動にも腹が立って、
キッチンに用意されたまな板の上に叩きつけた。
それから彼は見事な手際で、蛸の眉間に
アイスピックを突き立て、頭と脚を切り離し、
皮を剥き、頭を裏返してワタを取り除く。
ボールに投げ込まれたそれを、これでもかと
言わんばかりに塩揉みする。ぬめぬめしやがって。
こうしてやる。水洗いしてからさらに不満を
ぶちまけるように塩揉みを繰り返す。
疲れ果てた私は、手を洗ってリビングのソファに
身を委ねる。どんな慰めだこれは…。笑いが込み上げる。
いい匂いがする。彼が料理を持って来る。
たこ焼きを主食に、刺身、唐揚げ、
湯引き、まさに蛸のフルコース。
「何だか疲れてたみたいだからさ。ごちそうだよ。」
「それで蛸料理?こんなの初めてよ。」
呆れ顔で皮肉めいた台詞を吐いてから、プッと吹き出す。
彼の顔を見ながら笑いが止まらなくなると、彼も
ニコニコしながら私を見つめていた。
「せっかくだから、食べてよ。刺身も
唐揚げも、出来立ての方が美味いでしょ。」
言われるがままに、笑いをこらえながら、
吹き出さないように頑張って口に運んだ。
「…美味しい。」
満面の笑みを浮かべる私と彼。
もう、大丈夫。彼のおかげで
私の疲れは吹き飛んでしまった。
私は今日、機嫌が悪かった。仕事で上手く行かなかったり、
勤め先の人間関係が上手く回っていなかったりして、
疲れていた。明らかにどんよりと表情を曇らせる
私を見ていた彼は、黙って買って来たのだ。
「えっと…その蛸、どうするの?」
彼が調理師免許を持っているのは知っているが。
「これは、君の悩みや疲れ、負の感情だ。」
素っ頓狂な事を言い出す。
「こんなもの、捨ててしまえばいい。」
ふいに彼から手渡された蛸。ど、どうすんのよ。
この状況…。彼の不可解な言動にも腹が立って、
キッチンに用意されたまな板の上に叩きつけた。
それから彼は見事な手際で、蛸の眉間に
アイスピックを突き立て、頭と脚を切り離し、
皮を剥き、頭を裏返してワタを取り除く。
ボールに投げ込まれたそれを、これでもかと
言わんばかりに塩揉みする。ぬめぬめしやがって。
こうしてやる。水洗いしてからさらに不満を
ぶちまけるように塩揉みを繰り返す。
疲れ果てた私は、手を洗ってリビングのソファに
身を委ねる。どんな慰めだこれは…。笑いが込み上げる。
いい匂いがする。彼が料理を持って来る。
たこ焼きを主食に、刺身、唐揚げ、
湯引き、まさに蛸のフルコース。
「何だか疲れてたみたいだからさ。ごちそうだよ。」
「それで蛸料理?こんなの初めてよ。」
呆れ顔で皮肉めいた台詞を吐いてから、プッと吹き出す。
彼の顔を見ながら笑いが止まらなくなると、彼も
ニコニコしながら私を見つめていた。
「せっかくだから、食べてよ。刺身も
唐揚げも、出来立ての方が美味いでしょ。」
言われるがままに、笑いをこらえながら、
吹き出さないように頑張って口に運んだ。
「…美味しい。」
満面の笑みを浮かべる私と彼。
もう、大丈夫。彼のおかげで
私の疲れは吹き飛んでしまった。
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気が付くと、私は暗闇の中を歩いていた。
怖くて、悲しくて、逃げたいから傍観者に
なっていたと言うのに、私が私の人生の
主人公以外には成れない事を痛感していた。
だってそれぞれがそれぞれの道を歩いて来た
その道程を、まざまざと見届ける事になったから。
1人、また1人と目の前からいなくなる
現実に、耐え切れないはずなのに、どこか
確信を持って私の願いを構築するに至る。
存在していた事ひとつひとつに意味があり、
私が決して無駄になんてさせない。
みんながそれぞれの願いの為に、そして
自分の為に、私の為に。生きていてくれた
事を忘れない。ここからは私の道。
ノイズのように現れては消えていった、
幻想のような現実と、信じられない惨劇を
ハッピーエンドにする為に私はここに来た。
負の感情なんて持たなくても良いんだよ。
それは自然に心から溢れ出してしまう
ものだけれど。もっと楽にして良いから。
全てに決着をつけるから。全てが元通りに
なる事は無いけれど、私が終わらせる。
繰り返し挑んで来た問題と戦い続けて
来たあなたの苦しみもこれで終わるから。
私を信じて。私に任せて。
もう、迷わないよ。
私は私の願いを叶えてみせる。
気が付けば、私は光に向かって走り始めていた。
怖くて、悲しくて、逃げたいから傍観者に
なっていたと言うのに、私が私の人生の
主人公以外には成れない事を痛感していた。
だってそれぞれがそれぞれの道を歩いて来た
その道程を、まざまざと見届ける事になったから。
1人、また1人と目の前からいなくなる
現実に、耐え切れないはずなのに、どこか
確信を持って私の願いを構築するに至る。
存在していた事ひとつひとつに意味があり、
私が決して無駄になんてさせない。
みんながそれぞれの願いの為に、そして
自分の為に、私の為に。生きていてくれた
事を忘れない。ここからは私の道。
ノイズのように現れては消えていった、
幻想のような現実と、信じられない惨劇を
ハッピーエンドにする為に私はここに来た。
負の感情なんて持たなくても良いんだよ。
それは自然に心から溢れ出してしまう
ものだけれど。もっと楽にして良いから。
全てに決着をつけるから。全てが元通りに
なる事は無いけれど、私が終わらせる。
繰り返し挑んで来た問題と戦い続けて
来たあなたの苦しみもこれで終わるから。
私を信じて。私に任せて。
もう、迷わないよ。
私は私の願いを叶えてみせる。
気が付けば、私は光に向かって走り始めていた。
久しぶりに会った彼は、学生時代と変わってなかった。
ピアノが弾きたいと言う。それも外国へ行って。
目標を持つ事は良い事だ。俺は応援すると励ました。
別の日にあった彼はこれまでの日々を語ってくれた。
結婚していた奥さんとは別れたらしい。子供も
いると言うのだが金ヅルにも近い扱いのようだ。
元奥さんは憎むほどだが、子供は可愛い。
彼は寂しそうに、子供にとっては他人だと言っていた。
20年近く勤めていた仕事を辞めた。身体を壊して、
自分の人生を考える機会を得たようだ。彼の人柄も
あってか、数百万の退職金と、数ヶ月の失業手当を
もらえるに至った。長年の苦労が評価されたようだった。
彼には、離婚の後に恋人がいた。しかし、仕事が忙しすぎて
別れたと言う。しかし連絡は取っている。仕事を辞めたんだから
ヨリを戻せばいいじゃないかと言ったのだが、どうやら
彼なりに無職の自分では申し訳無いと思っているらしい。
元恋人のご両親は、お金持ちなだけに顔向け出来ない、と。
彼には金と時間があった。奢って貰ったりもした。
しかしながら、そんな使い方は勿体無い、使うなら
自分の為に使ってくれと申し出たが、彼はいいんだと言った。
彼は遊んだ。ギャンブルが好きだった。パチスロに何万も
つぎ込んだ。損ばかりではなかったが、全体ではマイナスだ。
キャンプ用品も揃えてキャンプにも行った。美味しい
ものを食べた。出不精だが、新しい土地にも訪れた。
色んな人間と飲んだ。カラオケに行って歌い倒した。
ゲームを、本を、漫画を買った。映画を借りて見た。
彼はスポーツが好きだ。だからSNSのコミュニティを
利用して、スポーツも楽しんだ。バレーにフットサル。
一人でやるよりもチームプレイの方が好きだと言った。
彼はスポーツが好きだ。だからSNSのコミュニティを
利用して、スポーツも楽しんだ。バレーにフットサル。
一人でやるよりもチームプレイの方が好きだと言った。
楽しめなかった人生を謳歌するように、
時間を取り戻すように彼は楽しんだ。
株にも手を出した。大きな損はしてないが、
他に使いすぎてマイナスだ。若さゆえの
過ちも犯したし、償う為にも金を使った。
そして最近彼はしきりに、自分は死んでしまえばいいと言う。
数百万あった軍資金は、百万に減っていた。自由ももう時間が
限られている事を悟っているのだろう。使えば、無くなる。
彼はピアノを弾いていない。一度動画を見せてもらって、
素晴らしい腕だったけれども、行くはずの教室にも行かず、
パスポートは取ったが、外国にも行けていない。
俺は正しい事ばかりでは人生は生きていけないと知っているし、
借金もあれば、死にたいと思った事なんて何度もある。
だけども、時間が経てば解決する事があるのも知っている。
彼のいい所も悪い所も知っているだけに、生きて幸せになって
欲しいなと、いつも願うばかりだ。ピアノは弾いてないけれど。
暗闇の中、ただ駆け抜け、
そして幕は開けた。
Open the gate,start my game.
全力疾走する僕の目には今、暗闇しか見えていない。
手を差し伸べられる事もあったが、それはまるで
対向車線のハイビームのように光は目を焼き、
鬱陶しく思いつつも振り払ってまた加速した。
例えばその差し伸べられた手を掴んでいたとしても
翻弄され、僕の望むものはそこには存在しないだろう。
迷うな。走れ。ただ前へ進む事こそが・・・。
突然、立ち止まって悩みが頭を支配し始める。
ダメだ。立ち止まるな。ここには何も無い。
意味なんて無くてもいい。ただひたすら走り続ける。
あるはずの無い、自分の目的地を目指して。
それが生けとし生けるもの全てに平等に訪れる、
死と言う名の終着駅に成り代わったとしても。
だれにわかってもらうつもりも無い。
これは自分の道だ。誰も責任が取れない、
自分だけが選択出来る唯ひとつの道。
加速だ。加速し続ける。光の速さを越えるほどに。
純度を増し、洗練され、自分と言う個を研ぎ澄ませて行く。
時には愛するものの為に。魂を吐き出し、大地に叩きつける。
地面から足が離れ、飛び立つが時が来ても。
自分自身の為に、究極の自分を目指して。
私は、活字中毒のA子さん。筋少とか言うバンドのボーカルが
良く使っていた言葉から名付けられたあだ名だと教えてもらった。
良く使っていた言葉から名付けられたあだ名だと教えてもらった。
ハルヒとか言うライトノベルに出てくるナントカ言う女の子の
名前を付けられそうになっていたので、それについては
お願いしてやめてもらった。いじめだとは思わないけれど。
アニメにもなってるらしいし、ちょっと恥ずかしいじゃない。
私はいつも、学校にいる時は教室の片隅で、
窓際に椅子を置いて休み時間とあらば本を読んでいる。
他の人と話すのは楽しいし、そういう時はしおりが活躍する。
友達の名前じゃないよ?本の間に挟むしおり。このしおりが
ボロボロになるまで使うんだけど、コレクションとして色々
集めたりもしてるんだ。買いに行くとついつい目移りしちゃう。
物心つく前から本を読むのは好きだったらしく、昼でも夜でも
所構わず読んでいたので、眼鏡は必須になってしまった。
コンタクトって怖いのよね。異物を目に入れて痛くないのかしら。
結構ネットで文章を読んだりするのも好きなんだけど、
紙媒体は無くなったら寂しくなるから残して欲しいな。
CDに縋り付いてるミュージシャンみたいだけど、人生でこんなにも
愛着のある本を、この世から無くしてしまうなんてあまりにも冷たすぎる。
レコードでわざわざ出す人いるじゃない。気持ち的にはあんな感じかな。
愛着のある本を、この世から無くしてしまうなんてあまりにも冷たすぎる。
レコードでわざわざ出す人いるじゃない。気持ち的にはあんな感じかな。
まあ私はそんなこと言いながら、本を読む時にiPodで音楽も
聴いたりするんだけどさ。でもCDは無くして欲しく無いと思ってるよ。
形のあるものって、素晴らしいと思う。愛着が沸きやすいし、ありがたみがある。
作家のみなさんには諦めず、どんどん本を出して欲しい。もちろんお金の面で
大変なんだろうけど、自費出版でもいいから、この世に残して欲しい。
それが、活字中毒のA子さんからの切なるお願いです。