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完全フィクション
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「なんであんなに金掛けて凄い選手集めてるのに勝てないんだろう。」

「オーナーの独裁まかり通ってるしな。直さねばならぬ部分も直せないのかも。」

それは、野球チームの話だった。

俺は、別に野球が好きでは無い。ただ親が好きだった影響からか、凄い選手が特集組まれてたりトライアウトで崖っぷちの選手が頑張っている所を放映したりすると何となく見てしまう。

子供の時、あれはまだドームじゃなかった時の事。正直ルールなんてわかんないし、ホットドッグ食べたり途中でゲーセンに行ってしまったりしていた。おじさんが連れてってくれたけど、あんまり打たないし面白く無かった。

そりゃあそうだ、駆け引きなんて理解出来るわけも無いし、今だって誰がどんな癖や得意分野があって試合に臨んでるかなんてこれっぽっちも覚えちゃいない。

だから、今話半分で聴いている野球の話に興味は無い。だが友達が野球好きなので、話を振って盛り上げに貢献しただけだった。

そういえば最近巨人をテーマにした漫画が面白くて、何となくだけど子供の頃見た童話を思い出したことがある。何でだろう…ともすれば一寸法師なんかも主人公が小さいだけだけど、大対小の構図は巨人対人間とほぼ同じ状況では無いだろうか。

柔よく剛を制すなんて言葉があるお国柄のせいか、どこかそう言った『大きな実力の差』を機転や戦略で打ち勝つと言う物語が、そこかしこに残っている。どうして実力差があって負けてしまうのだろう。間合いが広過ぎたり、油断があったりするからだろうけど。射程距離や間合いって、大事なんだな…と思ったことがある。

最初に出て来た野球チームの話は、揃えるだけ揃えてチームワークなどが噛み合わなくなったのだと思う。なんでも絶好調じゃ無ければそれ以下の力しか出ない訳だから、劣る者はそこを突く為に一所懸命必死に色んな策略を練るのだろう。で、これが意外に必勝法に繋がったりするから馬鹿に出来ない。

でくの坊なんて言葉があるように、現実にビルの高さほどの巨人なんて現れもしないが、もしかしたら何も出来ないけど何でも出来る勇者のような人類は、必勝出来る対策を練れるのかもしれない。ましてや科学力と言う大きさ云々では片付けられない手段もある。やられっぱなしではいないだろう。

それでも大きな犠牲を払う事になるだろうか。発展した都市の威厳を保つ背の高い建物たちは、いつでも異常気象で人類を蝕む巨人に成り得ると言うのに。
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久しぶりに連絡を取り合って飲む事にした。それぞれ仕事も趣味も日常も状況も違う。いつものメンバーに声を掛けたら一人は欠席。それも仕方ない。いつもの事で。

状況を鑑みて少しばかり遠慮していたのだが、どうやら今回は集まれるだけのモチベーションと軍資金はあったようで、意外とスンナリと約束に取り付ける事が出来た。

待ち合わせ時間も流動的でいい加減。それぞれバラバラに、自由に落ち合って待ち合わせた。

共通に話題にしても時事問題にしても、もしかしたら内容なんてそれほど関係無いんじゃないかと思う。自発的にこういう機会を作って定期的に集まれる人間がいる事が幸せなのであって、何を話したかなんてそれほど重要じゃ無いのかもしれない。

思えば学生時代からの仲であり、一時期はそれぞれ理由も無く疎遠になった時期もあった。もちろん理由があったりもしたけれど。そんな友達同士で今でも顔を合わせる事が出来るのが非常に貴重であり、素直に楽しいなと思う。

責任無く遊び歩いていた時期だってそれぞれある。だが今はそれぞれが仕事を抱えて生きている。食べて行くには仕方の無い事なのだ。

愚痴を言い合うだけの仲とも違う。毎回同じような話をしているのかもしれないが、それはそれでマンネリと言うよりも水戸黄門の印籠のような期待感もある。音楽で言えばグルーヴのような心地良さだ。

飲む回数も減って来たせいか、自分もみんなもそれほど食べられなくなったねと言いながら、それぞれ酒は一杯ずつでデザートが食べに行きたいとおっしゃる。酔い覚ましに歩きながらファミレスなんぞにしけこむ事にした。

俺もみんなに会うのは久しぶりだし、色々と溜まった話題を小出しにしながらもそれぞれの話も聞く。それが楽しい。くだらない時間かも知れないけれど、それがとても大事だと思う。

俺の舌もいつも以上に良く回っていた。夢中になってしゃべっていて、ふと気づく。

「それでさーw

…。

www」

普段の仕事のせいか、目の前の友人たちは白河夜船でうつらうつら。きっと疲れていたり充実していたりするのだろう。俺の話が良い子守唄になっているのかもしれない。

「そろそろ帰るかw」

ほのぼのとした気持ちを抱えながら会計を済ませて、それぞれを見送った。昔に比べたら頻度も低いし時間も短いけど、休日夜だしこれもまたアリだよねw

それにしても子供みたいで面白かった。みんな歳取ってるんだなあとしみじみ思いながら家路についた。
「じゃんけんしようぜ!」

「死の?」

「何でだよw」

廃校寸前のこの校内では、在校中の生徒たちが遊び回っていた。

「きゃー!ゴキブリ!」

女子が騒ぐ。男子が殺す。

「ゴキブリってなんであんな気持ち悪いのかね。」

「理由無く殺してる俺達も俺達だけどな。ぼやいてるかもよ。『俺が何をした!』ってw」

「きっと地球人はみんな嫌いだろうな。」

「煙草ふかしながらぼやいてたりしてw」

「それじゃニコチン虫だw」

「白ければいいのかな。白い誘惑。」

「それはそれで気持ち悪いだろ…。」

「川釣りのミミズなんかとは違うな。」

「あれは触れる。」

「昔は殺虫剤とかホイホイとか無かったからな~。」

「王子様に嫁いだその後のシンデレラとかそれで悩まされてたりしてなw」

「あの世にもいるのかな?」

「一応死んでるからな。もしかしたらどこにでも出て来るからこの世とあの世の間を行き来する存在なのかもw」

「自分でも家族とかわからなくなりそう。」

『兄ちゃんそこからどいて!そいつ殺せない!』

「何とかして人に好かれる方法は無いものか。」

「略奪愛なんかで人間同士でもいがみ合うんだ。それは無理じゃないか。」

「食用にすれば…。」

「それはロックン・ロールの始まりだw」

「あんなもん喰ったら一発でトリップ。」

「絶対に無くならない永遠の合法麻薬かw」

「時限爆弾みたいに後で腹壊しそう…。」

「だれか企業に売り込んでアプローチしてみろよw」

「俺らみたいな子供がそんな企画持ってったら、『人生って何?』って考え込んじゃうぞ。」

「略奪愛のその先で負けた女性が服用してしまい中毒に。」

「うわあ…。」

「それで病気になったら生死のマラソンだな。」

「助かっても人の目が…。」

「前編後編作れそうだな。」

「校内に貼り紙しておこうぜ。白いゴキブリをロックン・ロールして中毒にならないでくださいってw」

「文字が読めたらゴキブリの逆襲に遭いそうな馬鹿にした文章www」

「恋愛至上主義者の疑似恋愛症候群に掛かるよりはマシ。」

「右手リスカしたくなるわ。どっちも。」

「完全密室で…。」

「完全自殺マンションか…。」

「迷宮入りで、前編のみ。」

「早く続き書けよw」

「死因はまさかのコーンバターの飲み過ぎ。」

「原因わかっちゃったw」

「まあ読者にはね。そういう世界ですから。」

「べっとりと毒入りコーンバターを自分の手に塗りたくり、道連れに…。」

「殺人握手かー。気を付けろAKB。」

「時事ネタっぽいけど違うよね。」
「あなたは後数時間で死にます。」

「なんだって?」

帽子を被った子供…だよな?俺にとんでもない事を言って来た。

「最近の漫画原作のドラマの見過ぎじゃないか。」

「あれは作者に頼んで心構えをしてもらう為に書いてもらった作品です。内容までは口出ししてませんけどね。」

「悪い冗談だ。大体なんでそんな早く死ななきゃならないんだ。」

「これでも数か月前からフル動員で頑張ってたんですよ。」

「なんだって?」

「率直に言いましょう。地球は数時間の後、滅びます。」

なんてこった。これ、夢じゃあ無いか。

「残念ながら夢ではありません。」

「心を読むな!(笑)」

「笑ってる場合でも無いんです。あなたが、私が担当する人間の、最後の一人です。まだみんな生きてますけど。」

「地球が終わるって?何で。」

「実は地球もあなたがたと同じように生きてるんですよ。」

「だから何だ。」

「つまり、寿命です。」

「これからどうなる。」

「世界中で異常気象が始まります。ただ、最初の地震と津波、火山の爆発による火砕流でほとんどの人間は息絶えます。ちなみに、日本は富士山の大爆発で、逃げ場は無いでしょうね。」

「何でもっと早く教えてくれなかったんだ。」

「あなたが、一番何もしなそうだからです。」

この一言に、きょとんとした後、爆笑してしまった。

「大丈夫ですか?」

「いやいや、すまんな。こんなに笑ったのは生まれて初めてだよ。」

「そうですか。」

「わかっているとは思うが、今俺は引きこもりでね。家族もいないし、もう何もやる気を出せなくなってしまった。まさか死神にそんなことを言われるとはな…俺も大したもんだ。」

「あと数時間、悔いの無いように生きて下さい。」

「お前の言う通り、何もする事は無いよ。みんな死ぬのなら満足だ。」

「そうですか。特例として、会いたい人にも会わせてあげられますけど。」

「天国だか地獄だか知らないが、死んでからゆっくり会いに行くよ。会えなかったら会えなかったでそれまでだ。」

「不思議ですね。」

「何がだ。」

「あなたが一番落ち着いて死を迎えようとしている。正直、潔くて格好良くも見えます。死神目線ですが。みなさん、見苦しいほど取り乱してますよ。」

「きっとやり残した事があるんだろう。羨ましい限りだよ。」

「そうなんですか。」

「ああ。何も悔いは無い。死神だが、最後に話が出来て良かった。」

「お役に立てて光栄です。」

「ありがとう。」

「どういたしまして。」

「時間ですね。」
文章にしたためるにはあまりにも甘美で切ない誘惑・・・。

ガーターベルトとランジェリーだけじゃ物足りないのかしら。
バラの棘であなたのその張りのある肌を裂き、美しい紅い液体を滲ませる。

そこに舌を這わせればあら不思議。私もあなたもお互いの虜。
虜になるって、そう簡単じゃないのよ。それこそ血が混ざるような
交わりが欲しい・・・だからこそあなたを選んだの。

どうしたの?動けないでしょう。世界はすでにあなたと私だけのもの。
ここから出たいのなら欲望に身を任せて、抗うことなく感じなさい。
ああ・・・背筋がゾクゾクするわ。鞭を振るってあなたに痛みという名の
快感を与えてあげる。キズモノにはしないから安心してね。

私は何かが欠落していて、何もかもが足りないからあなたという
存在で私を埋めるの。逃げたい気持ちも止めたい気持ちも
無くなるぐらいに喜ばせてあげるから。もう少しだけ、不自由を楽しんでね。

手錠は外してあげるけど拘束で手首を皮の戒めとして結んであげる。
本当は私も辛いのよ。あなたの悲痛な叫びが聞きたいのに、あなたの
口を黙らせているのだから。噛ませたタオルは苦しいかもしれないけれど、
あなたが身を委ねてくれればすぐにでも外すつもりよ。待ってるから。

興奮して息を荒げて震えるあなたの・・・目は見えないけれどその顔が好き。
私の感触を肌で味わってね。あなたを束縛しているように思えるかもしれないけれど、
本当は私があなたに何をされても良いと思っているのよ。理解して。

淫靡な音が冷たいコンクリートの地下室に響き渡る。ここに存在するのは
あなたと私と言うアダムとイヴしか存在しない快楽の楽園(エデン)。

何もかも忘れて、骨が見えるくらいに愛して。私はあなたに全てを曝け出すから。
紅とピンク色に染まった私の中身を見せても良いのよ。これで人生が終わりでも良い。
もっとあなたの存在を、私の中に注ぎ込んで。私の身体に沁み込ませて。
喉の奥まで潤して。そして燃え滾った私の心もあなた色に染めて欲しいの。

もっと。もっとちょうだい。私にはあなたしかいないしあなたには私しかいないの。
もういいでしょう?私以外の全てを諦めて、残りの全てを私にくださいな。

ここには何も届かない。あなたを探す手も。臭いを嗅ぎ回る脚も。
あのけたたましいサイレンの音もここには届かないわ。

私はあなたを愛しているから、あなたも私を愛してね。
それがこれからの二人の全て。そして未来なのよ。
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