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「あなたも順番待ちですか。」

 ひとりの男が話しかけてきた。無言でうなづく。 

「もう私三回目なんですよ、人間になるの。毎回苦労しますけど、
思い返すとつらい方が楽しかったりするんですよね。」 

その言葉をとって、口を開いた。

 「俺、人間は初めてなんです。今まで草食動物ばっかりで・・・。」 

自分の不安をごまかすかのように男につぶやく。
すると男は微笑みながら言った。

 「大丈夫ですよ。いろんな人がいますけど、あなたが心を
開きさえすれば、必ず力になってくれる人が出来ますから。
もちろん現在も人間界はたくさんの過ちを犯すものがいますけど、
自然界で弱肉強食を味わってきたあなたなら、大丈夫なはずです。」 

「そうですか・・・。」

 「失敗してもいいんですよ。経験の積み重ねが成功へと繋がるんですから。」 

出口が近づいてきたようで、段々と光が増してくる。
前のものたちは次々と出口に飛び込んでいく。
男が、別れのセリフの代わりであるかのように

 「向こうで関わりがあったらよろしくお願いしますね。
お互いわからないでしょうけど(笑)」 

「そういうもんなんですか?」

 「たまに自覚がある人もいるみたいですけど、
ほとんどのものがここでの記憶を忘れます。
でももし向こうであなたにあったら、何かしら
感じるものがあるかもしれません。」 

「そうですか・・・こちらこそよろしくお願いします。」 

出口が近づいてきた。俺の番だ。

 「またいつか、会いましょう。」 

「はい。」 

男に再会の言葉をかけられ、出口に飛び込んだ。
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耕助
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37
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男性
誕生日:
1987/01/14
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フリーター
趣味:
音楽鑑賞
自己紹介:
夢人に付き合わされた哀れな若輩者
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