完全フィクション
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『コンコン。』
「耕助ー。入っていいー?」
ベッドに寝転がってマンガを読んでいたところに、ドアの向こうから夢人の声がした。
「あー、開いてるよー。」
『ガチャ』
「お邪魔ー。」
「おー。まぁそこに座って。」
ベッドから起き上がり、床に座る。
「今日はどうした?」
「題名考えなきゃな、と思って。」
「例の物語か。ひとつひとつは長くないって言ってたけど、短編集みたいにするのか?」
「うん。そうだね。その方がまとまりもあると思うし。」
妄想にまとまりもクソもあるのだろうか。
「俺の作る物語じゃないから、夢人が自由に決めてくれ。」
「うーん・・・そうだな。『溢れ出す髄液』ってどうかな?」
なんかのマンガの『溢れ出す煮汁』って言葉を思い出して吹き出しそうになったが、夢人がえらく真面目な顔で言ってるので我慢した。
「またえらくサイコな名前だな。特に俺には異論はないけど。」
「じゃ、それで決まりね。」
「メモっとくか・・・『ずいえき』の『ずい』ってどんな字だっけか?」
「左から、骨にしんにょうに有限会社の有。」
「ああ、これか。」
メモに『髄』と書く。
「そうそう。」
その両側に『溢れ出す』と『液』を書き込む。個人的には煮汁がいいんだけど・・・。
「じゃあ、ついでにひとつ聞いとくか。夢人の妄想活劇。」
「活劇かどうかは別として、妄想というのは否定しない。」
そう無表情に夢人が答えると、急に氷のような、それでいて仮面のような表情で語り始めた。こうして『溢れ出す髄液 第1巻』は始まるのであった。
「耕助ー。入っていいー?」
ベッドに寝転がってマンガを読んでいたところに、ドアの向こうから夢人の声がした。
「あー、開いてるよー。」
『ガチャ』
「お邪魔ー。」
「おー。まぁそこに座って。」
ベッドから起き上がり、床に座る。
「今日はどうした?」
「題名考えなきゃな、と思って。」
「例の物語か。ひとつひとつは長くないって言ってたけど、短編集みたいにするのか?」
「うん。そうだね。その方がまとまりもあると思うし。」
妄想にまとまりもクソもあるのだろうか。
「俺の作る物語じゃないから、夢人が自由に決めてくれ。」
「うーん・・・そうだな。『溢れ出す髄液』ってどうかな?」
なんかのマンガの『溢れ出す煮汁』って言葉を思い出して吹き出しそうになったが、夢人がえらく真面目な顔で言ってるので我慢した。
「またえらくサイコな名前だな。特に俺には異論はないけど。」
「じゃ、それで決まりね。」
「メモっとくか・・・『ずいえき』の『ずい』ってどんな字だっけか?」
「左から、骨にしんにょうに有限会社の有。」
「ああ、これか。」
メモに『髄』と書く。
「そうそう。」
その両側に『溢れ出す』と『液』を書き込む。個人的には煮汁がいいんだけど・・・。
「じゃあ、ついでにひとつ聞いとくか。夢人の妄想活劇。」
「活劇かどうかは別として、妄想というのは否定しない。」
そう無表情に夢人が答えると、急に氷のような、それでいて仮面のような表情で語り始めた。こうして『溢れ出す髄液 第1巻』は始まるのであった。
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「いつだって僕の頭の中には物語や音楽が溢れかえっているんだ」
夢人は言った。
「耕助には理解できないかもしれないけれど」
耕助とは俺のことだ。夢人と俺は世間一般で言う幼なじみ。女の子だったらなおさら良かったのだが、現実というものは得てして思い通りにはいかないようだ。なんだかんだで物心ついた頃から仲良くやらせてもらっている。そんな夢人が遊びに行った帰り道に、突然こんな話を切り出して来たので、正直、ちょっと引いた(笑)
「そういうのって何かで残すことは出来ないのかな?」
そんなこと俺に言われてもなぁ・・・思いつく限りの手段を口に出してみた。
「そうだな・・・日記みたいに大学ノートかなんかに書いたらいいんじゃないか?音楽は歌ったのをテープに録音するとか・・・。」
夢人はなんの疑いもなく、興味深げに俺の提案に耳を傾けている。
「後はそうだな・・・最近流行りのブログなんかどうだろ。書くよりも手っ取り早いかもな。」
「ブログ?インターネットとかで見れるやつ?」
オウム返しに夢人は聞いてきた。
「そうそう。・・・あ、でも夢人はパソコン苦手なんだっけ。」
こいつは勉強の成績は学校でもトップクラスだったというのに、何故かパソコンは覚えられないようだ。天才にも得手不得手があるのだろう。運動神経もいいのだから、ついでにパソコンぐらい出来てもおかしくなさそうだが。それは俺の偏見なのかもしれないな。
「う~ん・・・。面白そうだけどね。」
目をキラキラと輝かせながらも、少し残念そうに腕を組んで悩んでいる。
「あ、そうだ!」
突然大声を出す夢人。なんか思いついたのだろうか。
「僕が物語を話すから、それを耕助がブログってやつに載せてよ!」
おーおー。物凄くいいことを思いついたような顔をしているが、要するに俺はコイツの妄想を全て聞き、それを協力して全て文章に書かなけりゃいけないってことか?勘弁してくれよ・・・。
「・・・全部覚えられると思うか?どのぐらいの物語なのか知らないが・・・。」
「ひとつひとつはそんなに長くないと思う。少しぐらい違ってたっていいよ。それはそれで面白いし。」
はぁ・・・。夢人は言い出したら聞かないからなぁ・・・。どうやら今回は俺が折れるしかなさそうだ。ま、いいか。暇つぶし程度にやっていけば。
「わあったよ。やってやるよ。」
「本当?ありがと耕助♪」
「その代わり、急かすなよ。俺も気晴らし程度にやってくから。」
そう俺が釘を刺すと、夢人は数秒考え込んだ後、こう言った。
「あ、じゃあこうしよう。ひとつ話を終えたら、耕助がブログに書く。んで書き終えたら、俺に言ってよ。次の話をするからさ。」
「はいはい。わかりましたよ。」
「はいは一回だよ。」
「お前はどっかの先生みたいなことを・・・。」
こうして俺は図らずも、夢人の妄想活劇?をブログに書くハメになった。コイツの頭の中から、一体どんな物語が飛び出してくるやら・・・。
「音楽はどうすんだ?そっちは協力できないぞ。」
「音楽は後回しかな。俺も耕助も楽器も出来ないし譜面も読めないし書けないから。手段がないよ。」
「それもそうだな。」
夢人はすごく嬉しそうだ。やれやれ。可愛い女ならともかく、野郎を喜ばす為にブログを書くことになるとはな。ま、腹くくるか。
「夢人ってアレだな・・・。」
「何?」
「頭おかしかったんだな「」違ぇーよ」
俺が言い終わると同時に、するどい夢人のツッコミが炸裂し、枕話は終わるのであった。
夢人は言った。
「耕助には理解できないかもしれないけれど」
耕助とは俺のことだ。夢人と俺は世間一般で言う幼なじみ。女の子だったらなおさら良かったのだが、現実というものは得てして思い通りにはいかないようだ。なんだかんだで物心ついた頃から仲良くやらせてもらっている。そんな夢人が遊びに行った帰り道に、突然こんな話を切り出して来たので、正直、ちょっと引いた(笑)
「そういうのって何かで残すことは出来ないのかな?」
そんなこと俺に言われてもなぁ・・・思いつく限りの手段を口に出してみた。
「そうだな・・・日記みたいに大学ノートかなんかに書いたらいいんじゃないか?音楽は歌ったのをテープに録音するとか・・・。」
夢人はなんの疑いもなく、興味深げに俺の提案に耳を傾けている。
「後はそうだな・・・最近流行りのブログなんかどうだろ。書くよりも手っ取り早いかもな。」
「ブログ?インターネットとかで見れるやつ?」
オウム返しに夢人は聞いてきた。
「そうそう。・・・あ、でも夢人はパソコン苦手なんだっけ。」
こいつは勉強の成績は学校でもトップクラスだったというのに、何故かパソコンは覚えられないようだ。天才にも得手不得手があるのだろう。運動神経もいいのだから、ついでにパソコンぐらい出来てもおかしくなさそうだが。それは俺の偏見なのかもしれないな。
「う~ん・・・。面白そうだけどね。」
目をキラキラと輝かせながらも、少し残念そうに腕を組んで悩んでいる。
「あ、そうだ!」
突然大声を出す夢人。なんか思いついたのだろうか。
「僕が物語を話すから、それを耕助がブログってやつに載せてよ!」
おーおー。物凄くいいことを思いついたような顔をしているが、要するに俺はコイツの妄想を全て聞き、それを協力して全て文章に書かなけりゃいけないってことか?勘弁してくれよ・・・。
「・・・全部覚えられると思うか?どのぐらいの物語なのか知らないが・・・。」
「ひとつひとつはそんなに長くないと思う。少しぐらい違ってたっていいよ。それはそれで面白いし。」
はぁ・・・。夢人は言い出したら聞かないからなぁ・・・。どうやら今回は俺が折れるしかなさそうだ。ま、いいか。暇つぶし程度にやっていけば。
「わあったよ。やってやるよ。」
「本当?ありがと耕助♪」
「その代わり、急かすなよ。俺も気晴らし程度にやってくから。」
そう俺が釘を刺すと、夢人は数秒考え込んだ後、こう言った。
「あ、じゃあこうしよう。ひとつ話を終えたら、耕助がブログに書く。んで書き終えたら、俺に言ってよ。次の話をするからさ。」
「はいはい。わかりましたよ。」
「はいは一回だよ。」
「お前はどっかの先生みたいなことを・・・。」
こうして俺は図らずも、夢人の妄想活劇?をブログに書くハメになった。コイツの頭の中から、一体どんな物語が飛び出してくるやら・・・。
「音楽はどうすんだ?そっちは協力できないぞ。」
「音楽は後回しかな。俺も耕助も楽器も出来ないし譜面も読めないし書けないから。手段がないよ。」
「それもそうだな。」
夢人はすごく嬉しそうだ。やれやれ。可愛い女ならともかく、野郎を喜ばす為にブログを書くことになるとはな。ま、腹くくるか。
「夢人ってアレだな・・・。」
「何?」
「頭おかしかったんだな「」違ぇーよ」
俺が言い終わると同時に、するどい夢人のツッコミが炸裂し、枕話は終わるのであった。
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